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成瀬 鷗
2020年4月6日 04:44
「誰とでも、こういうことするの?」深夜と呼べる時刻。カチカチと値段を刻むメーターが光るタクシーの後部座席。運転手に聞かれたら不味いぞ、というような判断ができない、が、そのこと自体は何故か自覚できる。酩酊感が気持ち悪い、と心地良い、の間をメトロノームのように行ったり来たりする。都会の光が窓を掠めていくのが妙に綺麗。膝のうえに頭をのっけて目を瞑る、初対面のはずの女の子、のうすい肩を撫でながら問うて