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ACミラン16-17シーズンまとめ!さよならベルルスコーニ・・モンテッラに託す未来~ミラン復権のファーストステップ!チャンピオンズリーグ出場を目指す

Ciao!ドドン小西です。新しい年度にかわり様々な節目を迎えられた方も多いのではないでしょうか。私の職場には新入社員が2名配属され、はやくも辛そうです😰クラブワールドカップ2007でミランが優勝した年に社会人になった私はサッカーを観る余裕がないほど疲弊していたことを覚えています

早速ですが16-17シーズンのミラン。ヴィンチェンツォ・モンテッラを招聘しCL出場権獲得を目指します。

ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督就任

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現役時代はストライカーまたはセカンドトップの様な位置でプレー。ゴールを決めた際に両手を広げて走り回るパフォーマンスから「L'Aeroplanino」(リトルプレーン)の愛称でファンから愛されていました。当時セリエCのエンポリでデビュー、当時セリエBのジェノアでの活躍により、セリエAサンプドリアへ。ローマ時代は中田英寿選手ともプレー。イタリア代表歴もあります。172cmと決して体格には恵まれなかったものの、高いテクニックとゴールに対する執念を持った選手でした。

監督としてはフィオレンティーナを3年連続4位、コッパ・イタリア準優勝、ELベスト4に導くなどの手腕を発揮。ミラン立て直しを任されます。

16-17移籍市場

夏の移籍注目はセリエBで圧倒的な強さ見せつけたペスカーラの得点王ジャンルカ・ラパドゥーラ。その他レオネル・ヴァンジョーニ(リバープレート)、グスタボ・ゴメス(ラヌス)、ホセ・ソサ(ベシクタシュ)を獲得。
ローンでマリオ・パシャリッチ(チェルシー)、マティアス・フェルナンデス(フィオレンティーナ)。
そしてローン移籍していたジェノアで大活躍し戻ってきたスソ、同じくアタランタからガブリエル・パレッタ。 その他、第二のドンナルンマとして将来を期待されるアレッサンドロ・プリッツァーリや期待のFWパトリック・クトローネがトップチームに昇格します。
そして黄金期から永くミランを支えてきたアッビアーティが引退メクセスプリンス・ボアテングメネズらが去り、思うように活躍出来なかったバロテッリは買い取られずにリヴァプールに戻ります。なお、ひっそりとパオロ・マルディーニの長男であるクリスティアン・マルディーニがローンでレッジーナへ(現在セリエCプロ・セスト所属)。このシーズンはクリスティアンだけでなく多くの選手がローンで放出されています。
冬の移籍では主にローンでジェラール・デウロフェウ(エバートン)、ルーカス・オカンポス(マルセイユ)等を獲得。アドリアーノニアンらを放出しています。

このシーズンはクラブ売却問題が長引き、結局思い切った補強などは行えずじまいでした
そして2017年4月13日シルビオ・ベルルスコーニは李永紅(ヨン・ホンリー)へミランを売却。1986年3月23日に救世主としてミランに降り立ったベルルスコーニの31年にわたる長期政権が終わりを迎えます(この憎めないおじ様が僕は好きでした)。すぐさま大型補強の噂が・・・。誰もが新たなチャイナ・ミランに期待を寄せます。

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16-17シーズンの主要スカッド

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だいたい、こんな感じでしょう。モントリーヴォやベルトラッチ、ポーリなどが怪我でほぼ出場できず、その他にもボナベントゥーラやロマニョーリも怪我で離脱することもありました。あと、ボナベントゥーラは左のウイングとしての起用も多かったです。(フォーメーションに入れ忘れました💦)

モンテッラは守備局面では数的優位をつくりでボール奪い、すぐさま縦に速くボールを動かし、それに合わせて前線のアタッカー陣がデザインされた動きで裏のスペースを突くのが基本戦術。ただし、そこのクオリティ部分でやはり往年のミランとは違い、選手が対応できないこともしばしばでした。

このシーズンはスソがベストプレイヤーと言っていいと思います。カットインから左足を振り抜きゴールを奪う姿やクロスでのチャンス演出などコンスタントな活躍を見せていました。ロカテッリやカラブリアも荒削りながらも随所に良いプレーを魅せており、劇的なゲームが多く、一時は3位につけるなど期待の持てる前半戦だったと思います。

さて、開幕戦は劇的な展開。昨年途中までミランを指揮していたミハイロビッチ率いるトリノとの対戦。バッカの先制弾もベロッティに同点とされますが、立て続けにバッカが2ゴールを決め、この試合トリプレッタ。しかし後半アディショナルタイムに1点差詰め寄られると、パレッタがPK献上&退場。しかししかし、ミランの守護神ジャンルイジ・ドンナルンマはベロッティのPKをスーパーセーブ✨まじこの子すごいは17歳なのホントに!?と誰もが大騒ぎしました。

2016年は終了時点で5位。CL出場圏に十分手が届く位置につけます。ところが年明けからは大ブレーキ。主力選手が相次いで怪我での離脱を余儀なくされ、野戦病院と化します。ナポリ、ウディネーゼ、サンプドリアに3連敗を喫し、7位に後退。モンテッラ解任論まで出始めます。せめてEL出場権は確保したいなかで、怪我から復帰したスソが活躍を見せ、最終的に6位フィニッシュ。なんとかEL予備予選出場権を獲得することができました。久々にヨーロッパの舞台に戻れることもあり、モンテッラはこの戦力でよくやったなと個人的には感じたシーズンでした。

16-17カンピオナート結果

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第5節から首位を独走する絶対王者ユヴェントスは6連覇。ポグバやモラタを失うもナポリからイグアインを獲得。そのイグアインは24ゴールと期待に応え、そして安定感抜群の試合運び。
チーム力、クラブの組織力、経済力など、どの点から見ても穴が無くまだまだイタリア王者は盤石だなと思うシーズンでした。第9節ロカテッリのゴールでユヴェントスに勝利した試合は印象的でした。

ジェコとモハメド・サラーを獲得したローマも圧倒的な攻撃力でユヴェントスを追いかけますが、2位をずっとキープしたままユヴェントスには追いつけず。36節には3-1でユヴェントスに勝利するなど肉薄しますが、もったいない取りこぼしもあり、2位フィニッシュ。このシーズンを最後にローマの王子様、「バンディエラ」フランチェスコ・トッティが退団します。

3位ナポリはわずか4敗と負けなかった。でも引き分けが多かった。イグアインが抜けた穴をドリース・メルテンスが28得点と十分に埋め、カジェホン、ロレンツォ・インシーニェ、マレク・ハムシクなど充実した戦力を活かしたサッキ監督の手腕も見所でした。

4位は就任一年目で旋風を巻き起こしたガスペリーニ監督率いるアタランタ。一時は開幕から連敗を喫するなど解任論も出てきましたが、後にミランに加入するフランク。ケシエやコンティ、カルダーラなどの若手とアレハンドロ・ゴメスらのベテラン勢をうまく融合させた素晴らしいシーズンだったと言えます。Brave❗

スーペルコッパ・イタリアーナ👑

昨シーズンのスクデット獲得およびコッパ・イタリア優勝はユヴェントスでしたので、コッパ・イタリア準優勝のミランがスーペルコッパの舞台に立つことになりました。以下スタメンと交替選手です。

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コーナッキックからキエッリーニに先制されるものの、アレックス・サンドロが怪我で前半のうちに交替すると、対面するスソが躍動しチャンスを右サイドから量産。そのスソのクロスにボナベントゥーラが合わせて同点とし、前半終了。

後半もミランペースで試合は進むものの、ロマニョーリのヘディングはクロスバーをたたくなど決めきれません。

延長でもお互いにチャンスを決めきれず、終了間際のデ・シリオのハンドが見逃され、ユヴェントスの猛抗議を受けるもそのまま終了。

PK戦にもつれ込み、お互いに一人ずつ失敗して迎えたユヴェントス5人目のキッカーはディバラ。それをドンナルンマが神セーブ最後はパシャリッチがきっちり決めてスーペルコッパ・イタリアーナのタイトルを獲得します。

スソのクロスからの~

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ジャックの同点弾!

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ジャックの同点弾!(別角度)

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PK戦!ドンナルンマとディバラの対決~

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勝負を決めたパシャリッチ

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タイトル獲得に涙のロカテッリとドンナルンマ

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久々のタイトル獲得に喜び爆発❗

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ロカテッリの涙にはぐっとくるモノがありますねぇ・・

では以下、選手紹介です。。

|スソ
1993.11.19生 ESP  
176cm/70kg FW・MF
(15~20年)

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彼は2012年9月20日、ヨーロッパリーグのヤングボーイズ戦でリヴァプールでのトップデビューを果たします。
2015年1月にミランへやってくるものの、ミハイロビッチの元で出場機会を得られず、ジェノアへ貸出されます。
ジェノアではコンスタントに出場、フロジノーネ戦で初のトリプレッタを達成するなど活躍します。
モンテッラが監督に就任すると呼び戻され、右のウイングとして定着、7ゴール9アシストを記録する大車輪の働きぶり。 元ミランのサヴィチェヴィッチは、スソを「彼は私に似ている、彼も素晴らしいシュートを持っている。彼の左足はアシストとゴールを生み出す高いクオリティを持っている」と評しました。また、典型的な逆足ウィンガーで右サイドからペナルティエリア付近でカットイン、左足で強烈なシュートを放ち多くのゴールを決めており、アリエン・ロッベンと比較されることありました。
しかし、チーム状況は上向かず、戦術的な最適解を見つけられないままのミランは個人能力に頼ったプレーが多くなり、それを担ったのがスソだったのですが、それゆえに勝てないチームの原因とされる報道や批判も受けるようになります。
そして2020年1月29日セビージャに去って行きます。2020年EL決勝にも出場、優勝に貢献しています。まだ30歳前。今後の活躍も十分考えられるのでがんばってほしいものです。

|ジャンルカ・ラパドゥーラ
1990.2.7生 ITA・PER 
178cm/68kg FW(16~17年)

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1996年から2004年までユヴェントスのユースで過ごし、プロキャリアは07年 プロ・ヴェルチェッリ(現セリエC)からはじまり何と現在所属のベネベントまで含めると15チーム(ローン含む)を渡り歩いた点取り屋です。
イタリア人の父とペルー人の母をもちアンダー世代ではイタリア代表、A代表はペルーを選択しています。
2015年7月にセリエBのペスカーラ(当時監督は元ミランのマッシモ・オッド)へ加入すると15-16シーズン43試合に出場して30ゴール(昇格プレーオフ出場で3ゴール)、セリエB得点王を獲得します(なんとPKでの得点はなし!)。
そして2016年夏のミランに加入、「9」を背負うことになります。しかし28試合で8ゴールと消化不良でシーズンを終えます。そのまま買い取り義務付きのローン移籍でジェノアへ。こうして1シーズンで彼のミランでの旅は終わります。
彼はインタビューで「僕は、試合に負けても常に戦い、こぼれ球を決してあきらめない選手だ」と語るように大柄ではないものの肉弾戦に強く、貪欲にボールに食らいついていく、強烈な左足を持つストライカーでした。場合によってはウイングやシャドーストライカーを務めることも。
20-21シーズン時点ではピッポ・インザーギ率いるベネベントで9番を背負いピッチを駆け回っています。

|ジェラール・デウロフェウ
1994.3.13生 ESP 
179cm/73kg FW(17年1月~6月)

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2003年に9歳でバルセロナのユースアカデミーへ12-13シーズンに17歳でトップチームデビュー、バルサBでの出場がメインではありましたが、そのシーズンはセグンダ・ディビシオン(2部)33試合18ゴールを記録し、2部最優秀選手に輝きます。
当時「神童」とよばれ将来を期待される若者でした。足下で受け、スピードとテクニックを駆使したドリブルで単独突破を好むドリブラーです。
しかし翌シーズン以降は構想外となり、エバートンやセビージャにローン移籍。結局、バルセロナからは放出され15-16シーズンにはエバートンに完全移籍しています。
そして17年冬に半年間の期限付きでミランに加入。主に左のウイングとして16試合先発出場4得点を記録します。切れ味鋭いドリブル・テクニックを持ち決定力もあるいい選手だなという印象でした。
その活躍もあってバルセロナが買戻しオプションを行使し再びバルセロナに戻っていきます。
しかし、結局バルセロナでは輝けず、ワトフォードへ放出。ワトフォードで活躍をみせるものの、その後ウディネーゼに加入し、20-21シーズンは13試合1得点(2021.4.12現在)。
怪我で戦線離脱していますが、まだ27歳。かつての神童は再び輝きを取り戻せるか注目です。

|マヌエル・ロカテッリ
1998.1.8生 ITA 
186cm/75kg MF(16~18年)

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2009年アタランタからミランユースに加入。16年4月21日に18歳でトップデビューを果たします。
アンドレア・ピルロと同じようなプレイメーカーであるとともに、中盤でハードワークを厭わないプレースタイル。広い視野、長短の正確なパス、ボールコントロール、ドリブルだけでなく、強力で正確なミドルシュート、試合を読みボールを奪取する能力にも長けています。
2016年10月22日第10節ユヴェントス戦での勝利を決めた強烈なミドルシュートは記憶に新しいでしょう。その後はその過剰な期待に応えられず、買い取り義務付きのローン移籍でサッスオーロへ。
本人のインタビューでは「ユヴェントス戦でのゴールは言わば“諸刃の剣”のようなモノだった。大きな喜びを与えてくれたけど、あれ以降、あのようなゴールを期待され、プレーが難しくなった。期待も膨らんだね。僕は準備ができていなかった」と当時ミランでのプレーが難しくなっていたことを吐露しています。
当時18歳の青年にはあまりに大きなプレッシャーだったのでしょう。大人が悪いよね。ホントに・・誰もケアしてくれなかったのかな。
ともかく現在サッスオーロでは逞しく主力として活躍、イタリア代表にも定着しています。またミランに戻ってプレーしてくれないかなぁ・・・

|マリオ・パシャリッチ
1995.2.9生 HRV 
188cm/82kg MF(16~17年)

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彼はクロアチアのハイドゥク・スプリトでプロキャリアをスタート。13-14シーズンはカップ戦等含め36試合に出場し11ゴール5アシストを記録する活躍を見せ、14年7月にチェルシーに引き抜かれます
出場機会は得られず育成のため、ラ・リーガのエルチェやリーグ1のモナコへローン移籍、その後ミランにもローンで加入します。
16年10月30日ペスカーラ戦途中出場でミランデビュー。そこから出場機会を掴み24試合5ゴール。前述のスーペルコッパ・イタリアーナでは最後にPKをきっちり決め優勝を決めます。
しかし、翌シーズンはスパルタク・モスクワ、2018年7月にはアタランタへとローン生活を余儀なくされます。どこに行っても出場機会を掴み結果を残すパシャリッチ。
最終的にはアタランタが買取OPを行使してチェルシーから完全移籍します。
アタランタ躍進に貢献するパシャリッチ。中盤で必要な能力を高いレベルですべて備えており、パス・シュート・守備、そして長身を活かしたヘディングも魅力です。
個人的に好きな選手でミランにいてほしかったので残念です。当面はアタランタでのプレーが続きそうです

|ダヴィデ・カラブリア
1996.12.6生 ITA 
178cm/77kg DF(14年~)

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06年にミランのユースに入団してからミラン一筋ミラニスタの大きな希望ダヴィデ・カラブリア
ピッポ・インザーギのもと15年にトップ昇格を果たすも当初は偉大な右SBであるアバーテの存在もありなかなか出場機会に恵まれません。
徐々に出番を増やしていきますが、ミランは17-18シーズン前にアタランタからアンドレア・コンティを獲得。クラブは彼のプレー時間確保のためローンで下位のセリエAチームへのローン移籍を提案しますがカラブリアは拒否コンティとのレギュラー争いが始まります。
一時はそのポテンシャルを発揮出来ず、放出の可能性もあったものの、コンティの大怪我もあり、出場機会を得たことでコンティの復帰後も激しいレギュラー争いは続き、最終的に定位置を確保します(2021年1月にコンティがパルマへローン移籍)。
何度も右サイドを駆け上がる豊富な運動量を持つ現代的なSBでありタテだけでなくウチに飛び出す動きも得意としており、ボックス内へ侵入してチャンスを演出することやシュートを放つことも
また逆サイドのテオ・エルナンデスとバランスを取りながら、ビルドアップに貢献するプレーもできます。さらに、右利きながら左足の精度もたかく左SBとしてもプレー可能です
守備面でのパフォーマンスが安定せず、批判されることもありましたが20-21シーズン以降は対人の強さが飛躍的に向上し一気にブレイク。イタリアA代表にも選出されるようになります。彼もドンナルンマと同じく生え抜きの選手でありミランとイタリアを支える選手となってくれるでしょう。

今回はここまで。。

この記事を書いている時点でカンピオナート残り8試合。首位インテルとは勝点11差をつけられ、3位ユヴェントスとは勝点1差、4位アタランタとは勝点2差とまったく予断を許さない状況です。今後は残留争いの渦中にあるチームやユヴェントス、ラツィオ、アタランタなどの上位対決も残っており、一試合一試合を必死にプレーしてほしいものです。そして我々も気を抜かず応援していきましょう😁

では次回、17-18シーズンをご紹介します。

Forza Milan 🔴🔥

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