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165


小学5年生から165センチである。

それまでも背の順は後ろの方だった記憶はあるが、160センチの大台に乗った時はさすがにちょっと驚いた。

おとうさんもおかあさんも160センチあるかないかなので、小学生にして両親の身長を追い越してしまったわけだ。

その頃ちょうど成長についての授業があって、背の伸び方のグラフが提示された。Aさんは年齢と比例して身長が伸びており、Bさんは中学の後半から、Cさんは小学生でうんと伸びてあとは止まっている。

どう考えてもAさんが普通だ。Cさんじゃん、わたし。変じゃん。

そして小学生男子お決まりの「デカ女」という一言の追撃により、わたしの猫背はとどまるところを知らず丸まり続け、どこまでもぺたんこな靴を履き続けることになった。

「モデルさんみたいでいいなあ」と言われるほど高くもなく、Mサイズだと丈が足りない。165。わたしの自意識はまさに、165センチだった。

大人になってよかったと思うことはいくつかあるが、代表格は「体育の授業がないこと」と「165センチが気にならないこと」だ。

猫背はもう整体師が匙を投げるほどだし、ヒールの靴は経験値の不足ゆえに未だに苦手ではあるが、165センチ・ショートカット・わりかしいつも黒い服を活かして「イケイケ塾長」の雰囲気を出すことにやや成功している。

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小学生の自分にもしなにかメッセージを、と言われたら、「165センチは悪くないよ」「メガネの度が合ってなくて後年相当困ることになるから早めにコンタクトにして」「サッカーの時わたしをコケにしてきたあいつにはテストで全科目勝ってやれ、今泣くな」など、いろいろ伝えようと思う。

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あやぽ
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