見出し画像

叱ると子どもは成長するのか~脱・叱りすぎ①~

子育てのアンテナを張っていると、「怒るのではなく叱りましょう」と耳にする機会が増えました。
感情に任せて「怒る」のはやめて、論理的・理性的に「叱る」ようにしようという説ですね。

子どもからみた怒ると叱る

「怒る」と「叱る」の意味を改めて国語辞典で確認してみました。

<怒る>
不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。
よくない言動を強くとがめる。しかる。

<叱る>
目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。

つまり、怒るは自分のために、叱るは相手のためにするものとも考えられます。
「怒る」も「叱る」も『強くとがめる』とあります。「説明する」とは根本的に異なっており、𠮟られた側に恐怖や不安などのネガティブな感情を発生させることは想像にたやすいことでしょう。

叱る側には、「怒る」と「叱る」は全く異なる体験ですが、一方で叱られる側からすれば違いは区別できません。相手のためを思って「叱った」つもりでも、叱られた側から「怒られた」と受け取られることもありえます。

「叱る」とは

叱る側は、行動を正してほしいから叱ります。
叱られた側は脳の仕組み(防御システム)が働き、闘争・逃走反応として行動を起こします。

叱る側としては、行動を正してほしいため、相手がすぐに反応をしてくれると都合良く受け取ってしまう傾向があります。「叱る」には、相手にネガティブな反応を起こすことで、相手を思い通りにコントロールしようとする側面もあります。

少し話が反れますが、怒られすぎるor叱られすぎると脳(前頭野など)が委縮、または肥大する変形が引き起こされ、学習機能や社会的能力を発揮することが困難になる危険性があります。

叱られても学べない

恐怖などのネガティブな感情から発生した行動は、学びや成長に繋がりません。
ネガティブな感情を経験すると、脳内では扁桃体が活性化して、記憶力や思考力、感情の制御を抑制します。防御モードが働いて、叱られたことへの恐怖や不安を解消しようとその場しのぎの行動(回避行動)をしますが、それは学びにはつながりません。
子どもに、同じことを繰り返さないためにはどうすればいいのかということを伝えなければ何回も同じことを繰り返すことになります。
大人側が「叱る」とは全く別の発想で考えなければならないテーマです。

大人として子どもを「きちんと叱る」ことが必要、そう思われている方、そう周囲の大人から言われている保護者の方もいらっしゃると思います。
でも実は叱っても学ぶ効果がないことに気がつくことが、大きな一歩になるのではないでしょうか。

「叱る」依存性や、そもそも「叱る」という行為を減らしていくためにどうしたらよいのか、別記事でまとめたいと思います!

追記 5/19
叱る依存性についての記事を公開しました


いただいたサポートは子どもたちのおもちゃ代として使わせていただきます。