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打点の位置による飛距離のロスを考える

皆さんこんにちは!

最近、仕事の事情でフィッティング関係の資料を見る機会が多いため「あ〜そう言えばこんなことも学んだな〜」と懐かしく感じるデータを頻繁に目にします。

さて、ということで今回はそんな懐かしの資料から一部抜粋して【打点による飛球への影響】をみていきたいと思います。



最近のクラブ設計について

最近のクラブはテクノロジーの進化により昔に比べ慣性モーメントが高く、重心の高さや深さ、重心角などが昔のものより進化しているため、より易しくより遠くまで飛ばせるクラブ設計になりました。

一昔前は慣性モーメントが大きいクラブはボール初速があまり出ないため飛距離が伸びませんでした。一方で、重心の位置がより最適な位置にあるドライバーは飛距離こそ出ましたが、慣性モーメントは低いものでした。なので昔は方向性を取るか飛距離を取るかの2択を迫られる感じだったんですね〜

私がまだゴルフなんて始めてすらいない頃の話ですね。

ではここから、打点が飛球にどんな影響を及ぼすのかRalph Maltibyの資料を参考に一緒に見ていきましょう!



アイアンの場合

上の画像は5番アイアン(27°)の場合の打点によるディスタンスロスの一例です。

 打点がセンターから1/2インチ(およそ1.2cm)ずれると飛距離が5%落ち、5番アイアンで170y飛ぶ場合は、8〜9yのロスになります。

 また、打点がセンターから1インチ(およそ2.4cm)ずれると飛距離が10%落ち、5番アイアンで170y飛ぶ場合は、17yのロスになります。

長いアイアンほどオフセンターヒットによるディスタンスロスは大きく、短いアイアンはそれほど影響がありません。クラブによってコンプレッションが違うため影響がでないんですね。上の例は5番アイアンですので、5番アイアンより長いアイアンの場合はさらに飛距離に影響が出ますし、短いアイアンはそこまで影響はでません。

もちろん打点の他にも、ダイナミックロフトや慣性モーメントもアイアンのディスタンスロスに大きく関わると言われていますが、打点がズレるとその影響でクラブヘッドが開いたり閉じたりしてしまうので、オフセンターヒットは飛距離だけでなく方向性にも大きく問題が出てしまいます

例えば皆さんがすぐにでも自分のゴルフに取り入れられる話としては、ヒールヒットでクラブヘッドがツイストしてしまったとき、アマチュアゴルファーの多くは自分がヘッドをこねて返してしまったんだと錯覚してしまいがちです。

ですが、実際は単に打点による影響でクラブが閉じてしまっただけの可能性が非常に高いです。それなのに、そこで次はクラブフェイスを開くように打ってみよう!などと調整してしまうと打点がせっかく真ん中に戻っても今度は右にすっぽ抜けたりしてしまうのでくれぐれもご注意を。

打球が曲がってしまったときは短絡的に結論づけず、まずは打点の確認をしてみることがとても大切です!




ドライバーの場合

上の画像はドライバー(10°)の場合の打点によるディスタンスロスの一例です。

例えばこの10度のドライバーで通常250y打つとします。

打点がセンターから2インチ(およそ2.4cm)ずれると飛距離が14%落ちてしまいます。通常250y打つ場合【35yロス】してしまうので215yしかキャリーで飛ばなかったということになってしまいます。

打点が左右にブレるだけでこんなにも飛距離が落ちちゃうなんてマジで血涙が出ますね!アマチュアがよく言う「軽く振った方がよく飛ぶ〜」という現象の1つの理由はこれなのではないでしょうか?軽く振った方が打点も安定しやすく結果として飛距離が出るんだと思います。




打点によるロフトの違い

これは皆さんご存知だと思うのですが、一応おさらいしておきましょう!

ドライバーのクラブフェイスには製造段階でロールというエフェクトが施されているので、画像のように打点の高さによりロフト角が多少変わります。

打点により2〜3°変化するのが一般的だそうですが、この変化はデカイですよね!

スペック表示のロフト角は真ん中くらいの数値で表示しているとこが多いのかな〜、でも製品によっても基準が違うと思うので気になる人はお店でリアルロフトを測ってもらってみてくださいね〜




打点による打ち出し角の違い

先ほども述べたように打点の高さでロフト角も変わりますが、他にも様々な影響が飛球にでます。

(ここからみていく資料は、昔アメリカにいたころ師匠からもらった物なので、いつ頃のものでどのメーカーから出たものなのかは定かではありません。参考程度に見てくだされ)

上の画像を見るとフェイスの真ん中から上でミートできれば打ち出し角はこのくらい増えますよ〜ということが分かります。数字は度数です。

下部でヒットするとだいぶ低くなるようですね〜。
一般的なアマチュアならローヒールの【-4°】は泣くレベルですね。
ライナーどこでなくゴロがでそう。笑




打点によるスピン量の違い

ほとんどの場合、スピン量は比較的少ない方が飛距離が出ると言われています。回転数で考えるとクラブヘッド上部のややトウ寄りがベスポジだと分かりますね。

最近の超絶ロースピンモデルのクラブだとクラブの当て方によっては球が上がらずドロップしてしまう可能性もありますのでご注意ください〜。

と は い え !

あなたのクラブスヘッドピードが遅い場合、飛距離を出すためにはある程度のスピン量が必要になるので、ロースピン=飛ぶとは一概に言えません。

(画像の数値はRPMです。)



打点による初速の違い

フェイス下部でのヒットは初速が結構落ちます。
フェイスの上部だとそこまで減りませんし、スピン量が減り、打ち出し角が増えることを考えればやはりフェイス上部のヒットがベストなことがわかりますね。

画像の数値はm/hですのでm/sに換算して見てください。
画像作る際すっかり忘れてました〜すまん笑(1m/h = 0.4m/s)

日本はミート率教の信者が多い印象ですが、ミート率が高いからと言って必ず飛距離が伸びるわけではありません。ドライバーであればミート率が多少下がったとしても、入射角とダイナミックロフトの数値が改善されれば飛距離が伸びます!

だからミート率はそこまで大事じゃないかな。個人的に。

レッスンで「ほら!見てください!ミート率あがりましたね!」と言って生徒さんのモチベーションを上げるときもありますが、あまりに低い場合を除いて実際そんなに大事と思ってないです。笑



おわりに

いかがでしたか?

そんなに役に立たない「へ〜」くらいの知識が大好きなわたしですが、こういう情報を知ってると飲み会でも話が弾みますよね!笑

より易しくゴルフをプレーしたい方は、安定した打点の確保ができるクラブやスイングが必要ではないでしょうか?

クラブはやさしい方がいいし、スイングもシンプルな方がいいと私は思います!

ではまた〜


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