鶴のたたずまい
鶴 白楽天
人各有所好 ひとおのおのこのむところあり
物固無常宜 ものもとよりつねのよろしきなし
誰謂爾能舞 だれかいふなんぢよくまふと
不如閑立時 かんりつするときにしかず
(「『新釈漢文大系 98 白氏文集二上』明治書院」 執行草舟「生きる」より)
初投稿は私の好きな著述家である執行草舟氏が畏敬する白楽天の詩を取り上げたいと思います。
執行草舟氏の解釈の助けを借りると大意は、
人は好むところ、すなわちどう自由を生きるのか。
宇宙の根源であるところの万物の流転のごとく人も物も変転するがそれぞれに活きる場所がある。
人の人生は他人にはわからない、それでこそ本当の自己の人生を確立できる。孤独を抱えて生きた者だけが本当の美しさを発し続ける。
そういう人生をただ立っているのだ、自然にまかせて生きているだけである。
というまさに哲学的な内容を鶴で表現しているもののようです。
漢詩ざんまいとは名乗ったものの、いやいやなかなか付き合っていくのは至難なこととも思いながら、白楽天さんなかなかやるじゃんと、末長くお付き合いしていきたいとも思った次第です。