オタール・イオセリアーニ映画祭3:「ジョージアの古い歌」をみて
ジョージアの地方であるスバネティ、サメグレロ、グリア、カヘティに伝わる歌の歌唱風景と各地方の生活風景を交えながら記録したドキュメンタリー映画です。全編モノクロ映画でセリフも字幕もない映画でした。
この映画が余韻を引きずるくらいめちゃくちゃ良かったです。
映画で記録されたどの地方の歌も、数人の男性達による合唱でした。不協和音が多くて、明るくなく不穏な雰囲気が出ていました。
私の感覚としてグリア地方だけはわずかに牧歌的だなと思いました。
合唱をまじめに聞いたことがないので、どうやって聞けばいいのわからなくて、よくわからないながらも映画をみていましたが
ジョージアの古い歌を聞きながら、地域の風景を見ていると、最初に感じた未知のものをみている違和感がだんだん消えていきました。
自然や村の人の表情をみているうちに、行ったことのないジョージアの村に、どこかなつかしさを感じました。
歌に関連して、現代の日本ではみんなの歌というテレビ番組があるように、歌は大衆文化になっていて、歌手の歌に共感して自分の物語のように考えたり、カラオケで歌ったり、歌を取り入れるいくつもの方法があるのかもしれません。
ジョージアの古い歌は、これまで歌が人から人に継承、口承されるものであって、地域や村に住む人たちの物語や生活や自然環境など、過去から今を語るものさまざまな記憶の形なのかなと思いながらみていました。
この映画をみて、歌というものを考えるきっかけになりました。一方で、私は歌を持っていないと自覚しました。みなさんは自分の歌を持っていますか?
終わりに
数年前オタール・イオセリアーニの映画に出会った頃にジョージア行ってみたい旅したい熱が再び再発しました。
この夏はジョージアに行ってみよう。
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