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裏切りのサーカス
セリフが音楽のように聴こえる映画がある。
聴き心地がとてもよく、なぜこんなに繰り返し観てしまうのかな?と思う映画。
繰り返し観ているうちに、映像よりむしろ音声だけに聴き耳を立ててしまう映画。
セリフを覚えてしまう映画。
裏切りのサーカスは、もちろんストーリーも、名演も雰囲気もとても好きなのだが、私のベスト聴き心地がいい映画だ。
睡眠誘導に使っていた時期もある。
ただ流しているだけで落ち着く。
セリフの間合い、流れるような話し方、リズム、抑揚、すべてが心地よいのである。
監督はそこに何かこだわりを持って撮ったのだろうか?
質問してみたい。
コントロール役のジョンハートが、まずとてもナレーションがうまい俳優であることは確かで、パフュームという映画でもナレーションをしていたはず。
あの映画もなぜか繰り返し観てしまう。
しかしジョンハートだけではなく、全ての俳優たちが絶妙な抑揚と間合いで話しているのだ。
監督はスウェーデン人のトーマスアルフレッドソンで、英語ネイティブではないかと思うが、音にかなりこだわりがあるのではないかしら…
そして何より、昔から怪演際立ち大好きであったゲイリーオールドマンの、落ち着いた機微な演技には胸を打たれる。
アーティストには、破滅型と熟成型がいると思うが、好きなアーティストが年齢を重ねて熟成型と判明し、さらにいい作品を作り出し続けてくれるとじーんと来る。
よし、次は破滅型と熟成型アーティストについて書こ。
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