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ウェブトゥーンと漫画の違いとは?
こんにちは!コピンコミュニケーションズジャパンのハツミと申します!弊社コピンは、スマホの縦読み漫画、通称『ウェブトゥーン』を制作している会社です。
突然ですが、皆さま、ウェブトゥーンってご存じですか?もし、ご存じなければ、以前書いた弊社の記事をご参照ください。ウェブトゥーンの"ヤバさ"をご理解いただけるかと思います。
ウェブトゥーンとは、韓国発祥のスマホに最適化された縦読みマンガのことです。スマホだけで読めたり、一話目を無料で読めたりと、ハードルの低いことから、皆さまも一度はご覧になられたこともあるのではないでしょうか?
ちなみに、LINEマンガや、ピッコマなどで配信されている漫画がすべて、ウェブトゥーンというわけではありません。ウェブトゥーンとは、厳密にいえば、コマやセリフなどがすべてスマホに最適配置されたコンテンツを指します。そのため、以下のように縦スクロールで読めるようになっていても、紙の漫画のコマ割をそのままデジタル化したものはウェブトゥーンとは呼びません。それらは、WEB漫画や、デジタルコミックなどと呼ばれています。
マンガとウェブトゥーンどっちが面白いの?
ここまで読まれた方の中には、こう疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。「じゃあウェブトゥーンと、紙の漫画、どっちが面白いの?」
正直言うと、それは一概には言えないのです…!
というのも、ウェブトゥーンは、日本の漫画に似てはおりますが、漫画とは多くの点で異なった"表現"なのです。簡単に言うと、ウェブトゥーンと紙のマンガを比較することは、映画と音楽を比べたり、漫画と小説を比べたりするようなものなのです。
しかし、既存のマンガと比較することで、ウェブトゥーンの長所や、短所などが見えてくることも確かです。なので、今回は、ウェブトゥーンと紙のマンガを比較し、それぞれの違いについて、私なりに考察してみたいと思いますッ!
違い① 媒体
まず、初めに誰でもわかる簡単な違い!ウェブトゥーンはスマホで読み、漫画は本で読みますね。一見、読む場所が違うだけという些細な違いにも感じますが、この違いが、ウェブトゥーンと漫画の境界線を作っているといっても過言ではないのです。
※現在では、ウェブでの公開をはじめから意図して制作された「デジタル漫画」(形式は既存の漫画、配信形式がデジタル)もありますが、ここでは説明をわかりやすくするために、デジタルの漫画も、"漫画"ということで一括りにさせていただいております。
ウェブトゥーンは、スマホで読めるので、書籍を買いに行く必要がありません。スマホと電波さえあれば、どこでも読むことができます。この点は、ネットが普及した現代では非常に強みになりますよね。
しかし、一方で、ウェブトゥーンは紙のマンガのように、友達に貸したり、床屋さんの待合室に置いたり、入院中の差し入れにあげたりと、そういった書籍ならではの楽しみ方はできません。友達に漫画を貸していて、返却されたときには、ポテチの油がついててブチギレるといったあの光景もウェブトゥーンでは起こりませんね。
違い② 読者の目線の動き
皆さま、漫画を読むときに自分の目線の動きを意識したことはございますか?実は、日本の漫画の読み方は、意外と独特なのです。
画像元:【小学館 まんが家養成講座】見やすいコマ割りをしよう!(画像をクリックすると、出典元のサイトに飛びます。)
皆さまは誰に習うこともなく、自然に漫画の読み方を習得されたかもしれませんが、このコマを自然に追っていくという作業は、実は案外難しいのです。日本では読み方が定着した漫画ですが、日本人以外からすると、初見では、どう読んだらいいかわからない難解コンテンツなのです。
一方、ウェブトゥーンの目線の動きは一定です。スマホで上から下にスクロールするだけですので、目線が迷うことはありません。そのため、漫画に触れたことがなかったグローバルな新しいニーズにも、浸透しやすいのかもしれません。
違い③ コマ割り
紙の漫画においては、コマ割り自体が重要な表現の一つです。コマ割りで、読者の目線を誘導したり、コマ数を調節することでストーリーにリズム感をもたせたりできます。
一方、ウェブトゥーンは基本的にコマだけでいうと単調です。上から下へスクロールするだけですので、目線の誘導などもそこまで必要ないため、コマの形や、並べ方もそこまで複雑ではありません。その代わり、紙の漫画とは異なった表現でウェブトゥーン独自のリズムを作り出しています。
加えて、ウェブトゥーンは、デジタルの強みを活かし、常に新しい表現を模索している段階です。(例えば、セリフにデジタルでグラデーションをつけたり、作画をフル3Dにしたり)正直、ウェブトゥーンは、まだコンテンツとして、表現の伸びしろがありまくりなのです。そのため、今後ウェブトゥーン独自のコマ割りや、あっと驚く表現技法が登場するかもしれません。
違い④ 着色
漫画とウェブトゥーンでは着色方法も異なります。ウェブトゥーンは、基本的にフルカラーです。一方、紙の漫画では、巻頭カラーなど一部の場合を除いて、白黒にトーンやベタなどを使った表現がされているのが主流ですよね。
ウェブトゥーンは必ずしも、フルカラーでなければいけないというルールはございません。しかし、現在掲載されているほとんどの作品が、フルカラーで作られています。こう聞くと、現在、ウェブトゥーン制作を考えている漫画家様は、「大変そう」とお思いになるかもしれませんが、ご安心ください。ウェブトゥーンは基本的に、分業体制で作られております。それに関しては、弊社で記事を書いておりますので、そちらをご覧ください。
ウェブトゥーンは、フルカラー。漫画は基本、モノクロ。そう聞くと、ウェブトゥーンのほうが良いように聞こえてしまいますが、これは表現の差にすぎません。漫画のベタやトーンだからこそ、表現できる独特の描写、ウェブトゥーンのフルカラーでCGをふんだんに盛り込んだリッチな描写、どちらも一長一短で、それぞれ特徴があります!
違い⑤ セリフ量
その他の違いとしまして、マンガのなかのセリフ量や文章量などがあげられます。一般的に、ウェブトゥーンの方が、作中の文字やセリフが少ない傾向にあります。一方、紙の漫画では、時に「小説か!?」と思うほどの文量がある漫画もありますよね。(名探偵コナンや、DEATH NOTEなどが有名)
ウェブトゥーンのセリフが少ない理由としましては、①現在の読者層が若いことや、②スクロールによるスピード感を保つため、③隙間時間に読みたいライトユーザーが多い、などいろいろ考えられますが、あくまで私個人の考察ですので、参考程度にお考え下さい。
セリフに関しても、セリフが多いから良い、悪いとは一概には言えません。セリフが多い分、世界観を緻密に表現できますが、シーンのスピード感は少し落ちます。一方、ウェブトゥーンでは、セリフを削っている代わりに、世界観の作りこみは、先述したようなリッチなイラストによって表現されているのかもしれませんね。これに関しても両者、一長一短であるといえます。
まとめ
私が、結論として申し上げたいのは、ウェブトゥーンも、紙の漫画もコンテンツとして、「どちらも良い」ということなのです。(ずるい)
ウェブトゥーンには、ウェブトゥーンの強みが、漫画には、漫画の強みがあります。しかし、世の中には、時代とともに流動する読者のニーズというものがございまして、コンテンツの強みが、ニーズとマッチしたときに、ヒットするというのが現状でもあります。それを踏まえたうえで、ウェブトゥーンの"ビジネス的な強さ"を少しだけお話しさせてください。
簡単に申し上げますと、ウェブトゥーンはグローバルなニーズをとりにいきやすいコンテンツなのです。デジタルで距離的なハードルを取っ払い、読みやすく、直感的にインパクトあるビジュアルで、わかりやすいコンテンツということもあり、いま世界でも注目されています。また、紙に比べ制作コストも圧倒的に低いため、制作者側がチャレンジしやすい市場でもあります。そういった背景もあって、いま世界的にウェブトゥーン人気が爆発しております。
「どのくらい注目されているか」「どのくらい規模が大きいのか」などのウェブトゥーンの"ヤバさ"については、冒頭で紹介しました、以下の記事をご覧ください。
長々と説明させていただきましたが、ウェブトゥーンと漫画の違いが少しでもご理解いただけたなら幸いです。ちなみに、私は、紙の漫画も、ウェブトゥーンも大好きです。特色を比較したうえで、コンテンツを鑑賞すると、よりそのカルチャーを楽しめますよね!
また弊社では、ウェブトゥーンの漫画家様、編集者様を随時募集中ですので、興味がございましたら、ご連絡ください!
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