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海へ

千葉市の学校は10月に「秋休み」というのがある。通常の週末または三連休に1日か2日プラスされる。今年はコロナの影響で秋休みはないだろうと思っていたら、12日の月曜日が休みになった。

三連休になったとは言っても、台風が近づいていたし、長男は部活で3日間のうち2日間はいないし、GoToトラベルやGoToイートなどのキャンペーンを利用する予定もない。急ぎの仕事も入ったりで、最初の2日間の土日はいつもの週末という感じで過ぎていった。

中学生になってからの長男は、休みとなれば友だちと遊びに行くことが増えたが、3日目もさっさと出かけて行った。午前中に納品を終えた私は、ヒマそうにしていた次男を海まで自転車で行ってみない?と誘ってみたら、「行く!行く!」と賛成してくれた。

家からはやや狭い道が続く。自転車に乗るのがだいぶ上手になった次男もおそるおそる運転していたけれど、国道を渡ると自転車専用通行帯がある広い歩道に出てからは、どんどん進んでいく。浜辺で食べるランチを途中で調達し、約40分ほどで稲毛海浜公園に到着。

さすがは平日。駐輪場も駐車場もガラガラ。自転車をとめて小道を歩いていく。開いていたら稲毛航空記念館も寄ってみようと思っていたら、3月末で閉館したとの知らせが貼られていた。跡地にはグランピング施設を建設する予定だと書かれていたが、またこうして特徴ある場所や空間がなくなっていくことは淋しい。

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この先を右を曲がると海






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この日の海はとても穏やか。釣り人も、ウィンドサーファーも、散歩している人もほとんどいない。波が緩やかに押し寄せては返す音が響く。ランチを食べてさっそく貝殻と石ころ拾い。波打ち際できれいなピンクの貝殻を、波と砂と風にさらされ触り心地がつるつるになった石ころを、ひっくり返ってしまっているカニを見つける。メガネを忘れてしまったのが悔やまれるほど、よくよく見ると色とりどりの貝や石がたくさんあった。聞こえてくる波の音、目にする貝殻、石、砂模様はどれひとつとして同じものはない。潮のかおりに包まれていつまでもここにいたい気持ちになる。

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「きれいな貝はどこかな」


少し大きめの石は次男が海に向かって投げる。石を投げるとき、次男は大好きな半沢直樹劇場を繰り広げ、大大大好きな大和田さんになりきっていた。だれもいない海だったらどんだけ大きな声出してもいいもんね。

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「うけてたて~~!うーけーてーたーてぇぇぇ~!」を連呼する次男



気がつけば、あっという間に2時間が経っていた。どちらともなく「帰ろうか」と言ったとき、曇り空から一瞬だけ陽が差して海が碧く澄んで輝いた。

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