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【勉強ノート公開】貿易実務検定A級対策

💡この記事は、2021年にA級を独学で取得した私の、勉強法やまとめノートの内容をまとめています。2年前に受験した試験についてのレポートですので、最新情報は各自ご確認をお願いします。

いつか書こうと思ってなかなか出来ていなかったのですが、23年以降の受験生に向けてまとめることにしました。勢いあまって7,660文字も書いてしまいました…。目次もありますので、気になる所だけご参照ください☺

私のまとめよりも良質な紹介記事は、下記にもございます!


0. 受験当時の、私のスペック

  • 貿易実務検定A級は「概ね、3~4年以上の実務経験のレベル」とされていますが、受験当時で私は国内車両手配(ドレー)を1年半、海上輸送を半年程度かじった程度で、関税って消費税もかかるの?EPAってたくさんあるの?というレベルでした。。通関士の資格もなし。

  • とはいえB級を、過去問をひたすら回す&テキストを読み込む作戦で1年前に合格していましたので、貿易実務検定の出題傾向(L/Cや荷為替手形が多いなあ…)や、基礎的な内容は理解していました。

  • 英語とマーケティングは、あまり苦手意識がなかったです。とはいえ留学経験は1年、マーケも本業でちょっと齧ったぐらいです。

  • 学習期間は、独学で確か約4か月(6月頭~10月頭まで)、日あたり3.5時間程度かと思います。7月には出産もあり、1か月程お休みして8月後半から慌てて再開するなど、なかなか大変でした。


1. 貿易実務検定A級のざっくり内容

  • 貿易実務(200点)、英語(150点)、マーケティング(100点)の3科目(450点)で、およそ6割程度(=270点)がボーダーのよう。(※合格基準は非公開)

  • 年に1回、東京・名古屋・大阪で受験。

  • 合格率は35%~40%程度(※B級は45%、C級は60%程度)

  • 通関士の範囲(関税)や、実務(航空・海上運賃の計算)なども出題。

💡B級とは異なり、A級では3科目とも記述問題があります。実務では、クレームに対してどのように対応するか?とか、マーケティングでは4Pやブランド戦略などの意味を、自分の言葉で解説。英語では、ビジネスシーンを想定した英作文もあります。これが、A級は難しいと思わせる所以かもしれません。


2. 貿易実務 対策

貿易実務に一番時間を費やしましたが、ポイントは下記4点です。とにかく何度も言いますが、過去問から勉強を開始する!ことがポイントです。

  • 過去問を制する者は、貿易実務検定を制する。まずは過去問から始める。私は第13回~19回まで7年分集めましたが、第16回以降の、直近5年あればいいと思います(13回~15回あたりで出題傾向が変わっているため)過去問はメルカリを活用、出品がなければ公式サイトから購入。

  • 答えが合っていても間違っていても、解説を読み、その部分のテキスト(後述)を確認して知識を得る。必要ならまとめノートを作る。

  • 書類作成は、ノートに書き写す&解説まとめをしながら覚える。

  • 知識が定着しているか、何度も過去問を回して確認する。


以下、細かく説明していきます。

2-1. 使用テキスト&勉強法

下記2冊だけを保有していました。2017年に購入した為、少し古かったと思いますが、問題ありませんでした。ベーシック版には載っていない事が、アドバンス版にたくさん載っています。B/Lなどの書類記入例などもまとまっているため、アドバンス版はマストです。

過去問題を見て、不明点をテキストに戻る際に、参照していました。反対にこれ以外のテキスト(公式問題集や公式の講義など)は使用していません。

何度も何度も行き来するので、インデックスつけたり。ピンクが特に苦手、として色分けしました。

ただ、テキストを眺めていても分かりにくい所はあるので、ノートに自分なりにまとめていました。過去問題の解説+テキスト+ネット検索などを多用しています。

インデックスを付けておくと、後から確認するときに便利です!
TTBやTTSなどの為替レートが書いてあるページなどは、全く覚えられなかったので、別で付箋紙をつけてすぐに戻れるようにするなど、得意・不得意に合わせて、上部に付箋紙をつけました。


代金決済。L/CとT/Tだけしか知らなかったので、リンバース?デビット?と混乱。自分なりに絵を書いてイメージを掴む。(「金→」とか、「←金」、とか…お金の流れをイメージしたつもり)


ノートに直接書き込むと、間違えていた時にそのページを破るのが勿体ないので、ポストイットに書いてノートに貼り、たまに解説を変えて貼り直してみたりと、工夫。

自分の理解度に応じてノートの内容をアレンジできます。ちなみに左側にだけ書き込みをして、右側はメモスペースに残しておきました。1トピック1見開き、ですね。


このノートは最終的に、試験会場に持参して、苦手分野を見返すのに役立ちました!テキストだと重たいし、書き込みやメモが出来る所が少ないため。

2-2. 過去問の入手

さて、そんな勉強の元になる過去問ですが、メルカリ+公式サイトで購入しました。だいたいまとめ売りしてくれている方がいるのですが、年間200人も受験しない試験だけあって、A級の出品頻度は少ないです。

必ず過去問+解説がセットになっているものを購入します。
また、解答の仕方になれるためにも、1回分ぐらいは解答用紙がついているものを購入してもいいかも。確か公式サイトから購入すると、解答用紙もついていたと思います。

ちなみに、現在公式サイトで販売されている問題集は、「貿易実務検定® A級12回から17回の本試験問題を掲載しています。」とあるのですが…試験の傾向が14回か15回あたりから変わったように感じられたため、直近の問題を1年ずつ集めたほうが良いかな?と思います。

私の手元には現在、13回~20回までの8年分が揃っていますが、何度も復習で回していたのは16回~以降だったと記憶しています。

2-3. 実際の勉強の仕方

何度も言いますが、まずは過去問を入手して、解きます。最初は絶対に解けないと思いますが、意味不明でも全部答えを埋めてみます。

※公式サイトに出題例がありますが、実際の問題とはレベル感や分量が違うので、ぜひ過去問を入手してください💡

そして、過去問についている解答集を確認します。

解答集には、基本的にすべての問題に解説がついているので、解説を見て「あ、これは信用状統一規則のことなのね」と、トピックを理解し、テキストの索引でページを調べて、その部分を読み込みます。

💡そもそもテキストを読む前に問題に挑戦すると、私のように「これ何のこと???☠」という状態になるかと思います。。問題文のキーワードや解説を見て、例えば「過小資本税制」について調べる→理解する→別の年の問題を解いてみる…というループを繰り返します。

5年ぐらい問題を解いていると、傾向が見えてきます。例えば信用状統一規則は毎回出てるのでは!?とか、どのような時にディスクレと判断されるのか、をよく聞いてくるなあ~とか、関税額算出の計算問題、EPAについてや、外国税額控除も毎回出てるのでは…など。

このような出題傾向を絞らずして、500ページ近くあるテキスト2冊を暗記する事から始めるのは、かなり大変です!よって、過去問からスタートして、知識を深めていくことを強くお勧めします。

13回~19回までの過去問に出てた書類作成内容を、項目別にまとめて作戦を立てました。
(それ以外は勝手ながら、白抜きにしました💦)

こうやって分析すると、荷為替手形や、為替予約票が頻出だから、そこを対策しよう!などという作戦が立てられますよね。


2-4. 書類作成の対策

次に、書類作成です。確かB級では選択式だったと思うのですが、A級では自分で全ての欄を穴埋めしなければなりません。例えば、「信用状なし輸出荷為替手形買取依頼書の作成」という出題では、空の依頼書に、口座番号やDraft Amount、Drawee’s nameなどを、問題文を見ながら、全て自分で記入していくのです。。

そこで、こんなものを作りました。

過去問の傾向から、よく出る書類に絞って作成した、お手製ノートです。見開き1ページの左側には、書類のフォーマットを書き起こして穴埋めで問われる所を赤字で記入。右側に解説やメモを記入します。

荷為替手形について。書く内容は、問題集の解説やテキスト(アドバンス版の後ろに書類サンプルがある)をもとにして作成し、間違えた事は、マーカーを引いて注意喚起。

例えば、数字は大文字で書くとか、日付の「2nd」の「nd」は不要、など。
右側ページに書いた解説。登場人物4名(輸出入者、買取/発行銀行)をA、a、B、bで書き起こして、左側のページのどこに誰が入るかを分かるようにしたり、1つのL/Cで複数のB/Lがある場合は遅い日付を書くんだとか、間違えた個所をこのノートにそのまま書き込み。
💡結果として試験前に、見返しができる復習ノートになる。
こちらは信用状開設依頼書。
これは特によく出た記憶があり、ねちっこくフォーマットまでノート上に再現しました。
左側のページに該当する項目の解説。
⑬は書類の提出期限だが、普通は船積の10~15日後で、指定がないと21日過ぎていたら買取しない、など、テキスト&過去問題で間違えた個所からの転記をする。

お前はヒマか?

という感じですが…これは試験の3カ月ぐらい前(勉強のかなり初期)に作り始めました。どうしても書類作成に苦手意識があり、ちょうど産休に入ったタイミングでしたので、一気にマスターせねばと平日の昼間に作成していました。

ですが、テキストを眺めるだけでは、やはりスラスラと書類問題は解けなかったと思います。手を動かして、なぜそれがここに入るのか?と不明な点を調べたり、解説や間違えた点を書き込む余白を残しておくことで、試験前(それこそ当日の見直し)にかなり役立ちました。


2-5. 記述問題を練習で解く時のコツ(道具)

さて、過去問&テキスト&ノート作成で勉強をしてきたわけですが、いよいよ試験も近づき、腕試し的に過去問を解きたい!というときに使っていたツールがあります。それがこちら。

トレーシングペーパーです。
過去問では、書類の穴埋めをしていくわけですが…問題用紙にそのまま書き込んでしまうと、消すのが大変。

それが、このトレーシングペーパーを使うと、こんな感じでスケスケになるんですね。問題を解く時は、この紙を重ねて記入していました。選択式問題の塗りつぶし練習にも役に立つし、記述式(マーケや英作文)だと、文字数の感覚が分からなかったので、実際の解答用紙にこちらを重ねて記入していました。

この上から鉛筆orシャープペンで答えを記入します。

2-6. 計算問題の対策

計算問題はとにかく、良い電卓が命ですよね。通関士試験でも同じかなと思います。私は簿記を受けた際に購入したこちらの電卓を使用しました。好みがあるので、どれでもいいと思いますが…卓上でも叩きやすいサイズがいいですね!

計算問題は、実務とマーケティングでも出題されます。実務では関税額の計算や、海上・航空輸送の運賃計算がありました。

関税額の計算に至っては、私は通関の経験もなく、通関士資格も保有していなかったため、1,000円未満とか100円未満の端数切捨てルールを知りませんでした(笑)私と同じように、切り捨てルール?という方は、貿易実務のテキストだけではなく、通関士のテキストなども参考にされるといいかなと思います。

あと海上輸送では、まさかの内寸や段積み可否を考慮してコンテナサイズを選択するような問題も出ていました。何となく入りそうなコンテナを選んで運賃計算~ではなく、きちんと積載可否まで考えなければなあと思わせる出題でした。。

3. マーケティング対策

貿易実務について長く書き過ぎたので、マーケティングと英語はさらっと記載します。

  • マーケティングもやはり、過去問から始める

  • 不慣れな単語は、グロービスやYoutubeなどを参考に学ぶ

  • 計算問題は公式を暗記!

以下、説明していきます。

3-1. 過去問を解いて傾向を知る

やっぱりここからスタートです。特にマーケティング分野については、前述した2種類のテキストが参考になるかと言われるとそうではなく、一般常識(?)のような問題も多かったため、よく出ている分野を特定するためにも過去問を活用しました。

マーケティングは得意とか言いながら、全然知らない言葉が多くてげんなりしたのを覚えています。。出題傾向が読めなさ過ぎて…出てきたものをひたすら暗記していました。

3-2. グロービスなどで単語を調べる

そして、そこで出てきた単語をひたすらネットで調べます。簡単な例ですが、例えば4Pとは何を指すかとか、ブランドの種類とか。

このあたりで知識を付けて、自分なりにまた、まとめていきます。
マーケティングにも記述問題があるため、自分の言葉で説明できるようにならなければ、と思ったためです。

かなりざっくりとしたまとめだが、これらを自分の言葉で説明するとしたらどうする?ということを考えながら暗記していました。

特にマーケティングは、フレームワーク(4種類の概念があるとか、階層とか…)が多い印象があり、それらが記述では問われやすい(※出題者は1回の設問で、複数の項目を問える)かな?と思って勉強していたため、グロービスにはとてもお世話になりました。

グロービス学び放題などの契約をしている方なら、動画視聴もお勧めですし、Youtubeなどでも、マーケティング分野はたくさん学べるかなと思います。


3-3. マーケティングの計算問題

こちらも同じように、過去問で問われた計算問題をネットで調べて、簡単なフラッシュカードのようなものを作りました。

先程のお手製ノートでも良かったんですが、公式=暗記なので、家中に貼ったり、適当に持ち歩いたりして、すぐ見返したかったんですね…。適当なサイズの紙を使用しました。

簡単ですが、マーケティング対策はこんな感じです。
基本的には貿易実務に7割ほど力を注ぎ、残り2割でマーケティング、残り1割で英語、という形で対策していました。
試験直前は、実務9割、マーケ1割という感じです。

4. 英語対策

最後になりました。貿易実務の英語対策です。
英語は得意だから…と特に対策らしい対策をしなかったので、箇条書きで書けるほどのポイントがないのですが、過去問を見てみてビックリ😲どの選択肢も正解に見えるんですよね…

細かな単語の違い、ニュアンスの違いなどで正誤が分かれており、1文1文しっかりと読みながら回答をする必要がありました。

4-1. 出題形式に慣れる

とにかく過去問。どんな問題が出ているのか?を知ることが大事です。私のように英語はいいや、と油断していると、問題文を見て「えっ」ということになります…。

だいたい7~9行ぐらいの英文を読んで、日本語訳を選ぶ問題と、7行ぐらいの日本語を読んで、英文を選ぶ問題があります。TOEICのように「明らかに違う!気持ち悪い!」みたいな選択肢ではなく、どれも正解のように見えてしまうので…1文ずつ意味を見比べながら回答していました。

こればかりは、過去問の英文を見せてご説明しないと説明が難しいのですが…単語が微妙に違うとか、前置詞が違うとか、ささいな違いで正誤が分かれる問題が多かった印象です。

4-2. インコタームズを英語で覚える

4-1ともつながりますが、英語の設問の中には、英文を読んでインコタームズを答えるものがあります。よって、私はこんなものを作りました。

インコタームズを日本語じゃなくて英語で覚える。
こうすると英語の意味も理解できるし、改めてインコタームズの復習もできます💡

英文は、ネットで検索して出てきたものをそのまま転記していました。
今なら、ChatGPTに投げてもいいかもですね。

このおかげ?なのか、インコタームズは間違えずに答える事ができました。前半に英文精読して日本語訳を答えたり、日本語から英文を選んだりする以外に、後半に英作文(日本語で言うと15行?4段落ぐらいあるものを英訳)があるので、選択式問題は秒で解けるようにした方がいいです。

4-3. 英単語帳を作る

最後に、お世話になったサイトとサービスを紹介します。らくらく貿易様の貿易用語集(日英あり!)と、ankilotです。

らくらく貿易さんでは、「あの用語、英語で何と言うの?」というものが解説されており、スクショを取っては見返していました。解説もかなり充実しています!!💡

また、貿易業界独特?の英単語については、Ankilotに登録して、スマホでもすぐ確認できるようにしていました。

PCから編集(単語一覧をCSVで読み込みも可能)でき、PCからでも、スマホからでも、シャッフル再生や読み上げができる、かなり高機能な単語帳です✨無料です。参考にならないと思いますが、当時使っていた単語帳を共有しておきます。(下記リンク)

https://ankilot.com/view/?id=s3vhid01Li

HostilityとかHospitalityに見えて、どうしても敵対行為って覚えられなかったり、Mobilizationも車のイメージが出てきたり…ちょっと覚えるのに苦労した英単語を、単語帳に入れていました。

4-4. その他対策

正直英語に関しては、ちょっと躓いた英単語を覚えたり、インコタームズ対策をしたぐらいで、あまり対策出来ていませんでした…(というか、何をしていいか分からなかった)

当方、留学経験もあり、英語にあまり苦手意識がなかったからかもしれません。英語に苦手意識がある方は、貿易実務でよく使いそうな英単語(【倉庫】とか【納品が遅れる】、とか)を覚えるといいかもしれません。

最後の長い英作文だけは、日本語を英語に直訳しよう!と思うとうまくいかなかったので、日本語の段階から、できるだけ平易な表現になるように心がけました。頭の中で一度どんな意味の日本語なのか?それをどう英文にするか?をイメージして、メモしたりして、最後にざざっと解答用紙に直書きしました。


5. 貿易実務検定A級対策 まとめ

  • 実務もマーケも英語も、まずは過去問で敵を知る。

  • 過去問で出た所を効率的に学んでいく

  • テキスト(アドバンス版)は必須。書類作成でつまづくため。

  • テキストの内容を自分なりにまとめたり、説明できるようにする

  • マーケティングはグロービス等の外部サイトを活用

  • 記述もある事を踏まえて、知識を「暗記」ではなく「理解」する

  • 英語は個人のレベルによる…TOEICのような選択肢ではない

  • 便利なサービス(Ankilot等)を活用して、効率的に学ぶ

というわけで、初めてこのような資格試験の勉強法をまとめてみました。
何か皆様のお役に立てれば幸いです☺



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