人工授精のために卵管造影検査を受ける
そして迎えた検査日。忘れもしない。私は、午前中いっぱい仕事を休み、朝から病院へ行っていた。午後にはいくつかの仕事があったので、検査が終わったら昼食を買って職場へと戻って…と、仕事の算段を立てていた。
検査に向かう
造影剤でおなかの中を見る検査なので、場所はレントゲン室。検査着に着替える小さな部屋の中で、台の上に荷物を置き「どうせ検査は一瞬だろう」とシワになることを気にもせず、その上にパパッと服を脱ぎ捨てていった。
検査着に着替えて入室すると、骨折やねんざの時に撮影するいつもの台があり、そこに横になる。私の担当の先生が来てくれ、看護師さんもいてくれた。
おなかの上にのれんのようにかけたタオルが設置され、上半身と下半身が分断されて下半身が見えなくなる。(診察のときも、カーテンで仕切られていて下半身の様子を見ることはできない)
そして、診察のときのように足を広げ、検査が始まった。
怒涛の検査
最初は器具が入り「風船を入れます」とのこと。力が入ってしまうと傷みが出るので、寝るんじゃないかというくらいリラックスしていた私。ところが、風船が膨らみだすと、生理痛を重くしたような痛みが下半身に走る。痛い。
あまりの痛さに体が動く。「もう少しだから我慢してね」「深呼吸して」と言われる。必死に力を抜こうと深呼吸をする。私が静かに戦ってる間も着々と手順は進み、いよいよ「造影剤入れますね」が来た。
そして入れられる造影剤。先生の手元が見えないので、何が起きているのかさっぱり分からないが、耐えがたい傷みが私を襲った。
先ほどと同じような、生理痛のような傷み。だがこの傷みは生理痛とは比較にならないほどの痛みだった。しかも一瞬かと思いきや、結構長く痛い。
あまりの痛みに身体はよじれ、歯を食いしばり、気がつけば手はタオルを引きちぎらんばかりに握っていた。
「深呼吸して」「あと少し」「力を入れるともっと痛くなるから」
分かってます…!分かっているんです…!!分かっているんだけどよじれちゃうんです!!!!!!!
死にそうになりながらも「レントゲン撮るから動いちゃいけない!」とだけは思っていて、必死に力を抜こうと、深呼吸をしようとしているが、できない。ヒーヒー言ってる。
「終わりました!」「もう終わりましたからね!」「ちゃんと撮影できました!!」
先生たちはすごい。そうとうよじれてたのに、一発で撮影を終わらせてくれた。
恥と涙
救われた…
これで傷みから解放…
…
されない。
器具も抜けたのに、下半身を露出してよじれたまま、まったく動けない。
「大丈夫?着替えようか」「はい」
とは言うものの、はだけた検査着を戻し、あらわになっている下半身を覆い隠すことすらできない。
体を起こそうとすると、看護師さんが「ゆっくり。まだ起き上がらなくてもいいよ」と言ってくれたが、転がることもできず。
見かねた看護師さんが「車いす用意するね。しばらく休んだほうがいい。着替えも持ってきますね」と…
!!!!
まって!まって!!着替え、ポイッて汚く脱いでる!!!恥ずかしい!!!!やめてーーーーー
という心の声は届かず(声すら出せない)、車いすに乗せられ、看護師さんが服を詰め込んでくれたカバンと共に診察室まで戻る…
大病をした人のようで恥ずかしかった。
その後は、診察室横の部屋のベッドで横になる。横になってもなお、重い生理痛のような痛みは消えない。寝たら分からなくなるはずだ…!と寝ようとするも、傷みが襲ってきて寝られない。
あまりの痛みに涙も出てきて、一人でしくしくしながら体を丸め、いつのまにか寝ていた。
仕事には午後3時頃には行ったと思うが、クタクタでたまらなかった。予想以上の痛みが襲ってきたことに、後日、医者と看護師さんは「痛い、痛いと言ってしまうとかまえちゃうと思ったからあまり言わなかったんだけど、ごめんね?」と(苦笑)
子宮卵管造影を控えている方には大変申し訳ない経験だが、造影検査で妊娠しやすくなる人もいるらしいし、傷みがあるとも限らないものだそうなので、私の経験など気にせず検査を受けていただきたい。
本当にすみません。
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