フラッシュバック

一昨日の夜から何をどうしても寒気と鼻水がおさまらず、体温を測ると「37.4」の数字が点滅していた。異常事態である。しかし、素人のわたしには風邪なのかコロナなのかインフルなのか判断もつかぬまま、常備している葛根湯を飲んで早めに床についた。

だが、翌朝になっても熱は引かず、冷凍していた鱈と白ごはんで卵がゆを作って食べた。幸いなことに食欲はあるし、鱈の塩気や三つ葉の香りもしっかりと感じられることに少し安堵しながら、淡々と箸を進めた。

しかし、問題はその後である。
食後に薬を飲んで再び寝ようとしたが、目が冴えてしまい寝つけないのだ。それまで半日も寝ていたのだから仕方ないが、身体が「寝るな、起きろ」と叫んでいるのだ。仕方がないので、横になりながらぼーっとしていた。

すると、なぜだか「休職初期の頃、平日の昼間にただただ寝ていたこと」を思い出してしまった。その頃と今とシチュエーションが同じだからだろうか、休職に至るまでの出来事がひとつひとつ鮮明に甦ってきた。

上司先輩からのやっかみやパワハラがエスカレートするにつれて、食欲も集中力も判断力も削がれていき、しまいには朝の満員電車に乗れなくなってしまったこと。限界を感じ、信用していた先輩に相談のヘルプを出しても無視されてしまったこと。人事部にアラートを出しても、適切な対処がなされなかったこと。

そんな約5年前の映像と音声が頭の中を支配しつづけ、まるで追体験をしているような状況に陥ってしまった。救いを求めて、冷えたミネラルウォーターを飲もうにも、ベッドから起きあがれない。金縛りのように身動きが取れず、声を発することもできず、ただただベッドでうずくまっていた。生きた心地がしなかった。

結局は小一時間後に落ち着きを取り戻すことができたが、小刻みなフラッシュバックに一日中苦しめられた。せっかくの休みだったし、外はうららかな陽気だったのに。なんだか損した気分がした。夜に熱は引いたが、気持ちは沈んだままだった。

そして今日。ようやく元気になったので、Google先生に質問してみた。どうやら、発達障害やHSP気質の人は過去のフラッシュバックに苦しむ人が一定数いるみたいだ。ネットでは「タイムスリップ現象」と定義され、原因や対策法が説明されている。

■タイムスリップ現象■
過去の極度の苦痛を伴う体験が、ある時突然再生される現象です。フラッシュバックと似ていますが、タイムスリップ現象は当時の体験があたかも今現実に起きているように感じるとされます。

わたしは、「体調が悪い」「一人でいる」「することがない」の三要素が重なると、タイムスリップ現象を引き起こしやすい。これまでも発作を起こしたことは度々あるが、いつもはすぐに沈静化していたのであまり問題視していなかった。なぜ今回は長引いてしまったのか、自分でも不思議である。

だけど、タイムスリップ現象は近々また起こる気がしてならない。そうなったときに正しく対処できるように、知識という武器を身につけたい。そしてその知識がインプットできたら、備忘録としてnoteに記したい。

おしまい。

(次回こそ「凪のお暇」の感想文を書きます…)










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?