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サークル名を変えたあれこれ【前編】

気が付けばえいや!とひとりで飛び込んだ文学フリマも常連…みたいになりつつある。
(年数だけはいっちょ前)
初めて参加したのはいつだっけ、と記憶を辿ると6年前の第六回文学フリマ大阪だった。
当時はそもそもイベントというものを知らないで一般参加すらしないまま、snsで告知とかも全然せず(アカウントは作ってたけれど)。何か面白そうだしやってみよう!と勢いのままひとりで参加したのだった。

今思うと物凄く博打だったなと思う。例えばこれで一冊も売れなかったら、恐らく自分には向いてなかったんだなと諦めて二度と出ることはなかったかもしれない。
あの日自分の中で一冊売れたら大成功だな!と軽い気持ちでいたし、何故かイベントに出るからにはみんな売れるものだとも思っていたから、自分の本も同じように売れるだろうみたいな。あまりに調子者、だった。

初めて手にしてくれた方はたまたま以前から小説家になろうのアカウントをフォローしてくださっていた方で、丁寧に挨拶をしに来て下さった。その時の思い出は今でも色褪せることはない。
初めて自分の本に、ずっと自分の中だけで描いていた物語に価値が生まれた瞬間だった。
当時は今の文フリよりもうんと規模が小さかったし、認知も滅茶苦茶されているかと言われたらそうでもなかったけれど、数あるサークルの中で自分の本を選んでくれたということにとても感動した。
結局初めての参加にして売れたのは5冊。何故か理由もわからず一番初めに出てくるからと純文学のジャンルで出ていたし、どう見てもジャンル違いだろとかは思うけれど(だって誰がどう見ても短編なのだ)、それもこれも初めての経験として今に活かせていたらいいと思う。
出店するのにあたって取り急ぎ決めた【葉づつみ文庫】というサークル名も、今ではちょっぴり愛着だって湧いてしまっている。
小学生の頃から自分の書いた小説をちゃんとした本にしてみたい、という願いがこうも簡単にあっけなく叶ってしまった。

初めて参加した時のwebカタログ 調子に乗っている
このやる気のないめんふくともお別れ 調子に乗った顔をしている



小説を書こうと思ったきっかけは
この子たちの物語だった。

小説を辞める日が来るならこれを書いて本にした日だろうと思う

起承転結は既に作ってあるし、途中まで書いてもいるんだけれどまずは短いものから完成させていく練習をしよう、と思って初めの3年ほどは詩をメインに。今は少し長くして短編を書いている。

この6年試行錯誤しながらも文フリの回を重ねるごとにやりたいことのイメージも少しずつ出来てきて、ありがたいことに作品を好きだと言ってくださる方も増えた。そしてsnsでも見てもらえたりとか、小説とは関係ないけれど夢だった絵の展示もギャラリーでさせてもらえたり、youtubeのサムネのイラストとか描かせてもらったりとかも。
沢山の色々な事から学んだことをやっとひとつ形にできそうな気がしてきたのがここ最近のこと。

私生活ががらっと変わったのもあるし、ここを節目として新しく自分らしいお店を作りあげたいという願いを持って。サークルとしてではなくひとつの個人のお店としてイベントに臨みたいと思い、ここで葉づつみ文庫とはお別れをします。
誰に向けて言うわけでもないけれど、今までありがとうの意を込めてここで。おかげで創作を続けてこられたよ、いつの日か創作すら辞める日が来るだろうけれど、それまでは。

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