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ウェブトゥーンは、なぜヤバい?

こんちには!株式会社コピンコミュニケーションズジャパンのハツミです!弊社、コピンはスマホの縦読み漫画、通称『ウェブトゥーン』を制作している会社です。

皆さん、ウェブトゥーンはヤバいですよッ!!?

『ウェブトゥーン』は韓国発祥のコンテンツで、縦スクロールで読めるよう、スマホに最適化された漫画です。スマホで読める手軽さと、フルカラーのインパクトもあり、世界的に読者が増加しているコンテンツでもあります。『ウェブトゥーン』という名称はお聞きになられたことがなくても、「LINEマンガ」や「ピッコマ」などで、実際にウェブトゥーンを読んでいるという方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなウェブトゥーンがなぜ"ヤバい"のか、ご紹介できたらと思います。


ウェブトゥーンのヤバいポイントをご紹介する前に、ウェブトゥーンに関して、もう少しだけ説明させてください!皆さまの中で、ウェブトゥーンに対して、以下のようなイメージをお持ちの方いらっしゃいませんか?

・紙の漫画を電子化しただけでは?
・紙の漫画の下位互換でしょう?
・紙の漫画こそが神だ!

違うんですッ!!

ウェブトゥーンは、名前に『トゥーン(マンガ)』と冠してはいますが、漫画とは異なる体験を提供するコンテンツなんです!!信じてくださいッ!

その上で、申し上げますと、よくインターネット上でみかける「ウェブトゥーンは、日本の漫画を超える」といった内容の情報は、すこしズレた意見かなと、私は思っております。というのも、ストーリーや、アクション、フィクションを伝える表現に、音楽、小説、映画、写真、漫画と様々な手法があるように、ウェブトゥーンは、その表現手法の中の独立した一つだと考えているからです。

ウェブトゥーンは、コマ割り、読者の目線の動き、ストーリーの組み方や、それを視聴する媒体まで、既存の漫画と大きく異なります。そのため、漫画とは独立した表現方法と考えたほうが、すんなりウェブトゥーンを受け入れていただけるかと思います。

表現の違いについては、以下の記事で紹介しております。よろしければご覧ください!

もし、先述したようなウェブトゥーンのイメージを持たれている方々がいらっしゃるとしたら、非常にもったいないです…!!もったいないッ!!

なぜなら、ウェブトゥーンはヤバいからです!!
ではここから、なにがヤバいのか、ご説明させていただきますね。

スマホで読めるのがヤバい

ウェブトゥーンのヤバいポイント1つ目。まずスマホで読めるのがヤバいです。スマホで読めるということは、簡単に言えば、媒体の物理的な制約が少ないということです。

音楽についても、ストリーミングサービスで音楽がデータ化されて配信されるようになってから、音楽を聴く機会や、新しいアーティストを知る機会が増えたという方も多いのではないでしょうか?

ストリーミングサービスが普及したことにより、私たちはCDプレーヤー、スピーカーいらずで、スマホだけで音楽を楽しむことができるようになったのと同じように、ウェブトゥーンはスマホと電波さえあれば読めるという、この"ハードルの低さ"がヤバいのです!(肯定的な意味です)

スマホで読めるということは、読者だけでなく、私たちコンテンツ制作者としても大きなメリットがあります。例えば、書籍のような"モノ"を作らなくてもいいので、アナログ媒体の発行にかかる費用が少なくなります。ほかにも、ウェブトゥーンは、デジタルでの発信をはじめから意図して作られたコンテンツなので、グローバル展開や、その他のデジタルコンテンツへの転用が非常に楽です。このような製作者側の大きなメリットもあって、現在、爆発的にコンテンツ数が増えています。これもヤバいッ!!

このように、スマホに最適化されたコンテンツだからこそ、スマホの普及した現代で、急速に発展しているのです。つまり、ウェブトゥーンはこのデジタル社会に、生まれるべくして生まれた、コンテンツの黒船なのです。

ウェブトゥーン独自の見せ方がヤバい

ウェブトゥーンのヤバいポイント、2つ目は、独自の表現手法にあります。この点が、私がさきほど、紙の漫画とウェブトゥーンが異なると話したポイントになります。日本の漫画は、媒体が紙で、右開きだったこともあり、あのコマ割り、あの読み方、あのスピード感、あの演出だったのですが、ウェブトゥーンは媒体がスマホなので、その表現手法も大きく異なります。それをご紹介いたします。

ー 縦読み

まず、特徴的なのが縦読み。ウェブトゥーンは、LINEマンガやピッコマなど、様々なプラットフォームアプリを介して読むことができるのですが、そのどれもが、基本的には縦読みです。中には、日本の漫画の感覚に慣れている方のために、横読みに切り替えられる機能があるアプリもありますが、基本は縦読みなのがウェブトゥーンです。

ウェブトゥーンには基本的にページという概念がありません。一話のストーリーが、縦長の絵のように描かれており、それを上から下にスクロールしていくように読むのが特徴的です。そのため、日本では「縦スク漫画」と呼ばれていたりもします。縦長で連続して描かれているので、紙の漫画のようにページをめくったら驚きの見開きが!という見せ方はできませんが、画面いっぱいに広がるイラストは見開きに似たインパクトがあります。また、スクロールで上から下に流れていくような独特の読み心地があります。そのため、ウェブトゥーンはストレートに、感覚的にストーリーが入ってきやすいという利点もございます。

ー 間(ま)の取り方

ウェブトゥーンは、既存の漫画のコマやセリフを、縦スクロール用に配置し直したものではありません。スマホ画面いっぱいに、それをスクロールして見ることに最適化されて作られているので、コマや、セリフの配置が紙の漫画と大きく異なるのです。

以下の描写をご覧ください。

note間の参考

なんだこの画面いっぱいの余白の使い方は!!!!?すご!!!!

このように、セリフ、絵の間隔を調整することで、読者に独特の間を感じさせることができます。これはウェブトゥーン独特の間です。紙の漫画にも間を感じさせる表現はございますが、ウェブトゥーンは、絵が縦長の枠の中で制限されているからこそ、作者の意図した間を、読者に"そのまま"伝えられるというメリットがあります。

ー フルカラー

ウェブトゥーンはフルカラーで描かなければいけないという制限はございません。しかし、現在発行されているウェブトゥーンのほとんどが、フルカラーで制作されています。

フルカラーで製作となると、漫画家の方や、イラストを描いたことがある人は、「大変そう」と思われるかもしれませんが、その点をカバーするように本場韓国では、多くのウェブトゥーンが分業制によって作られております。この点に関しては、弊社で記事を出していますので、ご参照ください。

ウェブトゥーンが、フルカラーで発行されている理由としましては、様々な理由が考えられます。

・発行コストが低いので、コンテンツをリッチにできる
・紙からスタートしたわけではないので、モノトーンのベタやトーンを使った表現が、作者にも、読者にもあまり浸透していない
・フルカラーにより直感的な表現ができる(色味を読者の想像に委ねない)

上記のような理由が考えられるのですが、私見や、私の推測を多分に含みますので、参考程度にお考えください。

というよりも、日本の白黒の作画が、世界的に見ても異例だったのです。海外のコミックもほとんどがデフォルトでカラーで作られていたように、基本的に絵の入った読み物はカラーというのが世界のスタンダードだったのかもしれません。

また、現代のコンテンツは、文章よりイラストへ、イラストより動画、という「リッチ化」の傾向もありますので、フルカラーであるウェブトゥーンはその需要とマッチしていたのかもしれません。

ー 1話の短さ

LINE漫画や、ピッコマ等で、実際に作品をご覧になられた方はわかると思うのですが、ウェブトゥーンのエピソードは、1話だいたい3~5分程度で、スキマ時間に読める長さになっています。

短時間の動画投稿SNS、TikTokが世界的に人気になったように、YoutubeでもShort動画が実装され、切り抜き動画が増えたように、現代のコンテンツは、Short化の傾向にあります。それは、ユーザ側の集中力の問題や、自由に使える時間が減ったことなど、様々な要因がありますが、そういった現代のニーズにも、ウェブトゥーンはうまくマッチしているのではないかと考えております。

スキマ時間に簡単に読めて、流れるように内容が入ってくるとしたら、そりゃ流行ると思いませんか?私の友人も、「ウェブトゥーンは、電車の乗り換えの間に読むのにちょうどいい」と言っておりました。簡単に読めるというハードルの低さは、コンテンツとして非常に強いですよね。

表現にまだ伸びしろがある…

ウェブトゥーン独自の表現をいろいろ述べましたが、実はウェブトゥーンはまだまだ進化の途中なのです。例えば、最近ではウェブトゥーン上のセリフを、Youtubeのテロップのようにグラデーションにしたり、シーンによって音楽を流したりと、ウェブトゥーン業界全体で、可能性を最大限に模索している段階です。

どうですか!ウェブトゥーン、ヤバくないですか!!!?
可能性をめちゃめちゃ感じませんか?

お金の動きがヤバい

3つ目のウェブトゥーンのヤバいポイントをご紹介します。お待たせいたしました、皆さまが大好きなお金のお話です。実は、ウェブトゥーンは、めちゃくちゃお金が動くコンテンツ市場でもあります。

現在、一番活発に動いているウェブトゥーンの市場は、本場韓国ですが、昨年韓国では、ウェブトゥーン市場の取引総額が1兆ウォン(約890億円)を超えたそうです。以下、参考記事を載せておきます。

同記事でも触れられていますように、「梨泰院クラス」というウェブトゥーンは、Netflixでドラマ化もされており、世界でも注目されています。また、湊かなえさんの日本語小説「告白」が韓国でウェブトゥーン化されるなど、そのデジタルの強みを活かし、コンテンツの垣根をびゅんびゅん飛び越え、世界に進出しています。最近では、バッドマンなどで有名なDCと、Naverウェブトゥーンが手を組んで、新コンテンツ制作に乗り出すという情報もあるそうですよ!?

ウェブトゥーンの馴染みやすさ、市場の伸びしろを考えると、これから確実に来る市場、いや、正確にはもうキテる市場なのですッ!!

また、大きなお金の動きのみならず、ウェブトゥーン独自の課金体系なども面白いですよね。LINEマンガや、ピッコマなどのプラットフォームごとに存在する、「待てば無料」や、「広告を見たら無料」という形式も、他のデジタルコンテンツにはないお金の動きと言えます。この無料でも読めるというハードルの低さは、利用ユーザを増やし、それぞれのプラットフォームを育てます。そして、プラットフォームが育つと、広告のコストが下がります。そうした好循環が生まれることで、さらに良いコンテンツが生まれる!

こういった、いままでにないお金の動きが、コンテンツの勢いを後押ししているようにも思います。

まとめ

どうですか皆さま!!!ウェブトゥーンのヤバさ、少しでも伝わったでしょうか?!!

そして、日本のコンテンツ制作者の皆さま、ウェブトゥーンの可能性を感じていただけましたでしょうか…?私は、決して「ウェブトゥーンは、既存の漫画にとってかわる」と言いたいわけではないのです。世界に受容されるコンテンツの器「ウェブトゥーン」に、日本のストーリー、作画技術、世界観を詰め込んだらどうなるのか、ただ見てみたいのですッ!!!!!!

現在、日本でのウェブトゥーン市場は下火に感じるかもしれませんが、実は、ここだけの話、日本の多くの大手出版社様たちもウェブトゥーンを水面下で準備し、この波を捕えようと構えているところです。日本にもいままさに、ウェブトゥーンの波がもう来ているのですッ!!

弊社コピンコミュニケーションズジャパンも、バカ面白いウェブトゥーンを作り、世界を感動させられるよう、日々制作に励んでおります!


このnoteを読まれている方の中で、「ウェブトゥーンで天下を取りてぇ!」という気持ちが沸き上がった漫画家様や、編集者様がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社にご連絡ください。

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