夫婦になった2人の「ありがとう」について

夫婦における「ありがとう」問題において、わたしの主観に基づき語りたい。

よく見聞きする問題としては、"配偶者からの「ありがとう」がない問題"である。

ちょっとした気遣いに対して、感謝の言葉がない。思いやりがあって当然と思っている。などだ。

夫婦円満の秘訣について語られる際、大抵の場合は"ちょっとしたことでも感謝の心を忘れないこと"がとノミネートされているし、googleで「夫婦 ありがとう」で検索しても基本上記のような内容がトップに出てくるので、世間一般の認識とも相違ないと思う。


しかし今回わたしが抱いた不満は"「ありがとう」の使い方間違ってない?問題"である。

これだけでは伝わりにくいと思うので例を挙げる。

【事例1】
わたしが使ったコップを、わたしが洗ったことに対して、配偶者から「ありがとう」と言われる。

?????

なぜ君(配偶者)が「ありがとう」と言うんですか?????

※注釈
わたしたち夫婦は子なし共働きで、生活費などの諸費用、家事は完全折半である。年収差もおよそ100万くらいで、さほど大きな差はない。関白宣言のような、この人にはコップひとつ洗わせてはならない、という力関係はお互いにないと言える。

このような事例に対してのわたしの持った感想は

「この人、わたしがコップすら洗う気がない(または洗うことを厭う)人間だと思っているのか?」である。

つまり腹が立ったのだ。

・・・配偶者からしたら、気を遣ってお礼を言ったにも関わらず、腹を立てられては「ありがとう」のいい損である。しかし現実問題として、"お礼をいうタイミングではない"時の「ありがとう」は、その言葉の意味の通り相手に伝わらないことがあると思う。

だって自分のコップ自分で洗ってお礼言われても「なんで?」ってなるでしょ。わたしはなる。煽ってるの?ってなった。

なのでわたしはもちろん配偶者に「なんで『ありがとう』?」と聞き返した。
「え?いやまあ・・・」

?????

理由ないんかい!!!!

お分かりだろうか。つまりこの「ありがとう」は、特に意味もなく発せられていたのである。


たしかに、よく世間で見聞きする。『配偶者に対して感謝の気持ちはしっかり言葉で表した方がいい』、『小さなことでも感謝の言葉を忘れずに』というように、言わなくても伝わっていると思い込まず感謝の意をきちんと伝えることは、他者との生活を営むにおいてとても大切なことだとわたしも思う。

けれど。だからこそ。

意味もなく乱発しては言葉の価値が下がりませんか???

少なくともわたしはこの時に「この人とりあえずありがとうって言っておけばいいと思ってるんだな。」と受け取ったので、今後発する「ありがとう」に関しても、「本心からじゃなくとりあえず言ってるだけかもな。」と思うようになった。つまり価値が下落しているのは間違いないと言える。

ここでなにが問題かというと、「ありがとう」と言われることに対して苦言を呈するのは、かなり角が立つということである。

「とりあえず"ありがとう"って言えばいいと思ってるように聞こえるから、何でもかんでも言うのはやめてほしいな。」

これ、どうやってオブラートに包めばいいんですか?わかりません!助けてください!!!

──という、苦言の呈し方分からない問題が、ひとつめの問題点である。

そしてこの問題の難しいところはインターネットで「夫婦 ありがとう 言い過ぎ」と検索しても、「ありがとうと言わない人よりいいですよ。」という質問の意図を理解してない回答ばかりが目立つのだ。その回答の価値の無さと同じくらい価値のない「ありがとう」を濫用されることに苛立つという話なのに。検索結果を見てまたイラついてしまう。

また、ふたつめの問題はどこからどこまでなら「ありがとう」といって差し支えないか問題である。

どういうことか分かりにくいと思うので例を挙げる。

【事例2】
わたしが休み、配偶者が仕事の日に、仕事から帰宅後、たたまれた洗濯物を見て、「ありがとう」。
※我が家は畳んだ洗濯物をタンスにしまうのは各自が行うことになっているので、相手の洗濯物は畳むところまでしかお互いやらない。

【事例3】
わたしが夕飯に食べたくて鶏肉を買ってきたことに対して「ありがとう」。

【事例4】
毎夜寝る前に「いつもありがとう」

・・・正直すべての事例において「ありがとう」は不要だと思う。少なくともわたしはいらない。
だがこれは人によって意見が違うことも分かる。

【事例2】のケースだと、人によっては畳まれた洗濯物を無言でタンスにしまわれたら「なんか言ってよ!」となるかもしれない。

だが前項で述べた【事例1】や、【事例3】のようなケースは、お礼を言うには過剰であると思う。
しかしこの線引きは個人個人で異なることから、「ありがとうって言い過ぎに感じるから控えて欲しい。」と相談する場合に、「じゃあどれは過剰でどれは適切なんだよ?」と返された際にとっても困るのだ。
これはもうお互いの価値観によっても線引きは容易に変わるだろうし、話し合い以外にこれを解決する手段はないと思う。

片方の意見が仮に世間一般的に少数派であったとしても、夫婦は妻と夫で一人ずつなのだ。どちらが少数派ということはない。お互いの妥協点を探すしかない。

・・・以上のことを踏まえると、仮に進言するにしてもなんて言ったら角が立たないか分からないし、言えたとしてもその線引きについて終わりなき話し合いが始まることが目に見えている。

だからわたしは今日も家に帰っては、日増しに価値が目減りする配偶者からの「ありがとう」を聞き流しては、夫婦理解の道をひとつ諦め、徒然なるままにnoteに書き連ねることを選択したのであった。

【要約】
ありがとうって言い過ぎで困ってる夫婦の方はぜひいい話し合い方や伝え方を教えてください。

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