俳句幼稚園 根が陰気なんです
木蓮の花は思い出と言うか、
祖母の選民意識というか。
まだ自分が小学生に上がった位の頃、
珍しく祖母に連れられて出かけて。
今では大きめと思える家のコンクリート塀に
沿って歩いていると、白木蓮がまさに満開で
祖母の後ろを静かに歩いていたら
「木蓮を庭木にするとか。今時なのね」
と、自分の方を振り返って言う。
要するに彼女の価値観では下品なんだ。
だから真似をするなと言う事なのかと
子供心に理解。
昭和の中頃すぎの安っぽい舗装道路に
バラバラと落ちた木蓮の花びらを
祖母は草履さばき宜しく避けながら歩く。
その後、
何故か木蓮は咲く前か散ってしまった後の
あのバラバラな花びらばかりに遭遇する。
時過ぎて壊れ散らばる白木蓮
ときすぎて こわれちらばる はくもくれん
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