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ラッパーの矜持

mukugeを締めたEOでライブは始まり、19に繋いだ。(最高だった)
アルバムのテイスト的に、もっと日常よりのセトリでも良かったはずなのに、多分あえてラップから入った。
その時点で、強い意志を感じた。

まみこ氏のライブに行った。
流石に感想を起こしておきたい。そう思わざるを得ないライブだった。

ワンマンは2年ぶり。前はEXTHEATERで、どちらかというとコンサートっぽい雰囲気だった。
その時に感じたのは、「友達に向けて歌っているな〜」という感覚。
特にRを歌っているときに、真っ直ぐRachelに向けて歌っているなと思ったことは今でも鮮明に覚えている。
肩肘張らずにゆっくり出来る感じが、リスナーの心地よさに繋がって、ゆっくり日常を過ごしていることを肯定できるようになる。そんなところが(今でも)大好きである。

今日のライブはMCも短めで、曲を詰めてセトリが組まれていた。「立っていると疲れちゃうからね〜」と口では言っていたけれども、それだけじゃなくて真っ直ぐ音楽だけを聞いてほしいんだろうなと思った。

ワンマンはmukugeだけではなく、Deep greenとmsを行ったりきたりしながら進んだ。アルバムの分だけ、表現に厚みがでるよなと、それは至極当たり前なことを感じた。

まみこ氏の好きなところはこの数年ずっと変わってなくて、それはマイペースに生きることを肯定されるから。上げる音楽というよりも、ニュートラルに戻してくれるような音楽で、そんなところが大好きである。

でも、今日はラッパーとしての矜持を感じた。ニュートラルに戻す音楽というよりも、エンハンスする音楽に聞こえた。

彼女が生活を歌っているのは、多分ずっと軸としては変わっていない。それは自由を大事にしている人間がありのまま今の自分を表現しようとすると、必然的に一番自分がにじみでる生活がテーマになるからだと思っている。
そのなかでも、やっぱり色々な「思い(≠想い)」がフィーチャーされていることが多くて、その中でも多いのは愛の話。愛は人間の特権だからね。
だから、まみこ氏の曲を聞いていると、自分の生活も思いも肯定できる。と、思っている。

で、この生活を歌うという行動は、めちゃくちゃHIPHOPなのではないかということを今日のライブを通して思った。(多分1曲目のチョイスにびっくりして、このことを考えながら聞いてた。)

9つのエレメントのどれも、最終的にはライフスタイルというところに集約されていくから、HIPHOP = ライフスタイルという抽象化は多分そこまで間違ってない。だとすると、そのライフスタイルを真っ直ぐ言葉で伝える鈴木真海子は、めちゃくちゃラッパーなんじゃないか。
ライブの始めに感じた「意思」は、ラッパーとしての矜持だったんじゃないか。
「フィメールとか、メジャーとか、ルックスとか、ゴシップとかどうでもいいから、ラッパーの私の曲聞いてよ」
そんなことを語りかけられているような感覚があった。

アルバムからは、共通して「ゆらぎ」というテーマがあるように感じていたけれども、少なくとも今日のライブでは、ラッパー鈴木真海子はゆらいでなくて、真っ直ぐしなやかな信念を持っているんだなと、厚みのあるセトリ殴られて痛感した。

色々こねくり回したけれども、僕は鈴木真海子というラッパー・アーティストが大好きで、これから先もきっとずっと大好きだろうなと思います。次のワンマンも行きたいな〜〜〜。

前です。


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