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リサイクルショップの兄ちゃん。

今朝の体温 36.5

私は貧乏人なので洋服や小物はリサイクルショップで調達している。
歩いて10分ちょっとの場所に行きつけの店があり、私はバイトの兄ちゃんと仲良し。月イチぐらいでメールのやりとりをする程度の仲だった。

持ち込んだ洋服類と、欲しいものを交換してもらったり。
捜してるものが入荷したら連絡もらったり。
兄ちゃんのおかげで効率的にお買い物ができたし、断捨離もいくらか進んだ。
去年ぐらいから服をリサイクル施設に寄付するようになったので、「それ以外のものを持ち込む場所」へとシフトしているところだった。

最近はリハビリで滅入っており、外にいるのがおっくうで、一カ月ぐらい行ってなかった。その間、連絡もなかった。
彼にはほかにご執心の女性客(ちょっと美人だけど意地悪!私は大嫌いなヒト(笑))がいるし、いつも色んな人の手伝いをしているので忙しい。
久しぶりに足を運ぼうかと「お疲れ様です。今お店にいますか?」とメールしてみた。お疲れさまです、というのは彼がメールして来る時にいつも使うあいさつで、私も彼にだけ使っている。
お店にいるなら、がんばって不要品を持ち込もうかと思ったのだ。

「最近行ってないです。
人の恋路を邪魔する奴はなんとかって言うじゃないですか」

というよくわからない返事。店番してないことだけはわかった。
ハートマークがいっぱい付いている。
そして何やら不満があった様子。

「どうしたの?」

って聞かなきゃいけないんだろうけど、恋の悩みなど聞いてもアドバイスのしようがない。
私はサイコパス気味の人柄で、他人に興味がないのだ。←最低

「どうしたの?」以外の返信をして、何度かやりとり。
店長への不満がたまっているらしく、店番を頼まれても行きたくないと言う。
ここ数日は店にも寄り付いていないそうで、在庫状況も不明(たまに「婦人服がいっぱい来てますよ」なんて連絡くれてたんだけど)。
仕方ないのでその足で散歩がてらお店に行くことに。
雨が降り出しそうだった。

小さな店にたどり着くと、店長が商品を並べているところだった。
後で気づいたけど、ネックサポーターをしている。
ヘルニアらしい。

「店長なにそれ」
と心配するおばさま客に大げさに病状を訴え、トドメに

「みんな話を聞くと3万円ぐらい置いていきますね。心配して」
と見舞金を要求している(笑)
「へー」

あっさりスルーするおばさまナイス。私も無言で店内を物色し続ける。
なにしろ雨が降り出しそうなのである。早く帰らなければならない。

印傳の札入れがあったので購入。
柄はイマイチだが伝統柄で状態もいい。
価格はおにぎり1つ分ぐらいだった。安いね。
春からこっち、かなりの量の洋服を寄付したのでお礼がわりかもしれない。

店を出て、郵便局で記帳をし、図書館へ向かうと・・・緊急事態宣言中につき閉館。
リフォームの本を借りようと思っていたのに残念。
このガッカリは、さっきバイトの兄ちゃんとメールを交わした時のガッカリと似ている。

兄ちゃんと出会ってから4年ぐらいになる。
最初は警戒されたが(私はだいぶ後まで警戒していた)、ずっと親切にしてくれていた。
店長は余計なことばかり言うのでたまにイライラさせられたが、兄ちゃんはそんなことなくて、女性客や子供にはただただ甘い(笑)。
おしゃべり好きだということも途中で知った。

外国人のお友達がけっこういたようで、ビックリ裏事情にも通じていた。
彼のそういう、変なルートは私を引かせる一因で、あんまり踏み込んだお友達にはなれないと思っていた。
でも、色々手伝ってもらったことはありがたかった。
前から気になっていて、なかなか行けずにいた喫茶店のランチに付き合ってもらったこともある。コロナ前の春だったと思う。
ご馳走しようと思っていたのに、逆にご馳走されて恐縮した。
私が家族以外の誰かと望んで食事をするのはレアなこと。
歴代10人ぐらいしかいないんじゃないかな?

彼との接点がなくなるのはちょっとさびしいな。
彼はなぜか私を気に入っているようで、ランチや買い物など、いろんな場所に何度も誘ってくれたが、そのほとんどを私は断ってしまった。
この数年、私はずっとメンタルが不安定で、人間不信で、話すことも億劫だったのだ。
会話もぜんぜん弾まないのに、懲りずによく働きかけてくれたなあと思う。こんなに私を誘ってくれる人に出会うことはもうないだろう。
今までありがとね。
部屋は知ってるから、今度、お弁当でも差入するよ。
そんで、少しづつお別れしよう。
そういえば気に入ってたお弁当屋さんがなくなっちゃったのよね。
喪失の連続だなあ。




つらい毎日の記録