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Dr.マッケンジーの語るバックスイングのテンポについて


先日ふと目に止まった「サショ・マッケンジー博士」の記事。

内容はバックスイングのテンポについての話でしたが、バイオメカニストやトップコーチが共通して言及しているテーマでもあるので、その点についてわたしなりの解釈と思うことなどをお話しします。マッケンは地面反力に強いバイオメカニクスの博士なので、クラブ力学的観点から持論を展開している博士とはまた違うジャンルなので、その点を理解してお読みください。

TOP画はわたしとキウイ、ゴルフnetTVより〜
見てね〜


先月の開幕戦

日本ではゆったりとスムーズなバックスイングがいいと考える人がとても多いのではないかな?と思います。宮里藍ちゃんの影響かな?わたし自身も、ゴルフを始めた当初その様にバックスイングするようレッスンで習いました。ですが、わたしがゴルフの勉強のためアメリカへ渡ったとき、初見で最初のコーチに「とりあえずバックスイング遅すぎな」って言われました。

先月やっと開幕したPGAツアーでブライソン・デシャンボーの肉体の豹変ぶりに驚いた人も多いはずです。初戦である「チャールズ・シュワブチャレンジ」のアベレージディスタンスは4日間平均340ヤード。去年が300ちょいだったので30ヤード以上の飛距離アップですかね。肉体改造もさることながら彼はこのコロナウイルスによるオフシーズンの間にスイングも改造してきました。その大きな違いの1つはバックスイングのテンポです。

この「バックスイングが速い方が飛距離も伸びるのかどうか」というお題について、マッケンジー博士はどう考えているのでしょうか?今回は以下リンクの記事からデータや文を引用していきます。


ツアー選手データ

この記事によると、ツアー選手のデータで見た場合、2019年シーズン、アダムスコットや松山など比較的ゆっくりでスムーズなテンポのバックスングをする選手のスイングスピードの平均は117ー120mph、一方でフィナウやマキロイなどバックスイングのテンポの速い選手の平均はおよそ121mphでしたと。このデータだけ見ると、プロのレベルではテンポはあまりスイングスピードに関係なさそうに思います。


スイングスピードとゴルファーの筋肉

マッケンジーいわく、スイングスピードを考えたとき、エネルギーの源はゴルファー自身の筋肉であって、重力はヘッドスピード増加に対してそれほどの活躍が見込めませんし、空気抵抗はむしろヘッドスピードを下げる要因になると説明しています。また地面反力などはゴルファーが筋肉でパワーを作り出す際のサポートになりますが、地面反力自体がエネルギーを作っているわけではありませんのでね。とのこと。(この辺は言い方の違いなだけなのか?同じジャンルの博士であるDrクォンとは違う意見を持っているようですね)

そしてこの筋肉で生み出したパワーをクラブに伝えるという話になったとき重要になるのが「Proximal-to-Distal Manner」で、これは近位と遠位の関係性って意味ですね。つまり、体の真ん中(コア)に近い筋肉の方がコアから遠い筋肉より先に動くはずだとうものです。運動連鎖の話ですね。

例えば、ダウンスイングを始めるとき、つまりトップで胴体(近位の筋肉)がねじれている状態の方が、リスト(遠位の筋肉)をほどき始める前にダウンスイングを加速できるので、トップで胴体の筋肉を捻っていることは優位になると言う考え方。(本文の直訳なんだけど、いまいちピンと来なかったらすまん)


カウンターの動き

人間が何か運動をおこなうときは、カウンターの動きでバランスを取ることで、パフォーマンスを最大に引き出すことができますよね。例えば、ジャンプして箱に飛び乗るトレーニングがありますが、高い箱に飛び乗りたいときは、より大きく腕を振り、より大きく屈伸してから素早くジャンプしますよね。どのくらい大きな力を筋肉から生み出したいのか、によって、カウンターの動きも変わってくるということのようです。

バックスイングはゴルフスイングでのカウンターの動きと考えてみましょう。

例えばマキロイのスイングの場合、胴体がダウンスイングの方向に回転し始めるとき、かなり大きなパワーをすでにトップで十分に貯めていたいので、彼の胴体は腹斜筋により大きくねじれています。

一方で松山のスイングはトップで切り返しをほぼ止まった様なポーズの状態から始めるので、胴体をローテーションし始めるとき、マキロイに比べ腹斜筋で生み出される力は比較的低くなるだろうとマッケンは言うてます。

マキロイのダイナミックな切り返しに対し、松山の停止するかの様なトップを比べると、マキロイの腹斜筋から生まれる胴体に対してのスピードとエネルギーはアドバンテージになっていると言えると。ダウンスイングで胴体の速い回転速度は筋肉の連鎖反応を生み出し、結果としてさらなるヘッドスピードの加速を生む!とマッケンは言うております。

(この辺も同じバイオメカニクスの博士でも意見が分かれるね〜)


賛否両論よね〜

先ほど例として話した、ジャンピングボックスの話を思い出して欲しいんですけ、運動神経の優れたアスリートは深く素早く屈伸することで、さらに高い箱に飛びのることができます。しかし、屈伸し止まった状態からと、屈伸し動き続けている状態からを比べた時、どちらの方が高く飛ぶために必要な大きな力を生むことができるでしょう?と最後にマッケンは問いかけていました。

そして締めくくりに、まずアマがバックスイングのスピードをあげたいときはトレーニングが必須であり、デメリットとして切り返しの動きの流れに影響が出たり、結果としてヘッドスピード下がることもあるし、方向性のコントロールも難しくなるし、たぶん怪我もしやすくなるかもしれないね〜と警鐘を鳴らしていました。

しかし先月デシャンボーが見せた暴力的なバックスイングにより彼のヘッドスピードはツアーで飛び抜けたとも言える!と言ってました。暴力的なバックスイングは爆笑。これは、いちアスリートとしてのデシャンボーの才能と努力による恩恵だ!と言ってました。


つまり?

バックスイングのテンポをあげることには、メリットとデメリットがあり、アマがトライするにはトレーニングが必要と博士は考えているようですね!わたし個人としてはバックスイングのテンポを上げることの恩恵はかなり大きいと考えています。ですが、それにはコツがあるのでそのコツを次の記事で書いていきたいと思います。(ただ思っている段階で書き始めてはいない←)

わたしも割と暴力的なバックスイングのゴルファーなので、速いテンポで省エネに楽して打ちたいです。笑



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