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もちもちスイートポテト、文学

セブンイレブンのおそらく秋限定商品である「もちもちスイートポテト」なるおやつにハマってしまって週に二個ほど食べている。(めちゃくちゃ我慢して二個に抑えている。ほんとうは毎日食べたい。)

今日も仕事に疲れ「もちもちスイートポテト」を求めてセブンイレブンに吸い込まれると、雑誌のコーナーで「評判すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む」という分かりやすすぎるタイトルが目に入った。
「車輪の下」「ヴィヨンの妻」「外科室」なるほど。「痴人の愛」は最後三十ページ位で放っておいてるけどきちんと読んだものがどうまとめられて描かれているかは気になるな。そう思って「もちもちスイートポテト」と共にレジに持っていった。

全く知らなかったがこの「評判すぎる~」はシリーズ化されていて、これの他に「有名すぎる~」「定番すぎる~」「必修すぎる~」が既刊のようで、まあ私のような「文学作品を全然読んで来なかった事へのコンプレックスを抱えた大人」がインスタントに誤魔化すためには持ってこいなわけである。そら売れるわ。

まあしかし結論から言うと、出汁さえ絞りきった鶏ガラのようであった。確かに爆速でストーリーはなぞっているし必要最低限の登場人物はきちんと出てくる。けれども旨味も肉付きもなんにもないのである。情緒のJもないし風情のFもない。当たり前よなあ、よくこのページ数でこんだけ簡潔にまとめたよなあ、箇条書きより難しいよなあ、おおん…。

あとがきには「短くまとめんのめっちゃ大変やったけど原作読んでくれよな!」みたいな事が書かれており、だよね~~~~~~と思うのであった。読もう。数多の人間が絶賛して後世に残り続けてるという面白いの確約。あとは好みに合う合わんだけ。そんな贅沢ある?それを実感させてくれただけでこの買い物には価値があるのやけど、そんなねじくれた話じゃなく、めちゃくちゃ上手にまとまってる上に作家の略歴も載ってるのでハッピーな本でした。ピース。

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