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デザイナー像探求型 反転企業説明会 『デザQ』 とは?

はじめまして。
千葉工業大学 安藤研究室にて主にエクスペリエンスデザインについて学んでいる、秋山華穂と申します。

私は現在4年生で、23卒学生という立場でデザイナーを志し就職活動をしていました。
しかし、自分がどんなデザイナーになりたいかという「デザイナー像」をうまく思い描けず、面接やポートフォリオ制作でとても苦しい思いをしました。

そのような経験から、少しでも私と似た悩みを抱える就活生のサポートができないかと考え、24卒学生向けオンラインイベント「デザイナー像探究型 反転企業説明会」略して「デザQ」の企画・運営を行っています。

この度は、「デザQ」がどんなイベントなのかについてご紹介させていただきます。

企画の背景

デザイナー就活をしていると、学生のことを考えて採用活動をしてくださる企業の方がとても多いなと感じます。「学生の求めるスキルが得られるか」「期待する環境の職場なのか」といった、学生の ”デザイナーとしてこんな働き方がしたい” の声に耳を傾けてくださる方が沢山います。

その一方で、学生側は ”デザイナーとしてこんな働き方がしたい” イメージができているのでしょうか?これは、かなり個人差があるのではないかと思います。
イメージの明確さが人によって様々で、リアルに思い描いている学生もいれば曖昧な学生もいるからです。
それでは、 ”デザイナーとしてこんな働き方がしたい” イメージを明確にするためには、どんなことをする必要があるでしょうか?

デザイナーとして内定をいただいている先輩は、説明会やインターンなどの就職活動の様々なフェーズを踏んで明確化していたとお話をしてくださいました。

就職活動のフェーズ別に得る情報
説明会:何を目指しているのか、組織形態、デザイナーの立ち位置など
インターン:デザイナーの方の思考やスキル、普段の取り組み
面談:デザイナーの方が大切にしていること、気持ち
オフィス見学:現場の雰囲気

これらの情報と、自己分析から捉えた自分の軸を掛け合わせて ”デザイナーとしてこんな働き方がしたいな” をイメージされていました。

この話から考えられる、明確化するためのポイントの1つは、自分の軸となる「デザイナー像」を持つことです。
これは ”会社に入ってどのように働きたいか” ではなく、 ”自分自身がどんなデザイナーになりたいか” という視点でイメージする像です。様々な学生にインタビューした内容から、「理想のキャリア」や「希望する関わり方」など、その人の重視しているものによって多種多様な「デザイナー像」があると想定しています。

もう1つのポイントは、いろいろな視点から企業の情報を収集することです。
特に「デザイナーの方の思考」や「具体的な取り組み」など、その企業のデザイナー個人にスポットを当てた情報を得ることが、より働き方を明確にするための手がかりとなりそうです。

それらを掛け合わせることで、会社で「どんなことを得たいか」「どんな人達や事業に関わりたいか」といった働き方のより明確なイメージを持つことができると考えられます。

デザイナー像と企業の情報を掛け合わせて、働き方のより明確なイメージを持つことができる

更に、そのような「デザイナーの働き方についての具体的な事例」を知り、新しい視点を得ることで、軸となる「デザイナー像」がブラッシュアップされることが多くあります。
そのため ”デザイナーとしてどんな働き方がしたいか” は、常に考え続けながら就活を進めていく必要があります。

しかし、様々な学生から伺ったお話や私自身の経験から、軸となる「デザイナー像」を持つことに難しさを感じている人は多いようでした。
そのような背景から、学生が「デザイナー像」を明確にするための就職活動支援イベントとして企画されたのが「デザQ」です。
学生が ”自分はどんなデザイナーになりたいんだろう” と考えながら企業について理解を深め、自身の「デザイナー像」についての解像度を上げていくことを目的としたイベントになります。

「反転企業説明会」とは?

本イベント「デザQ」の名称は「デザイナー像探求型 反転企業説明会」を省略したものです。
なんだか漢字がいっぱいですが、「デザイナー像探求型」の部分は前章で説明したように、学生がデザイナー像を明確にするためのイベントであることを意味しています。
本章ではイベントについてもっと知っていただくために、「反転企業説明会」とは何かについて説明いたします。

反転企業説明会とは、「反転学習」という学習方法を応用した企業説明会です。

反転学習とは
説明中心の講義などを事前学習とし、授業では学習者が主体的に学ぶ演習などを行う従来の授業形態を反転させた授業形態であり、学習者の理解を精一杯引き出すことができるとされている。
森朋子. 反転授業のデザイン, 化学と教育, 2016, Vol. 64, No. 12, p. 596-599

前述のように反転企業説明会も、従来の企業説明会の形態を反転させたものになります。
従来の企業説明会では企業の説明を聞き、それをもとに学生の質疑応答を行います。一方で反転企業説明会では、学生からの質問を起点とし企業の説明を聞く形となります。

従来の形態を反転させた「反転企業説明会」

この形態の良い点は、学生の ”こんな働き方ができるのではないか" という疑問をもとに、企業への理解を深めることができる点です。学生が、どんな働き方ができるのかを考えながら企業について知ることで、自分自身のデザイナー像への理解も深めていくことができるのが反転企業説明会です。

このような反転企業説明会の利点を最大限発揮するために、イベントは2Daysで開催されます。Day1で、学生の ”こんな働き方ができるのではないか” という疑問を育てるワークショップを行い、Day2で実際に企業の方の話を聞き理解を深めるという構成です。

次章からは、Day1・Day2それぞれの具体的な内容について説明いたします。

Day1 デザイナー像×企業分析ワークショップ

Day1の内容は、学生が自身のデザイナー像や得意なことを探索し企業分析を行い、 ”こんな働き方ができるのではないか” と考えるワークショップになります。

Day1の内容

STEP1:デザイナー像を探求する
仮説と検証を繰り返した結果、「取り組み方についての視点」「キャリアについての視点」「社員との関わり合いについての視点」の3つの視点が、デザイナー像について捉えるために押さえるべきポイントだと考えています。
そのため学生には、3つの視点から自分自身を深掘りし内省を行なっていただきます。内省を通してデザイナー像を捉えたら、さらに気づきを得られるように他の学生と共有し合います。

STEP2:得意なことを見つける
共催企業であるRe Designer for Studentの方々から、企業分析をする際には「希望する働き方ができるか」だけでなく「できることが評価してもらえるか」という視点を持つことも必要だとアドバイスをいただきました。
自分の力を活かせる会社かどうかについての視点を持つため、学生には企業分析をする前に自分の得意なことについても深掘りしていただきます。

STEP3:企業分析をする
学生に手分けして企業の情報を分類していただきます。
分類は、デザイナー像とリンクする「取り組み方について」「キャリアについて」「社員との関わり合いについて」の3つの情報と、得意なこととリンクする「活かせる力」についての合計4つです。
また、分析する情報は主に社員インタビュー記事などの、その企業のデザイナーがどのように働いているかについて、個人にスポットが当たったものを使用していただきます。

STEP4:働き方を考える
最後に、自身のデザイナー像、得意なこと、企業の情報を掛け合わせることで、 ”その企業でどんな働き方ができるか” について考えていただきます。このときに考えたものがDay2での企業への質問になります。

以上のステップを踏んで、学生にデザイナー像への理解を深め企業分析をしてもらい、 ”こんな働き方ができるのではないか” について考えていただきます。

Day2 学生主体型企業説明会

Day2では、Day1内ワークショップで考えた自身のデザイナー像と質問をもとに、企業の方にお話をうかがいます。
しかし、参加学生一人一人に対談時間が設けられるため、従来の企業説明会のような多くの学生が参加できるイベントにすることができません。

そこで、Day2の様子を閲覧できる学生の席を設けます。
Day1から参加している学生のように、企業の方と直接お話をする時間を作ることはできませんが、今までの企業説明会には無かった視点で企業への理解を深めることができるような工夫を検討しています。

閲覧学生のためのポイント
・冒頭で企業の基本的な情報を紹介するため、置いていかれる心配はなし
・登壇学生に自分を重ねて企業の方の話やデザイナー像について聞くことができる
・学生の質問に対する企業の方の回答が視覚的にわかりやすい仕掛けを準備中

この他にも、本イベントが今後の就職活動の糧となるような工夫を検討しています。
Day1からの参加が厳しい学生の方でもぜひ参加をご検討ください!

現在参加予定の企業様

  • 株式会社アドウェイズ

  • 株式会社いい生活

  • 株式会社マネーフォワード

  • 株式会社ゆめみ

最後に

ここまでご覧いただきありがとうございました。
「デザQ」というイベントがどんな経緯で企画されたのか、何をするイベントなのかについて、ちゃんと伝えることができていたらとても嬉しいです。
少しでもイベントに興味を持ってくださった方は、こちらのイベントページをぜひチェックしてください!

【注意】
※ イベントページは「Day1 デザイナー像 × 企業分析ワークショップ」に参加し「Day2 学生主体型企業説明会」にて登壇する学生を募集するものです。
※ 「Day2 学生主体型企業説明会」の様子を閲覧できる学生のチケットは別途用意いたしますのでご注意ください。

また、このイベントは「UX ROCKET #04 」の企画の一つとして実施しています。
UX ROCKETとは、私の所属する安藤研究室の学生が主体となって企画・運営を行なっている、UX デザインについて語り尽くすことを目的とした就活・交流イベントです。
webサイトや各種SNSにて、「デザQ」やその他イベントについての情報を随時更新しているので、こちらもチェックしてね!


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