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日記

先月、こいびと、と表記していたとてもすきなひとと結婚をした。ひとのことを属性の名前で呼ぶのはいけすかないのだけれど、これからは夫と表記することにする。おっと。音符の名称がぱっとおもいだせないけれど、タッカのリズムと似ている。とん、と地面を蹴って跳ねる、軽やかな。きみの足に羽を与えよう。
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産休をとっておられたかたがお子さんをつれて職場にやってきた。生後七か月。以前からほんのたまにではあるけれど仕事ちゅうに赤ちゃんの泣き声が聞こえてくることがあって、あれは産休が明けるまえに職場に一度顔をだす・子どもを家に置いていくわけにはいかないから連れてくるといったものだったのかといまさら気がついた。そのひとのお子さんはとてもよく笑うおんなのこで、じっと見つめていると嬉しそうにしてくれて、けれどほかのひとに抱っこをされるとすぐにぐずりだす。わたしの直属の上司が綺麗な指で赤ちゃんのちいさなちいさな手にふれて、似てますね、と言う。もうおかあさんなんやね、とほかの同僚が言う。さいきん登録した結婚式のプランナーさんと打ち合わせをするための専用ホームページから届くDMには葉酸が重要だと書かれている。近いかもしれない将来の、想像のつかなさをおもった。
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「誕生日、増税後かあ」
「やーい増税後!」
「おまえもやぞ!?」
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夏はいくつか映画を観た。MOVIX京都の京アニ特集でやっていた『たまこラブストーリー』。何度観てもみどりちゃんが泣くのをこらえて声をすこしつまらせるシーンで泣いてしまう。それから出町座で『そうして私たちはプールに金魚を、』と『WE ARE LITTLE ZOMBIES』。映画であることに自覚的な映画(こういったものにたいへん弱い、すきです)。おもいのやり場のなさとか、こころのありどころとか。金魚のほうは公式サイトのリンクを辿れば本編を見ることができる。また別の日に出町座で『救いの接吻』。崩壊する愛と、修復されていく愛。子どもは愛である・愛によって子どもはうまれる、といった台詞を聞いた/見たときに、結婚情報誌には将来設計のように出産のことが書かれているけれど、それはすこしずれているんでは、とはっとする。〈一瞬を永遠にするために〉。
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関西弁でいう、言うてる間に(ユーテルマニ)、誕生日をむかえて二十七歳になった。大人になってよかったとおもう誕生日がくるなんて想像していなかった、大人になったのだとおもう。カラオケに行っても恥ずかしがってうたわない夫がハッピーバースデーの歌をうたってくれてなんだか嬉しかった。そしてじぶんの誕生日の十七日後、また言うてる間に夫の誕生日がやってくるので良いお肉やケーキやプレゼントを用意する。きょねんは誕生日にごはんをつくってあげられることが嬉しくて仕方がなくってローストビーフをつくったのだけれど、それをおもうとことしのお祝いはすこし質素かもしれない。
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雲の渦は音でしかないひさかたの街が夜明けにひからないこと
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うたわなくなるかもしれない歌のことをそのうち書きたいのだけれど、宣言をしてしまうとできなくなる性質の人間なので書かないかもしれない。書きたいという感情がある・あったことだけを、とりあえずは書き残しておく。

#日記 #nikki

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