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成瀬 鷗
2019年12月6日 03:15
ひとのひふ、に触れたときの感覚は独特で、すべすべ、というよりはぬるぬる、とかぬめぬめ、とか。もちろん実際は、なめくじとかなめことかみたいに、ほんとにしめっているわけではないのだけどなぜだかそんな形容詞がしっくりくるような気がする。二人の天使が両端を掴んで司っている夜の帳は、まるでわたしたちが裸のままでねむろうとしている、川沿いの小さなマンションの周りだけをぐるりと囲んでいるみたいだった。もしわた