見出し画像

ブラッシュアップライフと穴が空いてるわたし

コンビニもない、信号も数える程しかない山と川と田んぼと時々道の駅に囲まれた田舎の1学年1クラスの小学校で育ったわたしには今でも仲良しの幼なじみがたぶん人よりすこし多くいます。


小学生のとき、わたしの手のひらにあるほくろを見つけて、「それ幸せぼくろじゃない?それある人幸せになれるらしいよ!」と教えてくれた幼なじみは今でも突然、何の脈略もなく西瓜の座右の銘なんだっけ?とだけLINEしてくるくらいの距離感では居てくれて、

ふとした瞬間、自分の手のひらにあるほくろを見ては当たり前だけど、小学生のわたしと31歳のわたしは同一人物で、あの頃の続きで今があるんだなと思ったりします。



小学校の修学旅行の帰りのバスで疲れ果ててクラスの大半の子が寝ている中、ひとりでマイクを握って離さず、大きな声でZONEのtrue blueを熱唱していたアイドル志望だった幼なじみは、時にはすれ違ったりしながらも、

彼女の心臓の強さにわたしは幾度となく救われてきて、仕事で落ち込み1日中パジャマのまま飲み食いする気力もなく上の空で過ごしていた日に、

嵐のようになんの前触れもなく、突然電話をかけてきて、メルカリで起きたトラブルの話や、欲しいものを旦那さんが買ってくれなくてシャンゼリゼ通りで泣いたという話をずっとしてくれて、

彼女のエピソードを聞いてるとご飯食べなきゃと思えたりします。(ちなみにアイドルという彼女の夢は早々に別物へと変化していきました。)



小2からの転校生なのに卒業までずっとクラスをまとめ上げていて、放課後になると椅子を並べてステージに見立ててその上で画用紙を巻いたものをマイクに見立ててあややのYeah!めっちゃホリディを一緒に全力で踊っていた幼なじみは、

わたしが父親からお前のせいで家族が壊れたんだと言われて両親が離婚した日、母とふたりで生まれ育った家を出ることになったと報告したら、西瓜は何も悪くない!自分を責めるなとわたしより先に号泣しだして、

わたしはその泣き声を聞いたら冷静になって泣けなくなったことを今でもふと、思い出し笑いしてしまい、あの地獄の記憶の中にあるオアシスのような優しい思い出を作ってくれたなと思います。



そんな幼なじみたちと今でも仲良しで、現在31歳ブラッシュアップライフの登場人物たちとほぼ同世代のわたしがこのドラマにハマらないわけはなく、あーちんとは幼なじみと仲良し以外に共通はないけど、そのひとつの共通だけを盾にして自分と重ねて楽しんでいます。

わたしの人生はそれはそれはすごく普通で、
誰かの役に立ててるわけでもないし、
徳なんて全然積めてないし、

なんなら、何度も躓いて転んで上手く起き上がれなくて、そのたびに幼なじみたちが手を差し伸べてくれて傷だらけになりながらなんとか成り立ってきたような人生で、

振り返ればやり直したいことだらけだわこのままじゃわたしの来世ダンゴムシかもと思いながらも、毎回笑ったり泣いたりしながら夢中になって毎週観ています。


同じくブラッシュアップライフにどハマりしているYeah!めっちゃホリディを一緒に踊っていた幼なじみがしばらく海外に留学するとのことで、
小学校6年生の修学旅行のときと同じように写ルンですを片手にふたりで名古屋の大須を散策をしました。(修学旅行はもちろん大須ではなく京都奈良だったけど)

うちらの青春!とスピンズで用途不明の謎のキーホルダーやステッカーをお揃いで買ってそれぞれ鞄につけ、黒糖味のタピオカを求め歩き、幼なじみが興味を持ったワークショップにことごとく付き合ってあげないという徳を積むとかいうことを完全に忘れた優しくないことをしでかし、

途中で入った5テーブル程しかない小さな喫茶店は今時珍しく全席喫煙可で、ふたりともタバコを吸わないのに副流煙にまみれながら、

奥で流れる小さなテレビに写る大谷翔平を見て彼は人生10周くらいしてるんだろうね、うちらは1周目だからこんなんでも仕方ないよなと自分たちを肯定しながら、人の文句を言って過ごしました。

わたしの来世はこのままじゃきっとダンゴムシだし、今世の頑張り方もわからなくて今からどうやって徳を積めばいいのか頭を抱えてしまうし、もう一度やり直したところでどうしたらいいかわからないポンコツだけど、人生何周してもみんなと幼なじみで居たいなと思うのです。

徳を積めなくて来世人間になれなくても、みんなと仲良しな小学生でいたいし、人生で一度もタバコを吸ったことないのに己の確認不足で副流煙にまみれながらも、小さな喫茶店で紅茶を飲んで自分たちを肯定し合える31歳でいたい。


幸せぼくろを見つけてくれた幼なじみと、
ZONEを熱唱してた幼なじみと、
Yeah!めっちゃホリディをセンターで踊ってた幼なじみと、なかなか集まれないからと年1回一緒に旅行して、まとめてみんなおめでとうと、1つのホールケーキを雑に4等分する幸せを知ってる自分でいたい。

どんなに離れて暮らしてても、あの場所に実家がなくなっても、みんなと帰る場所が同じ自分で居たい。

人生1周目のわたしは欠けてるものだらけだけど、わたしの欠けてる部分はドーナツの穴みたいにわたしの個性であり魅力であるのだと信じたい。

わたしの些細なことを気にかけてくれたり、
わたしに本当なら話したくないであろう失敗話をあっけらかんと話してくれたり、
わたしに起きた出来事をわたしより先に泣いてくれたり、そんな友だちがいてくれるのはわたしがみんなの欠けているところが好きなように、みんなもわたしの欠けてるところを好きで居てくれてるからなんだと思いたい。

人生何周もして、どんなにブラッシュアップして、欠けてるものがどんどん満ちていく人生を歩めたとしても、こんなたのしい時間がない人生なんて興味ないなと思ったりしたのでした。

わたしの1周目の人生はわたしなりにとっても尊い。

めっちゃホリディ幼なじみが海外へ行ったら、しばらくは面白いドラマの感想の共有ができなくなるけど、一緒にタピオカ飲めなくなるけど、お互いに今世を少しだけブラッシュアップしてまた一緒に写ルンです持ってお出かけ出来るといいな。とりあえず、健康で、事故なく、無事で。


ちなみにわたしの座右の銘は"無事"です。


#ブラッシュアップライフ #バカリズム #幼なじみ #エッセイ #テレビドラマ感想文 #ハマった沼を語らせて

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?