ガブリエル・シャネル展の話
建物自体が素敵すぎてたまら〜ん!な三菱一号館美術館で開催中のガブリエル・シャネル展へ行って参りました。
館内が薄暗いことでおなじみの(?)美術館ですが、今回は一段と暗かった!
展示室の壁際なんてまじ暗闇w
それはそれでなんか雰囲気あって良かったけども。
※以下添付画像は専用の音声案内アプリからお借りしました。宮沢氷魚さんの落ち着いた語り口が聞きやすくて、帰宅してからも楽しめるのでお勧め!(イヤホン持参してくださいね)
内容は、ドレスからバッグ、香水、ジュエリーまでガブリエル・シャネルが手掛けた革新的アイテムのオンパレードで大興奮!
シャネルと言えばシャネルスーツの直線的なシルエットのイメージが強かったけど、意外にもドレープやフリルを多用した若々しく可愛らしいドレスなんかも多くあって、新しい発見を得られたなぁ。花柄プリントのワンピースとか今見てもとっても可愛い!
近年のロゴドン!シャネルですぅー!!っていうのじゃなく、デザインとして秀逸で上質なアイテムたちばかり。
"日常性とラグジュアリーを結びつける"をとてもスマートに表していた。
鮮烈な赤色のドレスたちも素敵だったな〜。
モノトーンのイメージが強いシャネルだけど、その中にある赤って更に際立つね。
"私たちの身体の中に持っているこの赤を、表に出さなれければいけない"
あとは着物っぽい素材や柄とか、オリエンタルな要素を取り入れた重厚なコートやローブ。
各国の画家や詩人、社交界での交流からインスピレーションを受けたシャネルの頭の中をそのまま覗いたような。
織り物かと思って近くで見ると総ビーズ刺繍!のドレスとか、ため息ものだったわ…
ゆったりしながらも身体を美しく見せるラインは、彼女の妥協のない正確な仕事によって作られたもの。
"切り取ること、削ぎ落とすこと、取り除くことが必要で、決して付け足さないこと。"
これってなかなか簡単にできることじゃない。
そんなシャネルスーツは、素材から形まで細部までこだわり抜いた、当時としては革新的なデザイン。女性が活動的になれるスーツ!
シャネル自身が「働く女性」という新しい時代の先駆者だったからこそ作り出せたものだと実感。
これは最近話題の"女性服にポケットが無い問題"にも通ずるところがあるな…と。当事者しかわからない不便さとか。今まで何の疑問もなく当たり前に受け入れられていたことを覆して新しい価値観を作り出すって、すごいことだよな。
2.55って、発表された1955年2月にちなんだ名前なんだって。金属の擦れる音を抑えるためにチェーンに革紐を編み込んだらしいとか。
無駄を削ぎ落としてシンプルで実用性があり、それでいて唯一無二なデザインは、働く女性であるシャネルだからこそできたもの。
化粧品ボトルの旅行用サイズを作っちゃうのとか、当時としては画期的だったんじゃない?このコスメラインからあのCCマークがつけられるように。ていうか、服だけじゃなくコスメも展開するブランドビジネスって、、めっちゃ商才あるよな。やり手すぎる!
イミテーションジュエリーという概念を作ったのもシャネル。
そのデザインは、カラフルでダイナミックで、女性が着飾って武装するのに最高!
クロスや植物、星のモチーフ、ロングネックレスの重ね付け、、どれもこれも全く古さを感じさせないのがすごい。
"私が宝石をたくさんつけると偽物に思われるけど、宝石は人の目をくらませるものではなく、純粋に楽しむべきもの"
一時代を築き、いったんお休みして、そして70歳を越えてから再始動、晩年まで第一線で活躍したというシャネル。かっこええ!パワフルウーマン過ぎる!
"流行を作るのは誰にでも似合う小さな襟ではなく、極めて簡素で着こなしの難しい黒のドレスであることを教えてくれた。"
こんなカッコ良すぎるシャネルの美学を目の当たりにして、きゃぴきゃぴ女子はシャネルのバッグを「かわいい〜♡」なんて言える?!(そもそもあれはデザインとして"かわいく"はないと思うのよ)
あまり時間がなくてかなり駆け足で見てしまったけど、見応えたっぷりでとても素敵な展示でした。やはり、時を超えて愛され続けるものには普遍的な魅力があるんだなぁと実感。
ミュージアムショップではパリのお針子さんがテーマなのか輸入の手芸用品がたくさん売ってた。そこで普通に方眼定規買ってる人がいてなんか良かった。笑
シャネルのカッコ良い女の生き様を見せてもらって、なんだかちょっとだけ強くなれたような。どっぷり日が暮れた丸の内をルンルンしながら帰りましたとさ。
いただいたサポートはまた面白記事を書けるように美術展や企画展のチケット代として使わせていただきます!