くぐり抜けた春と私
何か異常を起こしても「思春期」で片付けられる約7年間。生きづらかったと早く言いたい。
私がその7年の中にいる今は過去にできないから。はやく思い出話にして笑ってしまいたい。
7年間をめくり終えた後にあの時と同じ異常を起こして、全てを証明したい。何のせいでもなく私という人間そのものが、あなたから異常に見えたこと。
あの日の私をあなたは殺したのです。
一言で片付けられてしまった私が一言も発せなくなってしまったこと、あなたは知らないのでしょう。
「思春期」とラベリングされたビンの中で友人たちは勉学に励み、恋をし、いつの間にか掛けられていたハシゴから安全に、ビンの中から今まで見ていた世界へと足を踏み入れた。
むりやりビンから脱出した私の体を踏みつけながら。
でもそこに後悔はない。
彼、彼女らが感じはじめた「風」を私は昔から感じていた。
本当の春の訪れを1人だけ早く知ったのだ。
くしゃみをしながら。
2022.6
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