めじろ2

初めての流産

私の流産

初めての妊娠が終わり、流産を待つだけになった。

ほんのわずかな期間の妊娠だったので、なんだか夢のような、実感がわかない妊娠だった。

そろそろかという日の朝、少しの出血。昼頃には大量の出血へと変わり、生理痛をものすごくしたような腹痛が始まる。

ロキソニンを飲んでも2時間くらいしか効かず、寝ているのか寝ていないのかわからない状態で苦しみ続けた。

そして翌日の夜。猛烈な痛みが襲ってきてトイレに駆け込むと、大きな血の塊が出てきて、痛みがスッと引いた。

後日医者に持ち込むと、ちゃんと胎盤を排出できていたことが確認された。手術の必要はないとのことで、よかった。

実はその頃、友人も流産していた。

友人の流産

友人は私より前から不妊治療をしていて、すでに体外受精へと進んでいた。やっと着床し妊娠が継続できたという状況での流産だった。

彼女は本当に自分の身体を大切にしていた。妊娠ができるように、妊娠が継続するように。でも、赤ちゃんは途中までしか育つことができなかった。

彼女の場合、週数が経過していたので、死産として扱うことになる。流産も手術で行った。

産まれてすぐ息をひきとる小さな命。小さな身体だったけど、お骨が少しだけ残ったと聞いた。

どの命も忘れたくない

98歳の死、数週間の死、十数週間の死。

さまざまな命が私の目の前から消えていった。

ちなみに、私の妊娠のことも、流産のことも、近しい人しか知らない。まだ心音が聞こえなかったから妊娠を伝えるタイミングまで至らなかったし、たった2日間の流産だったから仕事もたった1日休むだけで済んだ。

おおよそほとんどの人が気づかないうちに私は妊娠し、流産していた。周りの人のことも、私も結構知らないのかもしれない。

全然実感のない妊娠と流産だったけど、私たち夫婦も妊娠に至れるんだとわかったし、妊娠、出産がいかに尊いものかをほんの少しだけ、知ることができた。

こんな、だれにも気づかれない、だれにも知られない、ひっそりとした命。わずかだけど私の身体に宿った卵。そのことがあったことを忘れたくないなと、小さな小さなダイアモンドの指輪を買った。

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