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もしも し かめよ?

一日の終わりに、SNS界隈を千鳥足で徘徊すると暑い経営者の話か、煮えたぎる政治系の話か、身の回りの幸不幸の話か恋愛ものの話を目にする。


あゝ人生の尺図だよ。


今日は車で法務局に行く。GWらしく、途中何度か亀が追い越すほどの渋滞もある。

同行の事務員さんに不動産の履歴事項証明書について説明した。仕事はなるべく面白く話す様にしている。その方が良く覚えてくれるから。本当は単に法務局で発行してもらうだけの仕事なんだけど、次回は一人で余裕で行けるようにという話。間違うと印紙のボディーブローがキツイ。

行き帰りに雑談と仕事を混ぜこぜにしている流れで事務員さんの恋愛話を聞く。

自分が人付き合いに時間を恐ろしくかける人間だとごく最近知ったばかりなので、事務員さんの恋愛話も自分と比較しながら聞いていた。

彼女は『もしこの相手が結婚する気が無いなら他に進みたい』と話す。耳が痛い。
自分も人付き合いはスタートはとても良いテンポなんだけど、その後が恐ろしく遅い。ウユニ塩湖並みの水平線が続く。

この時間のかかり具合は恋愛に相当なダメージを喰らわしているのを今頃知る。相手には、自分ははっきりしない人なんだよね。思い描く未来がある人なら尚更。

のめり込み時期のお約束で、他より優先させたり相手だけ特別扱いがほぼない。あまり一緒に行動したがらない。つまりデートもかなり少ない。イベント開催も誕生日が限界。唯一その他のイベントのバレンタインは美味しいチョコを見つけたら皆んなに配る。

こうして文章化すると鬼畜な自分に戦慄。震え。

自分は相手の良きとこ悪しきところも含め大事にしたいし、自分もされたい気持ちが結果ゆっくりとした進捗になる。よく怒るし意見も言い合うけど関係は進まない。恋愛特有の短期間の貪るような情熱が乏しいのかも知れない。

そっと思い出してみると、一番長く付き合っていた人にすら父が亡くなった話をしたのも49日過ぎていた。それくらい距離が縮まらなかった。

先月、離婚したての友人が『もしも、あの人じゃなくて当時気にしていた別の人だったら今も普通に奥様していたわ』と嘆いていた。そして『もしも今度素敵な人が現れたら迷わずアタックするわ』と元気よく語る。

事務員の彼女も友人も、未来を夢見て素早く動いているんだよね。

10年位前にロンサムジョージが死亡したニュースを読んで、彼はピンタゾウガメの最期の一頭になっていたけど、ロンサムな不幸せじゃなかったと今も思う。生涯を共にできる気の合う相手が多分居なかっただけだと思ってる。

もしもし亀よ🐢


もしも、もしも、気の合う人が見つかったら

長生きしてねと切に願う。

なにぶん亀並みにゆっくりなので。



写真はこちらから。ロンサムジョージを知りたい方へ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ロンサム・ジョージ






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