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014-この星の丸みに立っていれば

 もう一度出会えたら抱きしめたいと恋焦がれるような熱い感情ではなく、けれどただすれ違うだけの道行くひとびととは違い、それなりの時間をつかってわたしの人生を盛りたててくれた大事なひとたちがいたということを時折おもいだす。きっと、もう二度と会わない、もし会えたとしても膨大に存在する人間のうちのひとりであるわたしのことを憶えていないかもしれないそのひとたちがいまでも愛しいのは、ある意味で未練がましいのかもしれないけれど、それでもそのひとたちと関わっていた時期の記憶はいつおもいだしても幸福に満たされていた。

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シメージとはなにか、わたしにもわかりません。わからないけれども書かないといけないようなもののような気がしているなにか、です。今回のシメージは2020年8月に使い捨てカメラで撮った写真に小説・エッセイ・短歌などなにかしらのことばを添えた作品集とします。

ぶきような作品集。毎月15日・25日に更新します。 ※『nice meeting you』冊子版の購入特典と同内容です。冊子版をご購入さ…

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