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ヘイル、シーザー!をみて悔しくなりました。

50年代の映画製作の裏を描いている、というめちゃくちゃ興味ある分野の映画でしたので見ました!

まだまだ未熟なもので、スカーレット・ヨハンソン演じるディアナの撮影してる映画がエスター・ウィリアムズのオマージュという当たり前のところしか気づけなかった。
きっと、西部劇の俳優の訛りのくだりやローレンツ監督との同性愛の噂のくだり等元ネタがあるんだろうな。

ジョシュ・ブローリン演じるマニックスはハードボイルドでボガードみを感じる。仕事はじめの早朝あたり等節々にフィルム・ノワールを感じて、コーエン兄弟楽しんで作ってるなー!と思いました。

あと、楽しんで作ってる!と思ったのは、劇中で撮影してる映画。チャニング・テイタム演じるバートのミュージカルは、45年の錨を上げてと49年の踊る大紐育のような水平さんのミュージカルで、本人もジーン・ケリーっぽいタップ踏んでたりして軽快でいいんのだけど、最後の方同性愛を茶化すようなセリフと振り付け。ドイルが出演するメロドラマの方も堂々と女性が浮気を正当化するようなセリフをいってる。実際の50年代では、ヘイズ・コード健在なので作ることが無理そうな映画をヘイル・シーザー内の監督たちに作らせてるところが、楽しんでる!というかふざけてるな~~~!!と感じた。

50年代っぽい映画の作りをこの映画自体でやってるところもあって、車を運転するシーンは後ろで映像を流しているし、共産主義者が亡命する海のシーンはスタジオに水を張って作っているし。現代だとロケしそうなところも当時の撮影方法で撮影していたのが良かった。

脚本家たちが共産主義について語るところは、ハリウッドテンだ!とすぐにわかったものの、ハリウッドテンの方たちは共産主義じゃないのに共産主義のレッテルを貼られたんだと思っていたので、ほんとに共産主義の人たちだったのね、と勉強になった。ハリウッドテンと呼ばれるのは、弾劾の場で他の共産主義者に傾倒してる映画関係者の名前を言わなかった10人ということだったのかーと改めてこのあたりを勉強し直した。
筆頭はダルトン・トランボだと思いますが、才能豊かで反戦的な人が締め出
される程の共産主義への恐怖、、、
バート(チャニング・テイタム)は共産主義者だったわけで、潜水艦に乗って亡命する。(この海のシーンも007ぽいオマージュを感じるのだが、明確にこの映画!と分からず悔しい)
バートがお金が入ったトランクを海に落としてしまうと、共産主義者全員めちゃくちゃ落ち込むのが皮肉っぽくて面白い。

小ネタがたくさんあるだろうにちょいちょい気づけなかった悔しい思いをした映画でしたが、赤狩りさえ知っていればこの映画楽しめると思います!

『ヘイル、シーザー!』(原題:Hail, Caesar!) 2016年公開
監督:コーエン兄弟
出演:ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー
<あらすじ>
1950年代、ハリウッドの映画製作の裏では解決屋のエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)が俳優たちのスキャンダルのもみ消しに追われている。社運をかけた歴史スペクタクル超大作『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、主演俳優であるベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐される。パパラッチたちに狙われながら、エディは誘拐事件の解決に走る。

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