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新しい時代の音楽

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LIVEの感想・音楽について
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#音楽

時代に消費される音楽の終結~藤井風という表現者~

 日本の音楽業界は、人々の生活に常に寄り添い、一緒に成長してきた。 かつては演歌・歌謡曲というジャンルで、歌手は商品としてプロデュースされ、疲弊していた。 70年代、「ニューミュージック」という新しいジャンルができ、今では当たり前となった、「シンガーソングライター」という言葉ができた。商業ベースにのせられる芸能界から離れたところで、自分たちの音楽を作る!という気概を持ち、テレビには出ない、というアーティストも出てきた。  でも、その分離はそれほど長くは続かない。作詞家の松本

藤井風“Feelin’ Go(o)d”🌈風と雲との響宴〜後方席より

アジアツアーと北米ツアーから帰国後、1年半ぶりの藤井 風さんの国内LIVE。 ファンなら誰もが行きたいLIVEだけど、1次抽選・2次抽選と『チケットをご用意できませんでした。』のメール。 今まで武道館とホールツアー以外はなんとか行けたど、今回はどうしても!という熱意が足らなかった? 早々にお留守番と覚悟し、前回記事を出した頃もほぼ諦めていました。 行けなくなった人が出す『チケットトレード』の抽選は、確率はさらに低いはずだけど、最後と思って挑戦! 当落発表の日は、LIVE

この夏、音楽の世界発信が加速 !!

毎日暑いですね! 暑さに弱いため・・休日は近所にしか出かけない毎日が続いています。 今までにない雨の降り方、太陽の強さ、そして経済的な常識も変化していきそうな感じ。 とりあえず自分の機嫌には責任を持てるよう、楽しめることにフォーカス、を心がけています。 日常生活の中で気持ちを明るくしてくれるのは、私の場合は音楽。 2020年から応援している『生涯の推し』お二人の、熱い世界発信が決定したようなので紹介させてください。 まず7月26日に発表された、藤井風さんの新曲『Feel

奇跡の歌声・小田和正TOUR2023「こんどこそ、君と!!」

2023年5月25日、大阪城ホール。 小田和正さんのコンサートに、初めて行けることになった。 いつかは生の歌声を聴いてみたいと、ずっと思い続けて数十年。 御年75歳らしいのだけれど、声の美しさとハリは変わらない。 もう『日本の宝』・・国宝級かもしれないと思うほど。 デビューしてから50年以上ずっと、歌詞が美しくささってくる歌声は、奇跡としか思えない。 過去のコンサート映像で見ていた通り、今回もアリーナにはマラソンコースのような道。 歌いながら移動し円形に作られた2か所では

第40回『サントリー1万人の第九』

1983年より大阪城ホール誕生記念として開催され、今年で40回目になった『サントリー1万人の第九』。 かつて山本 直純さんの指揮だった時代に、一度だけ舞台上のオーケストラの後ろで、合唱団の一員として参加させていただいたことがあった。 その他大勢であっても、巨大なホールでの拍手の嵐はとても気持ちの良いものだった。 今年は2,000人だけ、合唱団の募集をしていたのを発見した。 一緒に歌って合わせなければならない合同練習を考えると、開催側は今年もかなり悩まれたに違いない。 仕

『グレイテスト・ショーマン』~究極のエンターテイメント~

2018年に公開していた『グレイテスト・ショーマン』が、音響の良い設備でリバイバル上映されていたので、映画館で見てきた。 評判は聞いていたけれど、見逃していた。 結果、今更かもしれないけれど自分の中の名作を抑え、あっさりナンバーワンのミュージカル映画となってしまった。 セリフで説明せず、場面で次々と見せていくので、ストーリー展開がまるでアトラクションのような勢い! 100分という上映時間はあまりにも短くて、終わってすぐにもう一度見たいと思った映画は、初めてだった。 音楽+

ディマシュ・奇跡のボーカリスト

規格外のボーカリスト 音楽通の間では数年前から有名だったらしいけれど、私は2021年8月の『マツコの知らない世界』で知った新参者なので、一度noteにまとめておきたい、と思いながらもかなり時間がたってしまった。 すでに母国カザフスタンでは、国を代表する歌手になっている。フィギュアスケートでも何度か使われていたので、聴いたことがある方も多いかも。 初めて歌声を聴いた時、ひとつの声帯でなぜここまでいろんな声が出せるのか信じられなくて、もう、開いた口がふさがらない…!という感

◇ライブな時間◇角野隼斗ツアー2022

久しぶりのピアノソロコンサート! でも会場の空気は、今までのクラシックコンサートとは、全く違っていた。 角野隼斗さんのソロコンサートは、今回が初めて。 かなり過去の記憶をたどると、ブーニンなどショパンコンクール入賞者の演奏会を中心に聴きに行っていた。 その中でも、音色の美しさで一番記憶に残っているのは、タン・ダイソン。 (今回のショパンコンクールにも審査員として参加、教え子は1位と6位に入賞するなど、今では有名な指導者になっている。) 今回の生演奏を聴いたことで、私の一

『マイケル・藤井 風・ショパン』

『マイケル・藤井・ショパン』 湯川れい子さんがTwitterでつぶやかれたこの言葉が、私の心に稲妻のようにささった。 全く同じ思いを持っていたことに気付き、時間がたつほど3つのワードがどんどん大きくなっていった。 自分の中からとり出して、今伝えたい『今年のキーワード』。 (湯川れい子様、どうしても書きたくてお借りさせていただきました。) こんなに不安定な世の中なのに、YouTubeなどの動画配信やインスタLIVEが普通になったからなのか、『音楽』がとても豊かでぜいたくな時間

あなたの青春は、なにいろ? ~「旅路」によせて~

私の高校時代は、音楽と部活の思い出がすべて。はりつめた糸が切れそうなくらい不器用に真面目、自信がなくて、自分を追い込む。好きなことと苦しいことが裏表にくっついていて、息苦しかった思い出が多い。今から思えばかなり、精神的に不安定だった。 もう一度経験できたらもっと高校生活を楽しめたのに、と思う。 でも、もう一度は無理、とも思う。 高校時代の部活は「音楽部」という名称の混声合唱部だった。 毎年夏休みには合宿もあり、『合唱コンクール』に向けて、毎日練習をしていた。 目立ちたくない