旅行業界未経験の自分が、令和トラベルのBizDevとして3年間で学んだこと
こんにちは!令和トラベル事業開発グループ マネージャーの須郷です。「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに掲げる令和トラベルの事業開発グループ(BizDev)で、新規事業開発やアライアンスをがんばってます。
2024年4月5日、私たちのプロダクトである海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』が無事にリリース2周年を迎えました🎉 ご利用いただいている方も、応援してくださっている方も、いつも本当にありがとうございます✈️ということで現在、そんな2周年を記念し、令和トラベルメンバーによるNEWT 2nd ANNIVERSARY CALENDARを開催中です🐢この記事は、そのなかのDAY3として、書かせていただきます。
ちなみに1年前、2年前にも、NEWT(ニュート)の周年に合わせて記事を公開しています。ぜひよければ合わせてご一読くださいませ😌
また私の略歴などはこちらから✍️
異業界×事業開発への挑戦を決めた理由
タイトルの通り、令和トラベルに入社した当時、私の旅行業界に対する知識は全くのゼロでした。それまで約5年の経験を積んだHR系コンサルティング会社から、業界も職種も変えた転職でした。周囲からは「せっかく積んだ経験を活かさないなんてもったいない」「そんなに違う領域でゼロからのリスタートって怖くないの?」「コロナ禍で海外旅行なんて正気?」と心配されたことを覚えています笑。
ただ私自身はというと、そういった不安はあまりありませんでした。もともと「事業家として、ゼロから事業を創れるようになりたい」という想いが強くあり、良くも悪くも特定領域に強いこだわりがなかった自分は、むしろ「バックグラウンド知識を持たない、どんな領域であっても事業を創れる」という自信を培いたいと思っていました。そのため、異業界での事業開発への挑戦はむしろポジティブに捉えていました。第一、新卒から数年もすれば活躍している人がどの業界にも数多くいるのだから、社会人5年目の自分が新規参入してバリューを出せないわけがない、程度に楽観的に考えていました。
最終的には代表のしのさんの創業noteを読んで、「この逆風下でゼロから事業創りを成功させられたら、きっと自分の欲している成長が得られるはずだ」と直感的に思い、入社を決めました。そこから3年間を経て「どんな領域でもゼロからキャッチアップして、事業を創ることはできるのだな」という最低限の自信を手に入れたに思います。
“ZERO to ONE”に挑んだ3年間
この3年間で自分がどんな事に挑んできたのか、詳細は前述したこれまでのnoteをご覧いただけたら嬉しいです。
一言で括れないほどさまざまな課題やチャレンジに取り組んできたため、正直言って「令和トラベルの事業開発って何をやっているの?」と質問をもらうたびに回答に困ります笑。ただ、この3年間をあえて一言で括るなら、まさに 「” ZERO to ONE ” に挑んだ3年間」でした。
「ゼロイチ」は、事業開発の世界でよく耳にするフレーズですが、自分にとっては3つの “ ZERO ” に挑んだ3年間でした。
まず1つ目の “ ZERO ”は、前述の通り、旅行業界に対する知見や理解がまったくのゼロから事業を作り上げる挑戦でした。
2つ目の “ ZERO ” は、 ” 海外旅行 ” という市場が完全にゼロストップしている2021年からの挑戦です。本丸のNEWT(ニュート)はもちろんのこと、そこで事業開発をする私にとっても大変な逆風、ゼロどころかマイナスな環境下での挑戦でした。さまざまなクライアント様とお話しするなかで、当時は「今、海外旅行会社と提携するなんて、ひと様に”不謹慎”と思われそうだ」という声を数多くいただいたことを覚えています。
そして3つ目の “ ZERO ” は、自社のリソースやプロダクトが、当時はまったくのゼロだったということです。今でこそNEWTや、周辺のメディアなど多様なプロダクトが成長を遂げていますが、私が入社した当時は、中核となるプロダクトが存在しない状態で、会社・事業の成長につながることは手段を選ばずに、とにかく泥臭くなんでもやる。無茶ぶりといえばそうかもしれませんが、創業初期ならではのカオスな状況でした。
そんな3つのZEROを抱えながら挑戦を始めた私のミッションは、「会社の非連続な成長を実現する事業機会の創出」でした。つまり、全社が一丸となって ” NEWT ” というプロダクトを連続的に成長させるかたわら、半年後や一年後を見据え、まったく新しい事業やまったく新しい提携を通じて、これまでに存在しなかった成長機会をゼロから創出することが求めらていたということです。
前例もない、まったくのゼロからの挑戦だったので、日々の取り組みや企画に対して「本当に成功するだろうか?正しいだろうか?」など不安に思う局面ももちろんありました。" 仕込み "の期間が長かったこともあり、社内においても成果が出るまでの間は、ヒリヒリするような焦燥感を感じるときもありました。一方で、いままで経験したことのない、本当の意味でのゼロイチを経験できていることは、私にとってはなににも変えがたい経験であったことも事実です。
結果的に直近のFY24下期シーズン(2023年10月-2024年3月)では、事業開発グループが手がける事業によって、全社流通の約15%を占めるほどの成果を創出できるまでになりました。ゼロからのスタート、暗中模索の中で手探りながらコミットし続けてくれたチームメンバーには感謝しかありません。
未経験領域の事業開発で学んだ3つのこと
ここからは、この3年間の経験を通じて、特にバックグラウンド知識を持たない領域での事業開発にとって重要になるであろう3つの学びをご紹介します。
①悲観的に構え、楽観的に実験せよ
事業開発の初期フェーズでは、様々なアイデアが頭をよぎります。チームで話していると「これ、めっちゃおもしろいんじゃね!?」「これ、バズるんじゃね!?」みたいに盛り上がるアイデアもたくさん浮かんできたりします。が、実際にそういったアイデアを検証してみると、99.99%は、無風で終わります笑。
つまり、千載一遇のアイデア、千載一遇の案件なんてものはほとんど存在しないわけです(稀にある)。もちろん、多少は意図通りの反響を得るようなケースもありますが、スタートアップフェーズの事業開発において、なにか1つのしかけが、すぐに爆発的な成果を創出するケースというのはかなりレアだと思っておいた方が健全です。
一方、周囲からは地味に見えるような取り組みが、会社の成長を根強く支えてくれるというシーンにもたくさん出くわしてきました(すべてを公開できるわけではありませんが、PRリリースすら出していないような取り組みが、事業部の売上の最大シェアを締めていた月もあります)。
この経験から何が言えるかというと、何かを試すときには「悲観的に構える」、つまり「これをやれば一発逆転だ」といった安易な希望は持たず、むしろ「ヒットにならない可能性の方が高いだろうな」という心構えで自分たちの期待値を保ちながら打席に立つこと。一方で、何がヒットやホームランになるか事前に把握しきることは不可能なので、「試した量」つまり打席数をしっかり担保すべきだということです。
「別にアウトだったとしてもいいじゃん」くらいの気持ちで、ただひたすらに打席数を担保することが、事業開発の必要最低条件と言えるかもしれません。
②”アイデア”ではなく”MVP”で検証せよ
当然、打席に立ってバットをふり続けるだけではなく、その結果を検証し「なにがうまくいった要因なのか」「なにがうまくいかなかった原因なのか」を常に振り返り、修正していかなければなりません。まさにリーン・スタートアップ。
ここで重要なのは「なにをもって”検証した”と言えるか」という視点です。私は初期、ここで失敗をしてしまっていました。というのも、ざっくりしたアイデアやサービスの方向性だけを示して、顧客からの反応を伺い、それをもって検証と捉えてしまっていたからです。このような方法をとると、ほとんどのケースにおいて、顧客からは「ああ、なんか良さそうですね」というコメントがもらえるため、これであたかも「自分たちのアイデア、事業になるじゃん!」と過信してしまうのです。
ただ、実際に見積もりをつけて提案してみると「これってどれくらい効果あるの?」「費用対効果って本当にあうの?」「うちはいまそこに予算つけてないから」と断られるケースが本当に多い。つまり、検証とは「値段のついた商品」の形を顧客に提示して反応を得ることで、初めて完了する作業なのです。言い換えれば、「打席数を増やす=検証回数」を増やすためには、この値段のついた商品、つまりMVP*を作る速度を最大化する必要があります。
*MVP=Minimum Viable Productの略、仮説を検証するための最小単位のプロダクトのこと
事業開発職は一見すると「泥臭い営業活動」と思われるし、それ自体は間違っていないと思いますが、活動の本質はむしろこの「MVPの大量生産を担う開発活動」にあるかもしれないな、と思っています。
③朝令暮改の期待値をチームで共有せよ
ここまで「打席数の多さ」「MVPで検証する大切さ」という2つの学びについて話してきました。では、実際にこれらを意識して行動していくと、どういったことが起こるか。それはずばり、朝令暮改よろしく、サービスや営業の方向性がめまぐるしく日々変わり続けていきます。サービスの営業トークスクリプトがたった半日で変わる、サービスコンセプトが翌日には変わっている、なんてことは本当にざらにあります。
この朝令暮改の速度での修正自体が問題だとは思いません。しかし、この修正速度に対し、チームメンバー同士で受け止め方にズレが生じることは、大きな問題です。これは、自分一人で事業開発に取り組んでいた初期には気がつきませんでしたが、チームメンバーを抱え、組織を大きくしていけばいくほど実感してくる問題です。
このような素早い修正を繰り返していると、必ずと言っていいほど「昨日と言っていることが違うじゃん」という不満や不安がチームの中で生じます。中には「え、変更してたの?」と気がつかずに営業提案を続けているメンバーもいます。冗談のようですが本当にあるんです。
そこで、この 0 → 1 フェーズでは、このような速度で変更や修正が起こることをきちんと事前に共有し合い、温度感をそろえておくこと、修正点や変更すべきことが現場からあがってくるような仕組みを整えておくことが重要です。
リーダーが解さずとも現場でこの自動修正が行われ始めるチームは、本当に強いなと思いますし、このサイクルを少なからず作れたことが、昨シーズンに大きな成果を創出できた要因だったと振り返っています。
以上をまとめると、事業開発で重要な学びは以下の3つでした。
① 期待しすぎず打席に立ち続け
② 値段のついたMVPでフィードバックを得て
③ 朝令暮改を恐れずに修正し続ける
次なるグロースフェーズへの挑戦
3年間を経て、” ZERO to ONE " のフェーズが終わりました。ここからは、今の流通規模を10倍、その先へとチームで成長させていくために「どう複数事業をマネジメントしていくか」「どう事業開発チームを組成、拡大していくか」を探求していく必要があります。
いうなれば事業開発グループの第二創業期がここから始まり、「将来のチームの中核を担う、プロの事業家でありマネージャー」がより多く必要となるフェーズです。このようなチーム、活動での仕事に興味がある方は、ぜひ一度エントリーやカジュアル面談をお待ちしております!
また事業開発以外にも、令和トラベル全ポジション、全力で仲間探しをしていますので、少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ採用ページからご連絡ください。まずは、気軽にお話を聞いていただけるミートアップも開催しています。メンバー全員で温かくお迎えいたしますので、ぜひご検討ください!
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明日、DAY4のNEWT 2nd ANNIVERSARY CALENDARは、執行役員 VPoEの麻柄が登場!令和トラベルだからこそ、プロダクト開発チームが信念をもって向き合ってきた取り組みや想い、またヒリヒリするような創業期のカオス感など、これまでの令和トラベル・NEWTの変遷と成長を感じていただける内容となっております。明日もぜひ!
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