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【最新】SaaS決算総振り返り

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本記事では、2021/3期の2Q決算、2020/12期の3Q決算など主要SaaS企業の最新決算状況を振り返っています。

【 対象企業 】
マネーフォワード- Businessセグメント
ユーザベース - SPEEDA+FORCAS/その他B2B
リンクアンドモチベーション-モチベーションクラウド
Chatwork-Chatwork事業
カオナビ-全社
Sansan - Sansan+Eight
サイバーセキュリティクラウド-全社
インフォマート - 全社
フリー - 全社
ラクス - クラウド売上高
弁護士ドットコム-クラウドサイン
サイボウズ - クラウド関連事業
HENNGE-HENNGE ONE事業
エス・エム・エス-介護事業者分野(カイポケ)
AI Inside-リカーリング
決算全体に関してコメント

SaaS企業は、売上高/ARRの成長率が高バリュエーションの根拠となる中で、YonY成長率やQonQ成長率のモメンタムに着目をし、主要なSaaS企業の決算のポイントを抑えていきます。

【 表中の項目に関する説明 】
 ■ ARR

  可能な限り各社のSaaS・クラウドの収益ベース

 ■ PSR-当期予想
  2020/11/25時点の株価ベース

 ■ モメンタムの基準感
  ◎ ⇒ YonY,QonQ双方で成長加速
  〇 ⇒ YonY,QonQ双方で成長維持
  △ ⇒ YonY,QonQのいずれかで成長鈍化、一時的な成長トレンドの停滞
  × ⇒ YonY,QonQのいずれかでマイナス成長

 ■ 翌日株価
  決算日の終値 ⇒ 翌営業日の株価変化率

マネーフォワード- Businessセグメント 〇

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コメント:
ボクシルのM&A効果を差し引くと32%成長。前四半期まではBusinessセグメント成長率はYonY+50%成長の水準だったため、元々のプロダクト成長率はやや鈍化。M&AによるERP領域強化により成長率自体は高い。ミッドセグメントへの拡張や業務ソフトウェア拡充で単価(ARPA)を狙う。

ユーザベース - SPEEDA+FORCAS/その他B2B〇

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コメント:
SaaS事業の成長モメンタム自体は若干鈍化もほぼ横ばい。SPEEDAの3Q単体MRR成長率が15.2%とやや成長鈍化しており、料金改定や新機能で再び軌道を戻せるかに注目。梅田氏の退任は、既にSaaS事業への関与はなく影響限定的。株価はQuartzの売却報道(決算前にある)と、それに伴う損失計上で一時的にボラティリティ上がるも、決算前の水準に落ち着きつつある。

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* 日経新聞より転載

リンクアンドモチベーション-モチベーションクラウド 〇

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コメント:
モチベーションクラウドのMRRがYonY、QonQで上昇に転じた。前四半期に対し、導入社数が減っているものの、それを補うだけのARPU(単価)が向上し、ARRが成長。大企業導入率があがることにより解約率の低下も見込め、収益構造が改善。マーケットからも好感され、ボトムから反転。

LM株価

* 日経サイトより転載

Chatwork-Chatwork事業 △

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コメント:
前年同時期のYonY売上高成長率が35%で、成長のモメンタム自体は変わらず。前四半期の急増に伴う反動で、QonQの成長鈍化は発生。DAU増加率もQonQで+1.3%と微増。株価は、レンジを下回る下方修正公表によってストップ安に。SaaS企業平均よりもマルチプル水準が高かったこともあり、成長期待を下回ると敏感に株価が反応した。昨年IPO時点の公募株価1,600円を割り込む株価で直近推移。

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* 日経サイトより転載

カオナビ-全社 〇

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コメント:
ARR成長率44.4%と高い水準で維持。新型コロナウイルスによる影響は現在までもニュートラル。業績予想をレンジ公表し、最終赤字可能性あること、また、マザース全体の悪化影響などから株価はネガティブに反応。

カオナび

Sansan - Sansan+Eight △

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コメント:
ストック売上高成長続くものの、YonY・QonQで成長率が鈍化。名刺の取り込み枚数減によるSansan事業「その他」が減少した影響大きい。次回決算でこのトレンドが続くか注視。「イベントテック」への注力化。

サイバーセキュリティクラウド-全社 〇

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コメント:
ARR成長率は前四半期とほぼ変わらず。昨年比ではやや減速傾向。ARR10億円の攻撃遮断くんの売上成長率が+21%と鈍化傾向になっている。WafCharmは+180.6%と大きく伸びており、次の決算の成長率に注目。

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