未来が待ってた、会いに来た 「高橋優 LIVE TOUR 2022-2023ReLOVE & RePEACE ~ReUNION前編後編~」自分の為のライブレポ




ライブが悪だと言われた日、音楽が止められた日、突然ライブツアーが中止になった日、音楽が不要不急と言われた日、環境を変えたことを知った日、罪悪感に近い気持ちを胸に手探りと試行錯誤のツアーに行った日、「何があっても負けないで」「健康で、生きてまた会いましょう」そう自分の声で伝えてくれたツアー最終日、空席にあったはずの居ない存在を思って涙を流す姿を見た日、三年間見て感じて生きてきた時間全てが走馬灯のように一気に頭を駆け抜けていった。


「マスクを付けての声出しが可能になりました」いままで生きてきて一度も聞いた事が無いアナウンスで沸く会場の真ん中で、感動と興奮と嬉しさと…色んな感情で心と顔がグチャグチャになった。会場全体の気持ちが入った力強い手拍子、暗転、続々と現れるバンドメンバー、少しの間の後、眼鏡を掛けた見覚えのあるその人が颯爽と現れて。

マイクスタンドの前に立ち、ギターを持って息を吸う。

あいのうた 
生のバンドサウンドで聞いたらきっともっと沢山の気持ちが生まれるんだろうなと思っていた今アルバムの一曲目、ライブでもトップバッターを堂々と務めて来た。胸を掻き毟るようなギターの音と確かにそこに居ることを示してくれる鼓動のようなドラム、全部が全部相まって完全にやられてしまった。あいのうたという名の愛というものを問う曲。この世界で“窒息しても構いませんのでマスクをしてください” “感染しても構いませんのでマスクをお取りください” と始まるライブ、最高にワクワクした。

(Where's) THE SILENT MAJORITY?
「みなさん声出せますか?みんなで沈黙をぶっ壊しませんか?」煽られて声を出す、ああ久しぶり。こんなに楽しかったんだ。声出し解禁一発目の公演が今ツアー初日だった私にとって、“沈黙をぶっ壊した” 瞬間を目の当たりにした感覚は忘れられない。ピックを客席に投げて掌を目一杯に広げて力強く前に突き出すそのモーションが何度見ても格好良くて、何度見ても同様に胸が高鳴った。

こどものうた
ここまでの三曲だけで三年間を感じられる。人と人との繋がりとは、愛とは何かが全く分からなくなって沈黙を破ることを憚られ、絶望の中に希望を見出してまで生きなきゃいけない。高橋優の曲は絶望の中でよく響く、なんてことを思ったりした。

I LIVE YOU
直接会うことへの思いを強く持ってこのコロナ禍を歌い手として生きる高橋優からファンに向けて送られた決意表明みたいな曲だと思っていて。そんな彼が歌う“いつかの「楽しい」の続きがしたい” “きっと会いにいく 夢の中だけじゃなく将来も” “笑われるほど見つめ合おう 声を聞かせてよ” 勝手にほんのちょっとでもこの人の思いが報われてきてるような気がして、手拍子しながら楽しいのに泣いてしまった。この先もこうでありますようにと願う。

STAND BY ME!!!!

最高に楽しいアッパーチューンに会場の温度が一気に上がる。音に溺れる、埋もれる、流される、みたいな感覚がものすごく楽しくて気持ち良くて。頭より先に身体が勝手に動くような。個人的には “鬼さんこちらよ clap Your hands” で手を叩くのが大好きでした。後半もやろう。こんな大量の文字数でBPMが早い曲なのに言葉が1個も流れて聞こえないのは高橋優という歌手の強みのひとつだと思う。

沈黙の合図

この曲は映像作品と言っても過言ではない。いつも素敵なアニメーションをありがとうの気持ちである。男性の方は髪型がちょっと違っただけで話を広げようとしてくれるしこんなカオスな会話なのに“もう一軒行きましょう”なんて言ってくれるし、幸せになってほしい人種だった。四公演も行けば彼と同じタイミングで指ハートも出せるようになった。個人的にツボだったのは 共通の趣味 グルメの話 の書体が スマブラ参戦‼️だったこと、“どこか遠くへ”で高野豆腐の映像が流れて行ったところ、“ああ、もう帰りたい”で人間ていいなの子供たちが走ってきたところ、とにかくクリエイターで年収1000万以上の坊主の彼に幸あれ。

HIGH FIVE

イヤモニをポンッと外して会場の声を聞くその姿、耳に届いた時のなんとも言えない表情。この曲をやるのもやっと歌えることも全部分かってたのに、泣けてしまって全然うまく歌えなかった。「みんなで歌う為に作ったんですこの曲、やっっっとみんなで歌えた」嬉しそうに感慨深そうに言う顔を見てまた泣いてしまった。「次はみんなで一緒に歌いましょう」事ある事にそう言ってたのを思い出した。武道館で初めて聴いてから1年間、わたしもこの瞬間を待ってた人間のひとりだったんだ。“涙はそう起死回生の産声”

MC
千葉、中野2days、静岡と4公演に行ったのだけれど毎回このMCから次の曲に入っていくのが華麗すぎて毎回MCで笑ってるうちに曲が始まっていた。「次は、ぼくの故郷の歌を聞いてください」と言われてもう1つの曲の方かと思ったのはまだ内緒にしておきたい。詳しくは省略するけど中野2daysのMCは近年稀に見るカオスなMCだった思う。

秋田の行事
一瞬で赤い法被を着た高橋優を見て普通に声が出た。秋田に行かないと聴けないと思ってたので。しかも行く前に何故か自分の中でブームになってこんな事を呟いたりもしてた。

 

本当にちょっと練習しておいたので踊り出せてよかった。最後に一瞬だけ動きバグるの毎回分かってても心がざわついた。秋田で聞きたいな、今年は行きたいな。

雪の筆跡
個人的に今アルバムで一番好きな曲なので純粋にライブで聞くのが楽しみだった。ぽやぽやしていた想像は一瞬で殺された。大サビ前の高橋優とアコギだけになる瞬間~“僕はそれを汚しに生まれてきた” までで高橋優を中心に一気に明るくなる照明が凄く綺麗だったな。“ただそれだけさ人生なんか”と歌い切ってからものすごく優しい顔で笑ってるのを見て凄く苦しくなった。この人はなんて強い人なんだろう、どれほど傷付いてここに立ってるのだろう、優しいんだろう。人生みたいに苦しくて冷たくてあたたかい曲だと思った。

氷の世界
音源で聴いて高橋優の歌唱的作詞的表現力というか浸透力というか、ギアが変わった気がした曲。幻想的で非現実的な世界観を“らしい”比喩表現で紡いでいく、今までこのタイプの曲はあまり無かったように思う。冷たくて、真っ暗で、綺麗な深い海に少しづつ沈んでいくような感覚になりながらぎゅっと自分の手を握って聞いていた。ゆっくりゆっくり、外の光が届かなくなってきて気持ち良いけど少し怖くて。ふわっ…と海底に触れると同時に曲が終わって。余韻で目を瞑っていると次の曲のイントロで目を覚ます。

ever sinc
雪の筆跡→氷の世界→ever sincの流れがとても綺麗だった。春の木漏れ日、雪解け、そんなイメージの曲だと思っていたものが今ツアーで更に強まった。コツンッとアコギを叩く音がすごく好きで。三拍子が親子三人のそれみたいで、愛おしそうに優しく大切そうに歌う高橋優が好きだった。

MC
「ちょうどこの一年前くらいに武道館で十周年のライブをさせてもらいました。いろんな考えとか感情とかが入り交じっていた時期でした。来てくれた方も沢山いて嬉しかったです。でも、来られなくなってしまった人、“来ない”という選択をした人も沢山いました。あれから1年経って、まだまだ元通りとは言えないけれど…もしもまた、みなさんとこうやって再会させて貰えたら届けたいと思ってた曲を聞いてください」

おかえり
正直、情緒がおかしくなった。あの日を全く昇華出来てないのは私だけじゃないと思いたいけど、全然ダメだった。ビックリするくらい涙がぽろぽろ出てきた。もうこの先絶対、一生、一回もこの人が悲しい事であんな風に心を痛めることがありませんように。 誰よりも幸せでありますように。色んな方向に顔と体を向けながら会場にいる全員の目を合わせて一言一言伝えて歌うその姿を見ながら、心の底からそう思った。こちらの方こそありがとう、今ここにいてくれて。

勿忘草
素人耳が何言ってるんだ、という気持ちで聞いて欲しいのだけれど去年の11月にイベントで聴いた勿忘草とは全く違うものになっていた。完全に自分のものにしていた。凄いな、プロフェッショナルって。氷の世界と同様に新しいドアを開いたことを感じる曲。表現力が遺憾無く発揮されて惹き込まれた。


グリーンのカーディガンを脱いでエレキギターを手にした瞬間から一気に空気が変わる。エレキギターを早弾きする高橋優が格好良すぎて毎回心震えた。立ち姿も、後ろから照らされてほぼ真っ黒になるシルエットも、己の音を聞いて会場の声を聞いて“入っていく”表情も、全部全部がとんでもなく痺れさせてきた。


会場のボルテージが1番上に触れた瞬間、始まる象。腕を力いっぱい振り上げるのが気持ちよくて、熱くて、暑くて。会場がだんだん1つの大きな生きものみたいになっていくのを体感するのがすごく好き。ステージの熱と客席の熱が合わさって熱くて“生”を感じる時間のひとつ。

forever girl
欲しい音のところに欲しい言葉が入ってくるというか、とにかく最高に耳心地の良い意味があるのか無いのかさえ良く分からない言葉と音が息付く暇も無く襲ってくる。許されるならあの映像の7や8の様に踊りたい。映像も相まって余計に解釈が分からなくなったな、結局「7と8の間に」ある「永遠」ってなんだろう。

東京うんこ哀歌
象→forevergirlでだいぶ上がった心拍数と呼吸を整えていたら聞いたことのあるギターのメロディラインが。「は?」思わず声が出た。「まさかそんな…いま2023年で、これはRe Love&Re Peaceのアルバムツアー…」??????と脳が大混乱している内にステージの真ん中に立つその人が「この曲でずっとコールアンドレスポンスしたかったんだよォ!!!!!!!!!!!!(千葉)」とうんこを高々と掲げながら叫んでいた。すごい、すごい熱量だった。そんなにこの歌でコールアンドレスポンスしたかったのか、これ、前回のアルバム曲なのに。若干動揺しつつ私も全力でうんこを掲げた。うんこポーズをノールック且つ綺麗に出来るようになっていた自分の成長と時の流れを感じた。


正直に言う、うんこのトイレットペーパー的なポジションに虹を使わないでくださいと怒った。まあ、名曲はどこにいたって名曲なので許しますが。どの虹も最高だったけど静岡公演の2番~最後がものすごく良くて泣いてしまった。何がどう違ったのかとかそういう細かいことは上手く表現出来ないのだけれど…とにかく静岡で聴いた虹がいままで聞いた虹の中で一番だったかもしれない。

明日はきっといい日になる
ずっとずっと歌いたかったのに声より涙が出てきて全然うまく歌えなかった。ライブで聞く度に言うけどカラフルな丸い粒が降ってくるみたいなこの曲の明るさとパワーに圧倒されてしまうんだけど今回はそれが非常に強くて。お客さんからもステージからも同じ感情が湧いてるのがわかって、それが可視化されてる訳は無いけどなんだか見える気がして。みんな歌いたくて、でも歌えなくて。やっと歌えたあの歌声とそれを愛おしそうに全部聞くステージ上の高橋優の表情全部を記憶の押し入れに大事にしまっておきたい。

piece
明日はきっといい日になる→pieceのスーパーハッピーストロングソングメドレーに完全にやられてしまった。ここで未来の歌を聴けるのか。歌詞の一言一言が3年間と重なって、こんなに染みることあるかってくらい。まさにこの時代を生きる人が作ったこの時代生きる人の為の歌。こんなに未来を見てる人がいるならまだまだ捨てたもんじゃ無いなって思えた。

MC
「アルバム名にPeaceって入れてるけど、世界平和とかそういう大それたことはあんまり考えてなくて。正直わかんない事もあるしね。でも、今日このライブが終わったあとのみんながそれぞれの日々を生きてる中で「今日なんか楽しかったな」とか「これ美味しいな」とかそういうちっちゃい些細な幸せが少しでもあります様にって思って書いた曲です。今日は本当にあありがとうございました」

ピーナッツ
何気ない「当たり前」がこんなにも尊くてかけがえのないものだったことを、恥ずかしいけれど私は当たり前が当たり前じゃなくなった時に初めて知った。当たり前が当たり前であることのありがたさとそれが何よりの幸せということ。今こうしてライブでそれを実感出来ることの意味をひたすらに考えながら聞いていた。


アンコール
(パイオニア/微笑みのリズム)
               (福笑い/同じ空の下)
(後編:裸の王国)

パイオニア

本当に好きな曲のひとつなので、「それじゃあアンコール…もう少し盛り上がれますか!!!」でイントロが始まった瞬間嬉しくてビックリしてよろけた。「跳べますか?」いっぱい跳んだ。時々ふくらはぎつってた。最後の「あなたの声を聞かせてよ」で耳に手をやって声出しを促す所作からのそれに応える会場いっぱいの声、はあ気持ちよかった。“傷付いているよ優しく笑う人ほど” で少し苦しくなるのやめたい。

微笑みのリズム
あー、もう、もう、絶対わたしのプレイリスト覗いてるでしょ。と平和オタクは思った。こちとら毎日5連手拍子練習してんだから、任せな。👏👏👏👏👏

福笑い
イントロが始まった瞬間自分を抱き締めてしまった。「よかったらみなさん歌ってくれますか?」マイクスタンドをぐるっと客席に向けられた瞬間、いつもそこで泣いてた。「きっとこの」の「きっ……」くらいでオエオエ泣いてしまってあんまり上手く歌えなかった。絶望的音痴だった。音色が優しくて、みんなの声が優しくて、それをしっかり聞いて何度も頷きながら噛み締める高橋優の表情がたまらなくて、目を開けても閉めても勝手に涙が出てきた。

同じ空の下
ここは変わらないもんだと余裕をぶっこいていたので中野2日目で突然同じ空の下が始まった時は本当に驚いた。同じ空の下と福笑いは同じ分類曲だと思っていてどちらかと言われた時にいつもセトリ落ちしてるような気がしていたので、純粋に嬉しかった。個人的には高橋優に会いに行こうと決めた曲、いろんな鮮明に思い出が甦ってきて何回擦っても視界がキラキラしててダメだった。

後編:裸の王国
「裸になろうぜェ~~!!!」で始まったイントロ、脳が裸の王国だと認識した瞬間膝から崩れ落ちて膝の皿が割れた。ずっと聴いてみたいと思ってた曲だ、最高だった。SNSと人の目と処理しきれない情報に支配された現代を歌ってるみたいだった、みんな、ちゃんと”自分”はありますか?痺れた。ハイ終わり

リーマンズロック
ずっと心がキツくて痛くて生きるのが下手ですぐ負けて折れそうになって、毎日何かしらやらかして簡単に死にたくなって、でもまだ大丈夫でいれるのあなたの曲が私の中にあるからで。「生きていけ」で終わるライブ、ああ正直やだな、やめたいな。でもこれからも生きていかなきゃって毎回思わせてくれる。

明日っからまた色々あるけどお互い負けないで、また会いましょう!高橋優でした!!!」



何度もイヤモニを取ってお客さんの声を聴いてはその度に嬉しそうに愛おしそうに、文字なんかでは表せられないような”良い顔”をしてた。誰よりもこの瞬間と空間を待ちわびていた人、歌う事を生業にしている人、ずっと一人で先頭切って戦ってくれた人、よかった、本当に本当によかった。あの日あの時感じたものは一生、忘れたくない。忘れられない。

ライブが終わってまだ少し寒い空の下に出て駅に向かって歩いていたら、これから先に何が起こっても平気な気がどんどん湧いてきた。だって、私の人生にはいつだって高橋優がいてくれるんだから。


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