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詩と死

20
まつわる詩
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2020年5月の記事一覧

numb

numb

すべてのしらないふり

読者でいたかった
画面の隔たりがある
人間と気付かないような
人間と思わないような
月の盤面を愛しいと思う
扉の向こう側の未知

今日は雨だよと言われても空は晴れていた

生徒でいたかった
知識の隔たりがある
存在の有無も証明できない
存在を怯えるような
眩しさを愛しいと思う
白を浮かすものは宇宙ではない

電車で3駅は何億光年の距離だ

信じていたかった
なにもしらないこ

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シーセイズ

シーセイズ

あかりをすべて消して
その先を見ている
これからのことを
全くかんがえない
だれもいないキッチンで
壁だけが雪のよう
散らばった氷も
ぬめったシロップも
彩りには程遠い
あのとき、電車のホームで
目の前のプレートが
行き先を示している
これから
そこにいくのだろうか
そこにいけるのたろうか
誰も変に思わないだろうか
名前も声もあるのに
存在しない君のもとへ
いきたかった
いけなかった
どこにいるの

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