7 Days to End with Youをプレイする①
2023年3月19日、Nintendo SWITCH版の「7 Days to End with You」をプレイしはじめました。
記憶を失った主人公(操作キャラクター)が“目の前の人”と7日めを迎えるそのときまでを過ごしながら、いま主人公がいる世界のことばを理解していくというゲームです。このゲームの世界のことばはアルファベットやひらがななどの組みあわせではなく記号のようなものでできていて、一目見ただけでは読みとくことができません。ですが、“目の前の人”とのやりとりから推測していくことで、段々と意味がわかってくるようになります。
プレイヤーによって物語が違ってくる・プレイ回数を重ねることでより理解が深まっていくという部分が面白いなあとおもったので、今回は1周めのプレイを終えての感想と考察を書き残していきます。
※注意
ネタばれを含みますので、プレイする予定のあるかたはまたの機会にお読みいただけましたら嬉しいです。おそらく前知識のないまっさらな状態で、じぶんなりにプレイするのがいちばん面白いです。また、プレイ済みのかたはこのひとはこう解釈したのだなあと温かく見守ってくださると助かります。
1周めの感想
1周めは主人公もプレイヤーのわたしもまっさらの状態でスタート。2周め以降は前回プレイぶんの言語リスト(謎のことばと、じぶんでつけた意味のメモ、色分け)が引き継がれるらしいです。目がさめると“目の前の人”が話しかけてくるのですが、なにを言っているのかまったくわからない……。これ、エンディングを迎えるまでにほんとうにわかるようになるのかなと不安をおぼえつつ進めていくと、3日めあたりでコツが掴めてきて、“目の前の人”がなにを言っているのかわかるようになっていきました。しかし、イベントの回収ができていない部分があるのか、1周だけではどうしてもわからないことばや設定があって、これは2周以上やらないとすっきりと終えることはできないなとおもいました。
今回迎えたエンディングは“目の前の人”を泣かせてしまうような、おそらくバッドエンドだったのですが、なんとなくで「愛してる」と意味を振っていたことばのおかげで「愛してる」とラストで言ってもらえて、プレイしているわたしも泣いてしまいそうでした。あのことばはほんとうに「愛してる」だったのかしら、そうだったらいいな。
1周めで気づいたこと
①ことばの構造
語順が英語に似て、動詞→名詞など、の順になっているのかなとおもいます。気づいたきっかけは寝室のベッドを選択すると“目の前の人”が言う「そろそろ/寝る?」みたいな台詞。3日めの晩に眠たいことをどうやって伝えようという選択肢でことばで伝えるほうを選び、「そろそろ/寝る?」の後者のことばでは“目の前の人”に伝わらないのですが、逆に前者のことばだと伝わるので、どうやら日本語と語順が違うらしいと気づきました。動詞が先にくることを意識してプレイすると読解がすこし楽になりました。
②色分け機能を使い忘れた
言語リストに色分け機能があることを把握しておらず、気づいたのも終盤だったので1周めでは使いませんでした。色分け機能は、このことば、意味はわからないけれど“目の前の人”が嬉しそうだからピンクに設定しておこう、といった感じでことばの種類を雰囲気で割り振っていく機能のようです。どの部屋で出てきたかで色分けするのもいいかもしれません。この機能に気づいていなかったので、1周めのプレイではこういう場面だからこんな台詞がきそうという予想でひたすらに意味を振り、別の箇所でうまくはまらなければ考えなおす、という方法でプレイしていました。次回は使ってみようとおもいます。もしかしたらほかにも把握していない操作方法があるかもしれません……。
1周めで出てきた手書きメモ
①クエスチョンマーク・指差し(・もうひとつなにか描いてあったけれど忘れました……)
②わたし、ハート、あなた→わたし、あなた、忘れる/失う/消える?
③寝室にあった古いメモ(たしか人間と電球のマーク……)
④マグカップがなくなったから家のなかを探してほしい
ときどき、“目の前の人”が主人公になにかを伝えるためにイラストとことばを組みあわせたメモが登場します。①はチュートリアルみたいなもので、②③④はイベントだったのかなとおもいます。発生条件はわかりません。また、後半はなんのイベントもなくエンドレスエイト状態(※)だったので、なにか取りこぼしたからなにも起こらなかったのかなと想像しています。
(※エンドレスエイト状態…アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』で8週にわたりおなじ話が放映されたことを「エンドレスエイト」と呼ぶ)
物語の解釈にうまくはめこめずにいるのですが、③のメモが〈古いメモ〉だったことが引っかかります。むかしもおなじようなできごとがあったということなのか、実はプレイヤーのわたしが日々の記憶は残るものとおもいこんでいるだけで主人公は掟上今日子状態(※)なのか。
(※掟上今日子状態…西尾維新さんの忘却探偵シリーズに登場する探偵で、ひと晩眠ると前日までの記憶がなくなってしまう)
1周めを終えての考察
①主人公と“目の前の人”の関係
先述の手書きメモ②から、“目の前の人”と主人公は恋人だったのではないかと想像します。ハートマーク=恋人は2階の実験室らしき部屋の抽斗に入っているタロットカードの恋人にもおなじことばが書かれていたので確定とおもいます。ただ、メモの→のあとにハートマークがなかったこと、タロットカードの恋人の下にあったのが審判の逆位置であることから、現在は恋人ではないのかもしれないともとれます。あるいは、恋人であることになにか後悔している、など。
②この世界の状況
これは主人公が夢をみたあとに出てくる「このことばの意味は」の選択肢に引っ張られてしまっているのですが、戦争をしているのかなとおもいました。家から出るのを強く引きとめられるのも戦争ちゅうだからなのでは。
③この家で行なわれていること
2階に大きなフラスコがあり、なにか研究・実験をしていそうな雰囲気があります。わたしは、死を治す方法、と翻訳していて、“目の前の人”が主人公の身体を治すためにやっているのかなとおもったのですが、どうなのでしょうか。死を治す=不老不死だったら怖いなともおもいつつ。でも、エンディングで研究・実験にあたることばを連呼していたので、それもありえなくはない……。
④1周めで想像したストーリー(終盤は今回辿りついたエンディングです)
異国からやってきた主人公は“目の前の人”と恋に落ちる。しかし、主人公の母国と“目の前の人”の国とが戦争状態に陥ってしまう。主人公は“目の前の人”とともに生きることを選ぶが、戦闘に巻きこまれて命にかかわる負傷をし、長いあいだ目をさまさずにいた。その間、“目の前の人”は眠りつづける主人公をかくまいながら、主人公から死の影を取り払うための研究に取り組んでいた。主人公は目をさますと記憶を失っており、“目の前の人”のことはおろか現在身を置いている国の言語すら忘れてしまっている。主人公は“目の前の人”を頼り、言語を再習得しながら、日々悪化していく体調から己の寿命の短さに徐々に気がついていく。そして目がさめて7日めの朝、主人公は“目の前の人”にじぶんが死期を迎えたことをこの国のことばで伝え、“目の前の人”は主人公に愛していたことと、最後の実験をすることを伝え、物語は幕をとじる。
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