好きだったはずの

2024.2.24

あんまりこういうことは書きたくなかったんだけれど、勢いに任せて書いてしまおうかと今悩んでいる。

好きなバンドの新しいアルバムが出た。ようやくそれを回収して仕事終わりにヘッドフォンをして爆音で流して聞いてみた。いつものように歌詞カードを見ながら音に耳を澄ませていた。

1曲目と8曲目が好きだった。思いのほか、1曲目のある部分の歌詞で泣いてしまって、あぁわたしってまだこのバンドの音楽で泣けるんだ、と思った。とそう思ったのが、なんだか悲しかった。

わたしはいつからか、好きなバンドの曲も、好きな音楽も、どうにもしっくりこなくなってしまって、感情が揺れ動かなくなった。名前を出すのは憚られるからしないけれども、きっとこのnoteを読んでいる人にはわかってしまうのだろう。
前前作のアルバムでは、一聴したとき、びっくりするくらい涙をこぼしていた。あぁこのバンドに全て救われてしまうんだろうな、と思った。それが、なぜか少しずつ自分が変わってしまった。いや、バンドも変わる。自分も変わる。その歯車が少しずつずれていったように、感じた。

ある部分の歌詞に涙しただけで、それ以外の部分では涙は出なかった。わたしが感情を揺れ動かされたときには涙が出るというのは自分が1番わかっている。それなのにどんな涙も出ないというのが、悲しかった。

好きなのに、好きなはずなのに。

好きじゃなくなってしまったように感じて。

無理に好きでいるのかもしれない。義務で好きでいるのかもしれない、ライブに行っているのかもしれない。
そう思いついてしまう自分自身が寂しかった。

人を好きじゃなくなったときにも、こうやって感じるのだろうか。それすらも忘れてしまった。

ただ自分が鬱っぽくて調子が悪いからそう感じるだけかもしれない。ずっとそう思い続けて、むしろ祈るようにそう考えている。そうであってくれ、と。

ライブの楽しみ方や、音楽の楽しみ方がわからなくなってきた。どうしてあんなに涙していたのかもわからなくなってしまった。思い出せなくなってしまった。本当に好きなのだろうかと考えてしまうようになってしまった。

今は自分のことでいっぱいいっぱいだから、かもしれない。余裕がないだけかもしれない。でもそうじゃなかったら。そうじゃなかったら、わたし、音楽に全てをかけようと、捧げようと思っていたわたしは、どうなっちゃうんだろう。

いいこともたくさんあったこと、頼むから忘れないで。
なんとなくずっと無気力で、ここじゃないどこかを探している。

戻ってこれるのかな。
かなしくて聞いていて涙が出ちゃうようなら、そのときはもうおわりだね。

はじめから僕らは自由だったはずなのに、どうしてか音楽にとらわれてしまう。