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脱げない着ぐるみ




通っている英会話教室で、こんなお題が出た。
「あなたの人生を60秒で語ってみて。」


これまでの人生の中の、趣味やキャリア、人間関係など、一つトピックをあげてそれについて60秒でまとめてというものだ。うーんと、考え込んでしまった。


自分の歴史ってなんだろう?
順序立てて話すような歴史がわたしにあるのだろうか?


無難に趣味についてまとめて、とりあえず好きな映画や映画館のことを話した。
でもずっとモヤモヤしていた。24年間生きてきたのだから、歴史はあるはずだけれど、自分の人生を思い返すとなんだかふわふわと靄がかかっている。


テスト勉強、毎日の部活動、塾の宿題。わたしの中学・高校生活はざっとこんな感じ。毎日吹奏楽部でオーボエを吹いていた。休みはほぼなく、テストや受験が近づくと、部活をした後に学校の自習室や、塾の自習室で勉強をした。家に帰ると23時。倒れるように眠って、また朝練にいく。この繰り返しだった。


だから、何かに夢中になったり、自分で創作したりした記憶が全然ない。
吹奏楽には夢中だったけど、こなしていた方が近い気がするのだ。
こなしていたから、今のわたしの手の中には何も残っていない気がするのだ。


なんだか、時間だけが経ってしまっている。
大学受験や就職など大事な節目の選択も、自分の意志のように見えて、両親の目や、世間体、みんながそうしているからに流されていた気がする。


だから、ふわっとしている。
自分はどこにいたんだろう?
これは自分の人生と言えるのかな?


こんな問いが次から次へと出てきて、周りの人を気にしないわたしが最近は顔を出している。


自分を覆っていた自分みたいな着ぐるみを、早く全部脱いで、自分で全部請け負いたい。もっと心から動きたい。人生に夢中になりたいのだ。




10.14 天気が悪いけど外はいいにおい。懐かしいにおい。

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