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娘が憤怒けいれんを起こした

子どもの病気は大抵そうなのだけど、罹るまでそんな病気や症状があることを知らない。最初に罹った時は何が起こったのか分からない。分からないから死ぬほど焦る。娘がこの”憤怒けいれん”を起こすまで私はそんなものがあると知らなかったし、子供がいる友人たちに「娘が憤怒けいれんってのを起こして」と話してみても知ってる人はいなかった。どうやらあんまり知られていないようなので、経験を記しておくことでどこかの誰かに知ってもらえたらいいなと思います。

さて赤ちゃんのけいれんと言うと高熱の際に起こすようなイメージがあるが、憤怒けいれんの場合は普段通りの日常を過ごしていて突然起こる。娘(当時8ヶ月)の場合も朝から体調や機嫌はいつも通りで、突然、本当に突然起こった。その時私はキッチンで洗い物か何かをしていて、隣のリビングにいる子どもたちの様子を時々チラチラと見ていた。

ふと娘の方を見ると、上の子のおもちゃのパーツを手に取り口に入れようとしていた。おもちゃの誤飲については気を付けていて、母子手帳を参考に、飲み込んでしまうようなサイズのものは極力置かないようにしてるのだけど、たまたま口に入るか入らないか微妙なサイズのものを目ざとく見つけていたのだ。

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「ダメ!!」

思わず大きな声で怒鳴った。すると娘は驚いてビクっと体を一瞬こわばらせ、そして泣き出した。ウェーーーーンと長く泣き声をあげた後に息継ぎでスゥと大きく空気を吸った。ごめんごめんビックリさせちゃったねと言いながら娘に近寄った私は、その息継ぎがあまりに長かったので次の泣き声がより大きなものになるだろうと予想して少し身構えた。でも泣き声は聞こえず、娘は座ったまま前のめりにドンッと倒れた

何が起こったのか分からなかった。慌てて娘を抱き起こすと目はうつろで焦点が合わず、唇が見る見る間に青白くなっていく。呼びかけても反応は無い。手足はこわばり、呼吸を確認すると……してない!

真っ先に考えたのは「何か喉に詰めた?!」だった。でもさっきの小さなおもちゃのパーツは手に持ったまま。じゃあ他の何かを口に入れていた?! 娘の口をこじ開け指で探っても何もないように見える。でももっと喉の奥にあるのかもしれない?! 救急車……!

娘を抱き上げ背中を叩きながら名前を呼び、いよいよ救急車を呼ぶこと考えだしたところで急にスゥと息をし始めた。同時に真っ青だった唇にも少し赤みが戻ってきた。良かった! 何だかよく分からないけどひとまず良かった! 安堵しかけたものの、まだ目はうつろで意識もハッキリしない様子。(意識を失ってからここまで大体1分ほどだったと思う。)

呼吸が戻り手足のこわばりも解けて大丈夫そうな様子ではあるものの、あの症状は何だったのか、原因は何なのか、このまま寝かせていていいのか、病院へ連れて行くべきか、後遺症は無いのか、と不安で堪らない。スマホを取り出し、どうすべきか調べようとしてもなんと検索すればいいのかも分からない。そこでツイッターで評判を知ってインストールしておいた「教えて!ドクター」というアプリを起動した。このアプリなら、症状から病気の詳細やケア方法を調べることができるのだ。

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”症状から探す>けいれん>けいれんの種類” と見ていくと、「激しく泣いた後に起こる「憤怒けいれん」では乳幼児が激しく泣いた後に息が詰まったように体が突っ張ってしまいます。」と記載があり、そこで初めて憤怒けいれんという言葉を知った。

しかしさっきの症状がそれだったのかまだ分からない。そこでさらに「憤怒けいれん」でググりより詳しい情報を探すと、どうやら別名「泣き入りひきつけ」とも言い、まさにさっきの娘のように急に激しく泣くことで脳が無酸素状態になり呼吸が止まったり意識を失ったりする病態であることが分かった。また通常すぐに呼吸が再開し、治療の必要は無く、後遺症も無いとのこと。

ここまで調べて、ようやくほーっと人心地がついた。正直生きた心地がしなかった。よくパニックを起こさなかったものだと自分を褒めてあげたいぐらい。

すべての病気・病態・症状をあらかじめ知っておくことは医者じゃないからできないけど、それを調べる方法を持っておくことは大事だとつくづく思った出来事でした。

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