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詩と死

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まつわる詩
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2019年3月の記事一覧

ぬけない

ぬけない

なかったことにしようとして、

落とした その水滴たちが

なにかにあたった、かと思えば私の、

わたしの心臓にぬちゃとこびりつく

既にしんだものがわたしの心臓に傷をつけるなど

午前五時三分に目を冷まし、こころを醒ます

もういいかい、もういいよもういいよ、もういいよ

もういいよ

もう、いいよ

四列席の夜行バスで家に帰るとき、水槽の中の無数の鰯が大きな魚から逃げようと群れを崩すとき、頂い

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