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「フランス蚤の市」メモランダム

コロナ療養中に美しい食器を見たくなり、なんとなく「フランス蚤の市」の動画を見るようになった。
いろんな方の映像を見ていて気づいたこと、いくつかメモ。

・フランスにはフランスの食器がある
あたりまえのことなんだけどこれが最初の発見。
並んでいる食器の種類も違えば傾向も違う。
私がいつも見ている食器は洋食器であっても「日本の食器」なんだなとカルチャーショック。
そんなに違いがあるとは正直思っていなかった。

・汚くても売る、売れる
欠けやヒビのある食器も普通に売っている。
日本のフリマやリセール市場では「骨董品」以外であのレベルのダメージがあるものはまず見かけない。
ひどく腐食したアンティークの鏡を売っているマダムが言うには、
「補修もできるけどこのまま売っている。これが美しいんです」。
日本とはだいぶ意識が違う。

・昭和レトロのルーツを見た。気がした。
私が小さなころに身の回りにあった青い花柄の皿や素朴な手描きっぽい陶磁器はフランス食器を模したものだったんだと気づいた。
現代日本の陶磁器ではこの系譜が途切れてしまっている印象なので不思議だったのだ。
もしかしたらもっと早い時期にヨーロッパ輸出用に作っていたデザインを継承していたのかもしれない。
そのわりには蚤の市動画では日本製のものはあまり出てこないけど。

・あんまり値切らないんですね
まとめて買ってるのに値切らない人もいるのが驚き。
私は必ず値切るので(笑)お行儀いいなあと思う。
陶器市に通っていた頃なんか値切りまくりで、表示価格で買ったことがない。
ただし、笑顔でやりとりできる範囲でですよ。
私はこれでも「素敵な女」でいたいので、お店の人と険悪になるぐらいなら買いません。
自分の希望価格とかけ離れているものは最初から候補に入れないしね。

・フランス在住日本人の間で流行がある?
木でできた素朴な鳥のオブジェや、粗いチェックが特徴的なバスク柄、サルグミンヌのブーケ柄シリーズ、壁掛けの鏡など、どのyoutuberも必ず1度は買うアイテムがあって面白い。
蚤の市以外の購入品やお店の紹介でもたまにかぶりが見受けられる。

「この間○○さんが買ってたのと似てるな」
「これって○○さんが好きなシリーズだな」
「○○さんが紹介した店だな」

なんて思いながら見るのも興味深い。
かぶりが意図的(マネしてるってこと)なのかどうか不明だが、とにかく興味深い。

・パリ以外がねらい目
パリの蚤の市は年々高騰しているとのこと。
でも地方はそうでもなさそう。
ティーセットにランチプレートをどっさり付けて7€(1000円ぐらい)とかで買ってるのを見るとワクワクする。
たいていの皿は1€~5€で買えるっぽいが、日本だとたぶん1枚4000円以上になる。買い付けでフランス旅行に行くのも楽しいかもね。
皆さんお土産で往復それぞれ50~80㎏と大量の荷物を運んでいるようなので、食器もたくさん持ち帰って来れそう。
私はお土産買う相手がいないし、ぜんぶ食器でもいい。
割れる可能性もあるけど、そこは努力と工夫で。
そういえばメルカリで食器買ったらまた割れて届いたんだよね。
今年に入って5回目ぐらいだ。また投げたでしょ?
袋で送る出品者も出品者だけど、どっちもいい加減にしてほしい。

・街がキレイ
日本もかなりキレイなのだが、中途半端な開発の名残などが多々見受けられる。そういうものが風景を無粋にしていると思う。
フランスは昔から景観に気を付けているのか「田舎はこうあってほしい」と望まれる風景が残っている、、、ように見える。
都市部は都市部でオシャレだし、日本とはキレイのジャンルが違う。

・治安悪くないの?
治安がよくないと聞くフランスだけど、蚤の市は平和な雰囲気。
常時スリには気を付けなきゃいけないらしいが、店で悪さをする人はいないのだろうか。
テーブルの端の方までぎっしりと割れ物を並べているが、お店の人がいないこともけっこうあるっぽい。
落として逃げる人とか、持ち逃げする人とかいないのかな?
蚤の市というシステムがずっと成立しているということは、犯罪があったとしても存続に支障が出るほどではないってことなんかな。
ちょっと不思議だ。

しばらく食器を買うのはやめていたのに、動画の皆さんがあまりに楽しそうに買いまくるので私もついつい色々買ってしまった。
やばい。

つらい毎日の記録