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謎解き多様性の時代を求めて

好きか嫌いかでいうなら、大好き……❤︎

 田中太郎と申します。ミステリータワー62階まで行きました(追記:93階まで行きました)。Twitterアカウントでいうと @j_s_c_labo の人です。
 前はありましたが、個人的に発信したり交流する用のアカウントは作っていません。
 正直Twitterの謎解き界隈見ててもあまり……。うん。
 nヶ月ぶりm度目みたいな話題で何度でも荒れていたり、荒れていたり、妙にマイルドじゃない人がいたり、なんか荒れてたり、定期的にどこかが燃えてたり……。嫌いじゃないし好きな人もたくさんいますが、居心地はよくなさそうなので、今は時々覗く程度のROM専です。
 話題になるほどの名作やゲームが出てきたらそれでも十分情報追えるし。Twitterで疲れるのはよくない。

 さて、本題に入る前に、こんなところで書くのはどうなという気もしなくもないのですが、現在2作だけ公開して止まっているウェブ謎 #ADV_Genesis のお話です。
 端的にいうとコロナ禍でそれまで準備していた修論が見事に吹き飛び、熱心にウェブ謎を作ってる場合ではなくなったのでずっと停止してます。1月が提出締め切りなんだ……。お待たせしてごめんね。

 そして、これは「あなたは謎が好きですか? Advent Calendar 2020」2日目の記事です。まだ結構空いているようなので、これを読んでいるあなたもぜひご参加ください。

 それでは本題。ネタバレ解禁したらもっとネタバレしてほしいって話と、有料ウェブコンテンツ増えないかなって話を書きます。

他人の書いた合法ネタバレ記事が読みたい!

 私は他人が書いたネタバレ記事を読むのが大好きです。
 ここでいうネタバレというのは、公式にネタバレ解禁されてから、その参加体験を内容に触れたりしつつ書くものを指します。ネタバレ解禁前に無断で公開されているネタバレ情報のことではありません。

 作った側がネタバレを解禁する際に抱く期待は大きく分けて4つに分類できます。できるはず。できて。
何を期待するのかというと、
①プレイした人のもっと踏み込んだ感想が見たい
②ネタバレを通じて話題にしてもらい広報活動の効果を得たい
③もうやらないのでネタバレを通じて追体験してほしい
④作ったもののことをめちゃくちゃ語りたい

のいずれか、または複合です。

 で、先ほどTwitterの謎解き界隈はなんか荒れがちということを書きましたが、その原因として「規範意識がなんか高い」ことが挙げられる気がします。
 だいたいどの公演・コンテンツでも共通する決まりごとはわざわざ指摘されない別の場所でもとりあえず守っておこう、という感じで、そこから外れた行動があまり取られません。
 わざわざダメと書かれなくてもタイムラインに流れてきた謎のリプライに答えは書き込まないし、でもって、そこから外れた行動を取る人が現れたときに毎度穏やかじゃない空気が流れている感じ。
(なお私は法や作者による規制がないなら別にいいやん?派です。嫌なの見かけたら個人的にブロックして回ればいい)

 さて、ではネタバレについてはどうかといいますと、一般的にどの公演・コンテンツでもネタバレは禁止となっています。「まだ遊んだことがない人の楽しみを奪わないよう」とよく言われるのでだいたいみんな同じ理由でネタバレに気をつけている気がします。

 今回、ここから先で言及するのは「ネタバレ解禁してるけどまだ遊ぶことが可能な公演・コンテンツ」についてです。もう再演の可能性がないネタバレは性質が違うので区別します。
 公演でいうとタンブルウィードさんの「TableT」が今年を代表するネタバレ済みコンテンツでしょう。(これは最強のネタバレ動画があるので観るといいです。どこ見てもイケメンがいる。強い)
 ウェブ謎でいうと今年はモンスターや塔にはまだ遊べるけどネタバレ解禁済みになっているものがあります。(拙作、AppleとBehemothもネタバレ解禁済みです)

 まだ遊べるけどネタバレは解禁している、この状況がちょっと悲しいすれ違いを生んでいる、ように思っています。

ネタバレ解禁した方
→とにかくみんなのネタバレが見たい

ネタバレ解禁された経験者
→他の人にも同じ体験をしてもらいたいからネタバレを行うことに対してめちゃくちゃ配慮する

→結果として、ネタバレ解禁したのに誰もネタバレトークをしてくれない。

(わざわざネタバレトークするほどの価値がある作品ではなかったというもっと悲しい可能性もありますが今回はそっと見なかったことにします)

 一応、ネタバレは完全に行われないわけでもないようで、「誰か1人でもクリアしたら」という非常に短い期間かつわかりやすい条件でネタバレ解禁をしていたthe Tower of H(アダル塔)(よりにもよってアダル塔)の事例を挙げると、多くのプレイヤーがプレイ中にネタバレ解禁になったせいかタイムライン上でのネタバレはないのにプレイヤー間のヒント出しという形でネタバレが行われていたのは、へぇそうなるのか……という印象でした。面白かった。

 と、いうわけで「もっとネタバレ記事増えてほしいなぁ」のお話でした。他人が苦しんだり興奮したりした場面の記録を読むのは健康にいい。過去の公演を振り返りたいときの資料にもなるし。コンテンツの空気感は体験した人の感想からでないと観察・記録しづらいのでぜひ。

(まあ、ネタバレ記事書くのも体力いるから難しいんだけどね。私も消滅ウミガメのネタバレあり体験記事書こうとして挫折しちゃったし)

 続いて「有料ウェブ謎コンテンツもっと増えないかなぁ」というお話です。

お金払ってもいいから手の込んだウェブ謎を遊びたい!(どちらかというとお金を払う文化を作ろうという話)

 ぶっちゃけリアル謎解きゲームってセレブの娯楽に近いと思ってます。事前に内容がよくわからない100分程度のものに4000円近く払い、さらに会場への交通費や、たまにグッズ購入まで……
 steamで安めの名作ゲームを2、3本買って数日以上遊べるくらいの額がたった1回の参加でかかることを思うと比較的贅沢な娯楽です。

 キットを買って家で遊べる持ち帰り謎は安価なものもありますが、どこかで買ってくるか家に届くのを待たねば遊べません。売ってる場所が限られるため、やりたい!と思ったその瞬間にアクセスすることが難しい性質のものです。

 じゃあウェブで謎を解くか、とちょっと検索すると、軽々数ヶ月は遊び倒せるほどの無料コンテンツで溢れています。
 中には+codeRe:や謎解き王トーナメントなどまだ無料で公開されてるのが信じられない作品もあり、通信料さえ払っていれば非常に良質な謎解きコンテンツを特にお金を出すことなく遊べてしまうのが今の状態です。

 消費者目線だと安く高品質なものが手に入るのはめちゃくちゃ望ましいことです。
 大半が同人作品であって、商業とは違う考え方、目的で作られてるというのもありますし、これはこれで悪くはないことです。

 ただ、それだけ作れるならたまにはちょっと有料コンテンツ作って、おやつのランクをちょっと上げたり、個人の次回作を作るための資金に充てたりしてもバチは当たらなくない?とも思うわけです。

 まあなんでそういうの少ないの?と考えると、身も蓋もない話ですが、おそらくそんなに売れないと思われているからだと思います。
 実際、まだ数はそんなに出ないはず……とりあえず個人制作で100売れれば御の字、300人に売れたら大したもの、くらいの感じじゃないかしら……私はあまり詳しくないのではっきりとしたことはわかりませんが……。だって有料ウェブ謎でもっと多く売り上げが出るならもうどっかの企業がやってるはずじゃないですか……。 

 有料ウェブ謎や、有料ダウンロードコンテンツ、ちょっと利益が得られる以外にもメリットはあります。
 ・見た目やサイズ、紙の種類、表裏の合わせを気にしないただの紙で構成する持ち帰り謎や公演なら、わざわざ印刷して在庫を持たなくていい。
 ・ウェブやゲームエンジンで適切に構築すれば、リアルでやったらスタッフが100人必要な公演でも人を使わずに実現できる(かもしれない)。
 ・様々な経費がかかることにより実現を断念していたアイデアを使える。
 ・得た利益により(制作ソフトを買うなどの投資を行うことで)さらにできることが増える。

 ついでに、無料コンテンツと有料リアル公演の間に位置する中価格帯の謎解きゲームの商品数が増すので、謎解きに対してお金を使う人口の総量もちょっと増えるかもしれないです。
 4000円+交通費と時間は気軽に出せないけど、その場で1時間くらい遊べるゲームに800円なら出してもいいって人はそこそこいるはず。

 何より、有料ウェブ謎があるとですね、その作者を推したいときに買うことで貢げるんですよ……。

 というわけで、公演型じゃない謎解きにもお金を払って遊ぶ文化を作ろうではありませんか。これが今年のこの記事の主な主張ポイントになります。

 でも、お金取れるコンテンツを作るのはハードルが高い? わかる。頑張ろうな。
 リアル公演の良さは人と会って一緒に遊べることにあるという意見もわかる。ただ、ウェブ謎でもやり方次第では人と一緒に遊べるというのは今年ウェブ謎ギルドの方々が示してくれたように思います。

 ウェブ謎の収益化モデルとして、先に謎を無料公開してその解説やこだわりポイントをまとめた記事を有料販売する形式(モンスター解体新書など)が流行ったのもよかったですね。
 確かに、やらないと中身がわからない謎解きゲームの場合はこちらのモデルの方がハードル低いかもとも思いました。

 以上、有料ウェブ謎コンテンツ増えねぇかなぁというお話でした。
 なお、お金出してまで遊んでくれる方がいることは全然当たり前のことではないので、売れなくて当然、売れたらとても感謝くらいの気持ちでいると病みにくいです。
 こんなに頑張ったのに全然売れない、という思考からは早めに脱出しておきましょう。

今年面白かったウェブ謎の紹介コーナー

 ここからは今年「私が自宅から遊んだ」「ウェブやダウンロードコンテンツが主体の」面白かったコンテンツをおすすめするコーナーです。有料コンテンツが中心ですがひとつだけ無料のものが含まれます。
(基本プレイが無料のWordPress系とLINE謎は対象としていません)

タンブルウィード「視 -see-
 3960円。独自システム。
 さすがのクオリティ。ただし指定された公演時間にプレイする必要があるため、再演がない限り遊べません。

もりぺー「MoriPayはじめました
 200円。LINE。
 楽しいーー!こんな決済サービスがほしい。いつでも遊べます。

どや「
 200円。LINE。
 なんか知らんけど解ける。非常に笑った。少し難しめ。いつでも遊べます。

とと「0と1の密室
 800円。独自システム。
 ゲームならではの謎が多い作品です。この記事の文脈でいう「こういうのが欲しかった」の代表選手。いつでも遊べます。やって。いい感じの設定もあったことですし続編とか期待しています。
 来年以降こういうのがもっと増えてほしい。

kattun「TimeRooms
 無料。独自システム。Windows用。MacでもBoot Campかませれば遊べるらしい。
 良い謎解き。お手軽に遊べるのもいいし、クリアタイムもわかる親切仕様。いつでも遊べます。

 以上、今年面白かったウェブ謎のコーナーでした。

最後に

 投げ銭用の有料部分です。
 記事が面白かったとか役立ったとか資産が多すぎて余っているとかありましたらご購入よろしくお願いします。なお、以下、有料部分に書いてあることはネタバレ禁止です。

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