おじいちゃんが会いにきてくれたお盆.
気がつくとわたしは強い西日の中、散水用のノズルを握りしめて会社敷地内の打ち水をしていた。日向に撒かれた水はたちまち蒸発してしまう。やっている意味はあるだろうか?と不安に思いつつ、とりあえず続けてみる。
すると門から誰かが入ってくる気配がして、相手に水がかからないように慌ててシャワーノズルを真下に向ける。アスファルトに跳ね返った水しぶきが足の甲に当たって、つめたい。
顔を上げると、帽子を被った上に、さらに日傘をさして、涼しげに立っているおじいちゃんがいた。
「日傘や!!!