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上智大学受験記「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」

  当時高校生の僕はスペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた?』という本を読んだ時に価値観が大きくかわったので是非紹介させてください!
 この本のあらすじと、この本が自分の志望校決めや大学受験にどう影響したかを書きました。

あらすじ

 この本は、物事を単純に考え、変化に対応し直ちに行動を起こす2匹のねずみと、頭は良いが変化に対して深く考え、失敗すると言う不安や恐怖により躊躇し中々行動に起こせない2人の小人の物語です。

 ステーションからチーズがなくなった時、2匹のネズミはすぐに新たなチーズ探しの旅に出ます。単純で非効率的な方法でどんどん前に進み、ときには袋小路に突き当たり引き返すこともありますが、失敗と経験から学び試行錯誤を繰り返しながらチーズを探します。

 一方、2人の小人はチーズが無くなったことを嘆き、怒り、議論し中々前に進むことができません。恐怖と不安に負けてしまい、困難なチーズ探しの旅から目を背け、今までの生活にしがみついてしまったのです。

 やがて、片方の小人であるホーという人物は、変わらなければ破滅すると思い始め、チーズ探しの旅に出ることを決意します。この本の重要なテーマの一つは不安や恐怖を克服し一歩を踏み出す勇気です。旅に出発したホーは壁に「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」という言葉を書きつけます。

 1歩を踏み出したホーですが、十分な量のチーズは見つかりません。本当にチーズは見つかるのかという不安に負けそうになり、元のステーションに逃げ帰りたいという誘惑に駆られます。それでも、自分を勇気づけチーズを求めて旅を続けていく内に、ホーは徐々に気持ちが楽になり爽快で愉快な気分になっていきます。まだ目標は達成しておらず、不安な状態にも関わらず、挑戦自体に楽しさを感じることができるようになります。そしてホーは「恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになれる」と壁に書きつけます。

 恐怖を乗り越えたホーは失敗を重ねながらも、ついに見たことないほどの大量のチーズの山に囲まれた新たなステーションを発見します。そこには、あの2匹のねずみもいました。新たなステーションを発見したホーは、これからは小さな変化に素早く察知し、適応し、恐怖を乗り越え行動を起こし、その冒険を楽しんでいこうと考えます。

留学時代の克服

 この本を読んだのは高校2年の時のカナダ留学帰国直前の時期でした。自らの1年間の留学を通じて勇気を出して一歩を踏み出す重要性を実感していたこともあり、本の内容に強く共感しました。

 留学に行く前は、授業は分かるのか、友達やホストファミリーとコミュニケーションはとれるのか、本当に英語を話すことができるのか、誰かが話す内容を聞いて理解できるようになれるのか、どれも不安で自信がありませんでした。

 いざ留学に行ってみると、全く分からない授業を聞き続けることが辛くて必死でリスニングの勉強をしていました。また、現地の友人に言いたいことが英語で出てこない悔しさから、毎日学校から帰るとスピーキングの練習をしていました。

 その結果、少しずつ授業がわかるようになり、スポーツや遊びを通じて多くの友人を作ることができました。勇気を出して留学に行ったことで、環境が私を成長させてくれたのだと思います。

 この本には何度も「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」というメッセージが出てきます。このメッセージから私が感じ取ったことは、不安や恐怖が無ければ自分が心からやりたいことは何なのかを見つけることはたやすいということです。そして、失敗を恐れずに勇気を持ってその道に飛び込むことが重要だということです。

 心からやりたいことであれば、挑戦の最中に壁にあたっても頑張り続けることができます。また、勇気を持って新たな道に進めば、環境が自分を成長させてくれます。

志望校決め【上智大学】

 この本を読んだ時、進路を決める時期だったこともあり深く考えさせられました。自分は将来何をしたいのか、そのためにはどの大学に行きたいのかを考えました。自分の実力でどの大学に行けるのかではなく、どの大学に行きたいのか、何を学びたいのかに焦点をあてました。この本の影響が大きかったのだと思います。

 将来は国際的に活躍できるビジネスマンになりたいと考えているので、英語教育に力を入れている大学を中心に調べ、上智大学の英語学科に決めました。正直、当時の私の学力では高いハードルであり不安もありましたが、もし恐怖がなかったらなにをするだろう?本当はどうなりたいだろう?と考えて決めました。

怒涛の資格受験

 志望校を決めてから、受験方法などを調べ英語1教科受験の公募推薦を受けることに決めました。受験するには英検、TOEIC等の資格が必要なことを知り、英検準一級を受験しましたが不合格でした。続いて受験したTOEICも670点と受験資格に届きませんでした。

 結果にショックを受け、また本当に受験資格を取れるのか不安もありましたが、諦めず勉強に集中し受験し続けました。本当に行きたい大学なので頑張り続けられたのだと思います。

 勉強を続けていく中で、小人のホーが経験したように徐々に不安より英語力が向上していくことが楽しくなってきました。目標に向かっての努力自体が楽しくなってきた感覚です。勉強、受験、復習を繰り返し、2度目の英検受験で準一級に合格し、TOEICも870点を取ることができました。ちなみに今は915点です^ ^

 上智大学を受験することを決め、勇気を出して一歩踏み出さなければ、今の実力はついていなかったのだと思います。

あとがき

 当時の僕にとって、上智大学を合格することが1番の目標でした。どれだけ勉強しても不安は消えませんでしたが、小人のホーのように恐怖を乗り越え挑み続けることができたと思います。小人のホーはチーズステーションに着いた後、変化に対応し続けることの大切さを知りました。当時の僕も大学入学後、そして社会に出てからも、恐れずに変化に対応し続ける人になりたいと思ったのでした。

『チーズはどこへ消えた』スペンサー・ジョンソン

https://www.amazon.co.jp/チーズはどこへ消えた-スペンサー-ジョンソン/dp/459403019X

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