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出産、その後

お久しぶりです。前回の更新からもう一か月。その間に無事子どもが生まれました。生まれてからは体も心も大変で、ちょっと鬱なのかなと思ったりしたときもありました。今でも涙が流れることがあるんだけど。いっときよりはマシという感じです。

メモ帳に日記を残していたので、子どもが生まれてからのことを貼り付けて、ちょっと手を加えて今日の日記にしようと思います。

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2019/11/18
予定日を10日過ぎたこの日から入院。家の近くの川は透明で朝日をうけてキラキラしていた。ほぼ朝イチでスタバに行ったのに楽しみにしていたクリスマス限定ラテは売り切れていた。代わりにキャラメルフラペチーノを飲む。未だに正しい飲み方が分からない。このまま大人になるのかと思った。

陣痛は痛かった。鼻の穴からスイカというのはよくわからなかったけれど、上から抑えつけられるような痛みだった。分娩室より陣痛室が辛く、無事生まれてとかそんなこと思う余裕もなく、早く終われとしか思えなかった。時間が戻るか進むかして欲しかった。分娩室に入ってからは20分ほどでお産は終わる。隣の分娩室で同時進行していたお産に助産師さんたちがかかっているあいだに子どもは出てきていて、そのあいだ分娩室で同居人と二人きりだった。子どもが生まれたときは同居人の方が泣いていた。私は絶対泣くと思ったのに、ホロリと涙がこぼれただけだった。生まれたての子どもはちっちゃくて、でも重かった。

2019/11/19
妊娠中使っていた子育てアプリのメッセージを見て泣く。久しぶりに私は私のために感情を使うことができたと思った。純粋に、そのままの感情だけがそこにあった。

2019/11/20
入院2日目。血が流れ叫び声が聞こえる。その隣の綺麗な病室で豪華な御前を食べる。聖と俗。どっちがどっちなんだろうと考える。

2019/11/21
入院3日目。体重と血圧を測る。ぴったり3キロ、子どもの分だけ体重は減っていた。
ここまで生きてこれたんだから、それは一人では無理だから、私は幸せに生きなくてはいけないと、子どもを抱いて、21時前のニュースをみながら泣いて、マタニティブルーだなと思った。

2019/11/22
退院。高架を走る快速、横断歩道を渡るサラリーマン。窓の外を流れていく景色は今までとなぜだか違ってみえた。
もう私は子どもを産む前には戻れないのだと思うと、いいようのない気持ちになり涙が流れる。でも目の前の子どもは尊い。名前をつけることのできない感情。

2019/11/29
髪を短く切った。簡単に切った。惜しみもなく。振り返るな振り返ると終わり。

2019/11/30
目の前の子はかわいい。けれど二人だった頃には戻れない、そのことがとても辛く思える。そして泣いてしまう。頭はまだぐしゃぐしゃで、どうしてだか涙が出る。

2019/12/02
この日から実家に帰る。反射で笑う子どもをみて母は「何も経験してないくせに笑ってる」と言った。
夕方五時の放送が流れる。ほわんとした音の七つの子を背景に眠る子を見つめる。なんだかとても哀愁が漂う光景で、この子はこんなこと覚えてないんだろうと思うと、寂しくなって、でももう泣かなかった。ふとした時に泣きたくなるけど、前よりは良くなってると思う。
子育ては工夫が必要だ。言葉にしたら当たり前だけど、通りいっぺんにはいかない。秒針の音だけが響く部屋、BPM60で背中とんとんを刻む。

2019/12/05
少しずつ慣れてきた。自分に子どもをあわせようとばかり考えていたことに気づく。自分が子どもにあわせる方がずっと楽だった。でもきっとまた辛くなる。慣れたはずなのにって思う。けど自分を責めないようにしようと思う。慣れることなんてないし、時が解決することもあるからそのままでいようと思う。

2019/12/10
だんだん愛情というものがわいてくる。守りたい、ちゃんと育てたいという気持ちになる。丁寧に、たまに手を抜きつつ、子どもと向きあっていきたい。

2019/12/12
同居人がやってくる。泣く子どもをみて「涙が流れてる」ととても驚いていた。前は流れてなかったと。
お腹すいた、眠い。不快だと思うことを泣いて訴えてくる子ども。この子のなかに感情はあるのだろうか。あったとしたら、その感情はどこへ消えていくのだろう。なかったとしたら、涙はどこからやってくるのだろうか。

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今思うと辛さの原因というのは、子どもの世話そのものというより、子どもの世話で疲れている上にやってくる、他人との付き合いだったのかなと思う。義父母のテンションの高さについていけなかったり、祖母の身勝手さに嫌気がさしたり。

特に職場の庶務とのやりとりはしんどかった。対応してくれたのが気をまわしてくれない、余計なひとことを付け加える人で、その人は普段から誰に対してもそういう仕事の仕方をしているんだろうし、自分自身も普通の状態ならこの人はこういう人なんだと割り切れるけど、とてもそんな精神状態ではなくて。誠意のない対応をされただけで、自分を否定された気分になってひどく落ち込んだ。

自分は妊娠中や子育てしてる人には優しくしたいなと思う。。というか人に優しくありたいと思う。あとこれは具体的なことなんだけど、出産後の奥さんをもつ旦那さんは、いろんな手続きとか内祝い贈るのとかそういうの代わりにやってあげるといいと思う。

日記だけはつけつつ、毎日を過ごしていこうと思っている。この日記も、短くはなると思うけど余裕のある金曜には更新していくので、お付き合いくださるという方はどうぞよろしくね。

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