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「グリーンブック」鑑賞。

見たかった作品。
「ロード・オブ・ザ・リングス」でアラゴルンを演じたヴィゴ・モーテンセンの主演作。

モーテンセンさんはちょっと変わった人。
若い時期にパンク歌手のエクシーンと結婚。男児が生まれるも離婚して子供を引き取る。ビジュアル全盛期は育児に追われてあまり仕事できず、ピークを浪費する。ギリギリでまだカッコイイ時に射止めたのがアラゴルン役だ。スチュワート・タウンゼントの代役だった。
大ブレイクするが、その後の出演作はイマイチで、ファンになりかけた私がめっきり沈静化するほどだった。
ブレイク前の微妙な映画のほうが彼の魅力が出てたかもしれない。

「悪魔のいけにえ3」
しょうもない映画だったが、モーテンセンはキュートだった。
「ダイヤルM」
芸術家くずれの役がちょっと良かった。
「オーバー・ザ・ムーン」
移動販売のブラウス屋の役。かっこよかった。

他もいろいろ見たけど、映画の格も高く、役柄もいいっていうのは記憶にない。ちなみに「ダンス・ウィズ・ウルブス」は彼のために書かれた脚本だったのだが、別の役者で映画化された。
モーテンセンが演じていればそれはそれでいい作品になったかもしれない。ヒットしなかっただろうけど。

彼が出演してる映画を「面白い」と思ったことがない私(特にアラゴルン後)。
「オーシャン・オブ・ファイヤー」のつまらなさと来たら泣けてくるほどだった。
グリーンブックはあらすじを聞いた瞬間に面白そうだと思った。
そんで面白かった。

アメリカの黒人差別が激しかった1962年。
黒人を毛嫌いしているイタリア系のトニー(モーテンセン)は勤め先のナイトクラブでの職を失い、黒人ピアニストの運転手をすることになる。

ピアニスト役のマハーシャラ・アリがとてもオシャレ。背が高い。モーテンセンも184ぐらいあったと思うから、2メートル近くあるんじゃなかろうか。とにかく大きく見える。
指が恐ろしく長く、美しい。ピアニスト役がぴったり。

トニーの雇い主は高名な天才ピアニスト、ドン・シャーリー。
教養豊かで高潔かつエレガントな人物で、学がなく粗野なトニーとは対照的な紳士だった。
ドンはトニーが暇さえあれば奥さんに宛ててヘタな手紙を書いていることに気づき、誤字を直し、女性がうっとりするようなロマンチックな文章を考えてやるようになる。
立派な紳士であるドンが「黒人だから」という理由でお粗末なホテルにしか泊まれず、白人と同じレストランで食事さえできない。この現実をトニーは理不尽に思う。
差別や偏見は愚かなことだと考え始め、やがて二人は良い影響を与え合う友となる。

タイトルの「グリーンブック」とは、黒人を排除せず受け入れているレストランやホテルを紹介したガイドブックのこと。
当時、黒人の安全な旅のための必携の書だった。

モーテンセンはその名の通り北欧系なんだけど、イタリア人って言われたらそう見えなくもない。「フレンズ」でイタリア系プレイボーイ、ジョーイを演じたマット・ルブランにもちょっと似てる。
今回は恰幅のいい役だったがまだまだイケてます。
目から鼻のラインが繊細でキレイなんだよね。
これからさらにいい役者さんになりそう。
好きだったジョニー・デップがよくわからない人になっちゃったので、今後のモーテンセンには期待したい。

デップさんはもともと狂犬みたいな人。長く事実婚を続けてきたバネッサ・パラディと一緒にいた時期は比較的落ち着いていたんだけど、別れてからはやっぱりキチガイ、いや、狂犬ぶりを発揮しているみたいですね。
もう顔見るだけでお腹いっぱいって感じです。実に残念。

つらい毎日の記録