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006-凪の鱗(3)

 入ったときとおなじようにアルコールを噴霧されてから安曇と食堂を出る。身を守るためのあの霧をなるべく吸いこまないようにつけているのに、除菌のあとはアルコールのにおいのせいであたまのなかの一点が千枚通しで刺されるみたいにかんと痛くなり、その痛みは血流にのってじわじわと全身に分散していく。この日々がはじまってからいつでも酔っぱらっているような心地だった。
「こっちは陽が暮れるまで図書館にいるけど、あんたは?」

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シメージとはなにか、わたしにもわかりません。わからないけれども書かないといけないようなもののような気がしているなにか、です。今回のシメージは2020年8月に使い捨てカメラで撮った写真に小説・エッセイ・短歌などなにかしらのことばを添えた作品集とします。

ぶきような作品集。毎月15日・25日に更新します。 ※『nice meeting you』冊子版の購入特典と同内容です。冊子版をご購入さ…

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