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隈研吾氏の動く家「住箱」

みなさんは、トレーラーハウスというものをご
存知ですか?
一言で言うと「旅する家」、「動く家」とも形容されています。

アメリカでは災害によって家を失ってしまうリスクの多い地域、ホットスポットが存在します。
そのような背景から、一つの場所に定住しない暮らしに対して魅力を感じる人が多くいます。

今回はそんな隈研吾氏の手掛けたトレーラーハウス、「住箱」の魅力を書いていきます。

●取り返しのつく家?

略歴
1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。40を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『全仕事』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。

隈研吾氏設計の「住箱」について、簡単にご説明します。
住箱とは、隈研吾氏とアウトドアブランドのSnow Peakとのコラボレーションによるトレーラーハウスのことです。

隈氏の構想として、家に囚われることなく、もっと自由な、取り返しのつく建築を作ってみたいという思いがありました。
今は持ち家が当たり前の時代となり、35年ローンが当たり前となってしまい、「住む」ということ自体が重くなってしまっています。

隈氏はこの点に着目していました。

▷隈研吾氏のテント論

学生時代にアフリカの建築を学ぶため、サハラ砂漠を旅していた隈氏。

屋根の上にタンクを積んで、車でゆっくりと旅を続けます。

故郷から遠く離れ、移動しながら生きていく経験は、建築家としてのキャリアをスタートさせた原点ともいえそうです。

▷「住箱」のスペック

隈氏は、自然と融合した建築物を多く生み出してきました。
「木」は多くの可能性を秘めています。

木は最古の建築資材でありながらも、最もハイテクな資材。
床から天井までヒノキを贅沢に使用しています。
この効果から、柔らかい香りに包まれた室内となっています。


○外壁
材質:ヒノキ合板t12mm(F☆☆☆☆認定品)
塗装:防腐剤+キシラデコールやすらぎ

○内壁、室内天井
材質:ヒノキ合板t12mm(F☆☆☆☆認定品)
塗装:無塗装

○室内床
材質:ヒノキ合板t12mm(F☆☆☆☆認定品)
塗装:ウレタン塗装

○屋根
材質:ガルバリウム鋼板
塗装:無塗装

○断熱材
天井、壁:グラスウール密度24k・50mm
床:スタイロフォーム・50mm
※F☆☆☆☆認定品
(フォースター。ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない最上質等級)

【オプション】
○LED
定格電源:DC12V
定格電流:約6A
消費電力:天井照明(約5.6m)81W程度
ベッド台照明(約2m)29W程度
防水規格:IP44(非防水タイプ)
照度:900LM/m

○ベッド床板
材質:ヒノキ合板t12mm(F☆☆☆☆認定品)

○ロールスクリーン
材質:ポリエステル100%( 防炎、制電、50%~80%UVカット)
※F☆☆☆☆認定品
(フォースター。ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない最上質等級)

▷「住箱」は買えるのか?

この「住箱」は、購入することができます。

シンプルなデザインですが、そこにひとりひとりの個性を生かせるな配慮がされています。DIYでも扱われやすい合板を使用しており、後から自分なりに工夫することも可能です。

また「買える隈研吾デザインを」という発案者のこだわりもあったそうです。
そのため、隈研吾氏の設計となるとお高いのでは・・・?と心配される方もいるかと思いますが、それほど高価には設定されていません。

また、あくまで住宅ではなく車両扱いとなるため、店舗として活用することもできます。

▷まとめ

世界的に有名な建築家である隈研吾氏が手掛けているというだけあって、とてもシンプルでスタイリッシュです。

購入するだけでなく、全国にキャンプ場やロッジとしても活用されています。
宿泊して隈研吾氏の設計を身近で楽しまれてはいかがでしょうか?

著者(SaKI)プロフィール

建築事務所にて、2×4工法、RC造の建築物の設計・積算を担当。

「casa」を立ち上げ、審査の大変厳しい、フランスのMaison & Objet への出展許可をいただいたことがきっかけで、ジュエリーデザイナーとしても欧州で活動を開始。

建築の知的な造形美をジュエリーに取り込んだ作品を生み出している。

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