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青と深海

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世界は、赤に溺れている。
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青信号

その日から、本当に春臣くんは来なくなった。僕はまだ大学には行けず、退屈な毎日を送っていた。母さんはご飯の時以外声をかけなくなった。僕以外誰もいないこの部屋で、僕はひとりぼっちだった。

退屈な毎日の中で、僕はいろいろ考えていた。大学のこと、母さんのこと、そして、春臣くんのこと。最後に見たあの赤い髪が、脳裏から離れない。信号の赤に目が眩んだように、あの赤い髪も眩しかった。どうしようもなく、眩しか

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行き止まり

幼馴染の春臣くんは、僕にとって憧れの存在だった。

勉強は僕の方ができた。だから僕は国立の大学に行って、春臣くんは私立の少し偏差値の低い大学に行った。

スポーツに関しては僕はからきし駄目で、春臣くんはサッカー部のキャプテンだった。いつも窓から見ているだけの僕と、すいすいボールを操ってゴールに運ぶ春臣くん。春臣くんのまわりにはたくさんの友達がいた。

僕に友達がいなかったわけじゃない。

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赤信号

僕の家から学校に行くまでには、ひとつの信号がある。そこを渡ってしまえばあとは一本道。家も学校も田舎にあるから、信号は押しボタン式だった。ボタンを押してしばらくすれば信号は青に変わり、学校に行くことができる。

でも、僕は今日もこのボタンが押せないんだ。

「海里、起きたの?」

ピピピピ、という目覚まし時計のアラーム音とほぼ同時に1階から母さんの声が聞こえた。パチンと時計を上から叩くと

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